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土屋復興大臣記者会見録[令和6年5月1日]

令和6年5月1日(水)15:10~15:23 於)飯舘村長泥地区

1.発言要旨

 皆さん、こんにちは。

 昨日から本日にかけて、富岡町、広野町、浪江町、飯舘村を訪問いたしました。

 富岡町では、とみおかくらし情報館及びとみおかワインドメーヌを訪問いたしました。とみおかくらし情報館では、お試し住宅や移住体験プログラム等による着実な移住支援を行っているというお話を伺いました。また、とみおかワインドメーヌでは、復興のシンボルとして新たにワインをつくることによる交流人口の拡大についてお話を伺ったところです。これらの取組により、地域の活性化が期待できると感じたところでございます。

 またその後、小良ヶ浜・深谷地区の帰還困難区域を車中から見てまいりました。改めてご帰還を希望されている住民の方全員の一日も早い帰還を目指し、取組をしっかり進めるべきと感じました。

 広野町では、ふたば未来学園を訪問し、特色のある教育活動の現場を視察いたしました。特に生徒さんたちが演劇の授業をしておりまして、そのときに生徒さんたちといろいろ話をさせていただきました。将来の夢とか、それから今勉強していることとかを伺いましたけど、目を輝かせて楽しそうに授業に向かっている姿がとても印象的でございました。

 この演劇活動のプログラムも大変特色のある教育活動だと思いますが、それ以外にも様々な経験を通じていろいろな教育をしているようでございまして、立派に皆さんが成長してくださることを期待しているところでございます。

 浪江町の福島水素エネルギー研究フィールドでは、太陽光発電を活用して水素を製造する世界有数の規模の水電解装置を見学いたしました。カーボンニュートラル社会実現のため、ここ福島を新エネ先駆けの地として、関係の方々が果敢に挑戦を続けられていることに敬意の念を抱きました。

 最後に、飯舘村では長泥地区において実施されている除去土壌の再生利用実証事業の取組状況を視察し、また実証事業を行うビニールハウスに伺って、地元の住民の皆様が育てたお花を頂戴いたしました。実証事業が安全かつ着実に進めることが確認でき、本事業を受け入れていただいた飯舘村及び長泥地区の皆様に、復興庁としても感謝を申し上げたところでございます。

 今回の訪問を通じて、未来につながる様々な復興の取組を具体的に見聞きすることができ、大変有意義でございました。引き続き現場主義を徹底して、一日も早い被災地の復興再生に向けて全力で取り組んでまいります。

 特に、今、長泥にいますけども、長泥には前から伺っていたので、なるべく早く行きたいと思っておりましたら、今日こちらにお邪魔して視察することができたこと、とてもよかったと思っております。

 以上でございます。

 

2.質疑応答

(問)長泥についてですけれども、長泥で作った、環境再生事業ですと、農地についてのいわゆる作物の出荷制限のルールというのが国全体として示されていない状況で、地元からは早期に出荷に向けたルールを示してほしいというような声もありますが、現状大臣としてのお考えをお聞かせください。

(答)今回の視察、長泥地区の住民の帰還を進めるためには、この地区での営農再開は今おっしゃるように大変重要な課題であると思います。そういう意味では、今後、復興庁としても、地域に寄り過ぎつつ皆さんの意見を聞きながら、環境省や農林水産省、福島県をはじめとする関係機関と連携し対応してまいりたいと思っております。

(問)長泥地区は解除して1年たちますけれど、改めてこの中で今後の復興を復興庁としてどう考えていらっしゃいますでしょうか。

(答)今回の視察で地域住民の交流の場として整備された長泥コミュニティセンターや花の里と呼ばれる長泥の姿を後世に伝えるために、地域住民の方々が御尽力なさっている様子などを見て、自分たちの地域を再生し、再生だけではなくて、未来につなげるためには更に良いものにしていこうという意欲をすごく感じて感動した次第でございます。

 我々も支援はしっかりしていきたいと思いますが、でも住民の皆様のやっぱり自分たちの地域を良くしようという思いというのは非常に大事なことだと思います。そういう意味では、やっぱり住民の皆様の思いにしっかりと並走しながら、寄り添いながら我々は支援していくということなんだろうと感じたところでございます。

(問)長泥での除去土壌の再生利用は県内全体あるいは全国での理解醸成というのが課題になっておりますが、復興庁としてできる取組は、大臣はどのようなことを考えていらっしゃるでしょうか。

(答)除去土壌の再生利用については、科学的知見のもとで取組の必要性、安全性等に関する丁寧な情報発信を通じて、国民の理解、信頼の醸成につなげていくことが必要と考えています。これが基本的な考え方でございます。

 ではどうするのかということだと思いますけども、先ほど村長さんとお話させていただきましたけども、現場を見に来てほしいというお話がありました。多くの方に見ていただきたいと。私も今日見せていただいて、これは正に実証実験として確実に進んでいるなということを感じました。

 そういう意味では、高校生が見に来たという話も聞きましたので、若い人たちができるだけ多く、この長泥に来て現場を見るということも大事です。それから、田中先生も先ほどいらしたんですけども、植林活動を皆さんでしているということを伺いまして、それもすばらしいことだと思います。そういう花の村にしたい、花の村にして、そういう環境づくりをして多くの方に来てほしいという思いがすごく強く伝わった次第でございます。

 花の里と呼ばれる長泥の姿を後世に伝えるために、村民みんなが力を合わせてこの地域を盛り上げていくということ、それこそが正にこの実証実験との、私はこの成功こそがそれにつながると感じますので、これからもしっかりと復興庁としても関係省庁と一緒に実証実験の成功をしっかりと見極めて。そしてやっぱり基準づくりも必要だと思いますので、しっかりした安全性の基準というのを作って、環境省を中心に作ってもらって、そして全国に安全性を広めていきたいなと考えています。

(問)この第2期復興創生期間終了後についての議論が昨日始まりました。これについて、地元の声をどのように反映させていくのか。それから、これまで5年ごとに期間を設定されてきたと思うんですが、今回も同様の形にするのかどうか。3点目、予算の規模感については現時点で大臣のお考えはいかがでしょうか。お願いいたします。

(答)現時点で予算の規模感というのはなかなかお答えしにくいわけでございますけれども。次の復興に向けては、前にもお話させていただきましたけれど、令和7年度中にその段階で復興の状況を踏まえて事業規模を示すことが必要だと思っております。

 そのためには、今年度も今までの様々な事業についての振り返りも大事ですし、それから今途中であるものも、この継続についてやっぱり地域と議論をしていく必要があります。それから地域から要望がこれから出てきます。今も出ているものも含めて、その実効性、必要であるかどうかというのも検証しながら、トータルで総合的に判断してまとめていくということになると思います。

 ということで、今話せるのはこんな感じでございますけど。

(問)これまで5年ごとに期間を設定したことについては、今回はどのように。

(答)今の段階では特にそこのところは未定でございまして、今答えられる状況でございません。

 どうもありがとうございました。

(以  上)

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