(令和3年5月21日(金曜日)14時20分 於:本省会見室)

冒頭発言 イスラエルとパレスチナ武装勢力間の停戦合意

【茂木外務大臣】先ほど発出いたしまして、皆さんのお手元にもお配りしていると思うんですが、イスラエルとパレスチナに関する私(大臣)の談話、改めて申し上げますと、我が国は今般のイスラエルとパレスチナ武装勢力によります停戦合意、歓迎をするとともに、米国、エジプト等を含みます関係国によります仲介努力に敬意を表します。
 我が国は、今般の合意が、持続的な停戦と、ガザを含みます地域の長期的な安定化に繋がることを強く期待いたします。
 我が国はこれまでも、現地の大使館など様々なチャネルを通じて、イスラエル、パレスチナ、双方に最大限の自制を働きかけてきたほか、関係国と緊密に連携をしながら、事態の沈静化に向けた外交努力を行ってまいりました。イスラエル・パレスチナの問題は、暴力によって解決されることはなく、交渉によってのみ解決されると考えております。
 今後も全ての関係者が、「二国家解決」に基づく和平への努力を継続することが重要であり、我が国は、引き続き、当事者間の信頼醸成に向けた取組を継続するとともに、緊急の人道復興支援を含めて、積極的な役割を果たしていく考えであります。私(大臣)から以上です。

在日ミャンマー人外交官

【NHK 山本記者】在京ミャンマー大使館の外交官について伺います。大使館から、外務省に対して外交官2人の旅券を無効にしたという連絡があったことを、加藤官房長官が昨日の会見で明らかにしましたけれども、この2人の日本での在留ですとか、外交官として扱うかどうかなど、政府としてどのような対応を取る方針でしょうか、お願いします。

【茂木外務大臣】本件について、3月に在日ミャンマー大使館から、外交官2名の外交旅券を無効にするとの口上書が外務省に送られております。
この2名が、特段不適切な活動を行ったとは考えておらず、日本での在留資格は取り消されていないと、このように承知をしておりまして、外務省としては、今後のミャンマー情勢も注視しつつ、適切に対応していきたいと思います。

ミャンマー情勢(対ミャンマーODA)

【産経新聞 石鍋記者】ミャンマー情勢に関連してお伺いします。ミャンマーへの日本のODAですけれども、大臣は以前から国会答弁などで、このままの情勢・事態が続くと、ODAが出せなくなる懸念があるとの考えを示してきました。改めて、現状のご認識をお聞かせください。併せて日本のODA停止の判断の現実味、これがどの程度まで迫っているのかもお聞かせください。

【茂木外務大臣】事態の早期回復を、ミャンマー国民も、そして国際社会も一致して望んでいる中で、このままの事態が続けばODAを見直さざるを得ない、あるいは、民間企業が投資したくても投資できなくなる可能性があると考えております。
 ミャンマーの民主化のために、これまで様々な支援を行ってきた国として、また友人として、こうした点をミャンマー側に明確に伝える必要があると考えておりまして、実際に伝達してきております。
 今後どうするか、ミャンマー側に対しては日本としても、特に3点を強く申し入れているところであります。これがどうなっていくのかと。また、先日はASEANリーダーズ・ミーティングで「5つのコンセンサス」が発表されたわけでありますが、今後、特使の派遣であったりとか、ミャンマー国内での対話の開始、こういったものがどうなっていくか、こういったものを見ながら、適宜適切に対応していきたいと思っています。

【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 渡会記者】先ほどのミャンマーのお話とちょっとかぶるかと思いますけれども、ミャンマーで、2月1日に国軍によるクーデターが発生して以来、日本政府は民間人の死傷を非難し、国際社会とも協調して、G7外相声明でクーデターに反対する人々への抑圧を非難しています。
 それと同時に、先日は、拘束されていた邦人ジャーナリスト北角裕樹さんの解放のために、大使を通じて働きかけて、解放と帰国を実現させ、またクーデターの影響を受ける住民への食料支援のため、国連世界食糧計画WFPを通じて、約60万人分の食料支援を行うことも決定しました。
 このバランスは難しいものだと思われますけれども、在日ミャンマー人団体やミャンマーの民主化情勢に関心を持つ日本の市民団体は、日本政府に更に踏み込んだ対応を求めています。
 国際協力機構が借款を供与する事業に、国軍系企業が関与し、経済的利益を得ているという現地メディアの報道もあります。日本政府によるミャンマーへの経済協力の検証と情報公開がなされ、民間企業にも国軍との関係を断つよう指導するなど、方針が明解にされることが必要だと思われますが、どのようにお考えでしょうか。

【茂木外務大臣】まさに、今、お答えした、直前の質問に対するお答えに尽きると思っております。