内閣府・新着情報

日時

2024年4月15日(月)15:00~16:34

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

【専門委員】
野村座長、若林座長代理、太田委員、城所委員、郷野委員、後藤委員、長尾委員、長田委員
【消費者委員会担当委員】
小野委員、柿沼委員
【総務省郵政行政部】
郵便課 折笠課長
信書便事業課 藤井課長
【日本郵便株式会社】
郵便・物流事業企画部 斎藤執行役員
【消費者庁】
浪越参事官(公益通報・協働担当)
【事務局】
小林事務局長、後藤審議官、友行参事官、事務局担当者

議事次第

  1. 開会・事務連絡
  2. 25g以下の定形郵便物等の上限料金の改定に関する意見案について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会・事務連絡≫

○友行参事官 本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会第81回公共料金等専門調査会」を開催いたします。

本日は、野村座長をはじめ委員の皆様はテレビ会議システムにて御出席となっております。

また、本日の説明、質疑応答のため、総務省から情報流通行政局郵便行政部の折笠郵便課長、藤井信書便事業課長、日本郵便株式会社の斎藤執行役員にオンラインで御参加いただいております。

また、オブザーバーとして、消費者庁から浪越参事官にオンラインで御参加いただいております。

本日もテレビ会議システムを活用して進行いたします。一般傍聴者にはオンラインにて傍聴いただき、報道関係者のみ会場に御参加いただいております。

議事録については、後日公開することといたします。

配付資料につきましては、お手元の議事次第下部に記載しております。もしお手元の資料に不足などがございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

それでは、野村座長、以降の議事進行をよろしくお願いいたします。

○野村座長 本日はよろしくお願いいたします。

進行についてですが、途中で私の回線が切れてしまった場合には、復旧するまでの間、座長代理に、座長代理の回線も併せて切れてしまった場合には事務局に進行をお願いいたします。

≪2.25g以下の定形郵便物等の上限料金の改定に関する意見案について≫

○野村座長 本日は、25g以下の定形郵便物等の上限料金の改定について、3月15日に引き続き御議論いただきたいと思います。総務省の資料は、資料2として改めてお配りしておりますが、説明は省略させていただきます。また、総務省から追加的に提出された資料を資料1としてお配りしています。

それでは、総務省折笠郵便課長より、追加提出の資料に関しまして御説明をお願いしたいと思います。時間は10分程度と予定しておりますので、御協力いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○折笠郵便課長 総務省郵便課長の折笠でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

今、座長からございましたように、3月に御審議いただきました25g以下の定形郵便物等の上限料金の改定について、前回等いただきました御質問等に関する補足説明資料を御説明申し上げます。

まず、1ページを御覧ください。

郵便事業の収支に関する補足説明資料でございます。前回の資料におきましては、郵便事業全体の営業収益及び営業費用をお示ししていたところでございますが、より具体的な内訳を示してほしいという御意見も頂戴いたしましたので、2022年度(令和4年度)の郵便事業収支につきまして、郵便種別ごとの営業収益、営業費用、それから営業損益をお示ししたのが左側の部分です。

また、右側でございますけれども、それぞれの郵便種別ごとの1通当たりの平均単価等をお示ししております。赤枠部分の具体的な数字につきましては、非開示の経営情報等ということで、委員限りとさせていただいておりますので、御留意いただきますようお願いいたします。

なお、定形25g以下の郵便物の上限料金を110円に値上げすることの適正性を判断する観点から、算定根拠として、さらにそれぞれの種別につきまして、費用の費目ごとの内訳を示してもらうことも有効ではないかという御質問をいただいているところでございます。この点につきましては、前回も触れさせていただきました郵便法第3条におきまして、「郵便に関する料金は、郵便事業の能率的な経営の下における適正な原価を償い、かつ、適正な利潤を含むものでなければならない」とされておりまして、郵便料金の設定に当たりましては、個別の役務ごとの原価によらず、郵便事業全体の収入をもちまして郵便事業全体の費用を償うということが法制度上求められているところでございます。

そのため、今回の上限額の改定に当たりまして前提となる収益、費用の見通しにつきましては、郵便事業の役務全体で算定を行っているところでございまして、その算定の考え方につきましては、資料2の23ページから30ページの中でお示しさせていただいたところでございます。

その一方で、上限額改定の適正性という観点からは、値上げを行った場合の収益、それから費用の見通しも参考になると考えましたため、資料1の2ページを御覧いただきまして、前回の資料では値上げをした場合の営業損益全体の推移のみをお示ししていたところでございますけれども、こちらにおきましては値上げをした場合の郵便事業の営業収益、営業費用それぞれの見通しというものを追加的にお示しさせていただいているところでございます。その際、各年度の営業収益の見通しを算定するに当たりましては、2024年度分以降につきましては、料金の見直しを行ったことによる影響といたしまして、単価が増加するということ、それから、これは前回も御説明申し上げましたけれども、価格弾性値を基に算定いたしました通数の減少というものが発生するということもございまして、これらの効果を加味した見通しということで算定したものとなってございます。

その上で、繰り返しになりますけれども、今回の郵便料金の見直しに当たりましては、料金の値上げ幅は可能な限り抑えることとするということで、具体的にはこの表で言いますと値上げ後、通年で影響が初めて出ます2025年度につきまして、最低限の黒字となるような料金の設定としているところでございまして、また、利用者にとって分かりやすい料金にするということで、端数のない料金とする観点から、25g以下定形郵便物の上限額につきまして110円に改正するという案をお示しさせていただいたところでございます。

また、実際の料金の改定につきましては、今後の日本郵便からの届出によりまして決まってくるものでございますけれども、算定に当たって現時点の想定といたしましては、基本的に定形25gの値上げ率と同等の約30パーセントの値上げ率で試算しているところでございます。

続きまして、3ページを御覧ください。

3ページでございますけれども、3月の調査会の資料におきましては、日本郵便の正社員の賃金と大企業の平均賃金の比較に関する資料をお示しさせていただいたところでございます。これに関しまして、大企業に限らず企業全体でありますとか、あるいは物流事業者等との比較についても御質問いただいたところでございまして、これを受けまして厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査に基づきまして比較対象を追加したのがこちらと4ページのグラフです。

まず3ページでございますけれども、赤グラフが日本郵便の正社員の平均賃金でございまして、①を付しておりますのが企業全体の平均賃金でございます。それから、②大企業の平均賃金、これは前回もあったものでございますけれども、③といたしまして中小企業の平均賃金を載せているところでございます。数値が具体的に表示されておらず恐縮でございますけれども、2022年度については、日本郵便の正社員が約304千円に対しまして、①の企業全体が約312千円、②の大企業が約348千円、③の中小企業は約295千円となっております。

なお、厚生労働省の調査におきましては、大企業は常用の雇用者数1,000人以上の企業、100~999人の企業を中企業、10~99人の企業を小企業としております。日本郵便の正社員数につきましては、窓口業務を含めますと令和4年度末で約17.6万人、このうち物流・郵便業務に限りましても約9.5万人ということでございまして、分類としては大企業に当たるということになってまいります。

続きまして、4ページを御覧ください。

こちらは、日本郵便の正社員の賃金と運輸業、郵便業の企業の平均賃金を比較したものになります。①のグラフが運輸業、郵便業の全体の平均賃金、②が運輸業、郵便業の大企業の平均賃金になっているところでございまして、数値といたしましては①の運輸業、郵便業全体が約285千円、それから運輸業、郵便業の大企業②が約310千円ということになっております。

ただ、日本郵便におきましては、運輸業、郵便業以外に郵便局で銀行業や保険業等も行っておりますので、単純に運輸業、郵便業の平均賃金と比較するというのはなかなか難しいかなと思いまして、御参考までに③といたしまして運輸業、郵便業と銀行業、保険業の全体の加重平均を取ったものをお示ししております。数値としては、③は約312千円ということになってまいります。

補足説明は以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。

○野村座長 どうもありがとうございました。

前回の質問に対しましても、今の御説明の中にも回答が含まれていたかと思います。それも踏まえまして、ここから質疑応答に入らせていただきます。おおよそ20~30分程度と見込んでおりますので、御協力よろしくお願いいたします。どなたからでも結構でございます。口火を切っていただいて、後ほどチャットのほうでお名前を書き込んでいただくと助かります。よろしくお願いいたします。

○太田委員 それでは、慶應義塾、太田から御質問申し上げます。

資料の2枚目の最低限の値上げについてです。2025年度には黒字に一瞬なりますが、もうその後からかなり大きく赤字が拡大していくと予測されています。この赤字を補填するために、その後1~2年でまた再値上げするということが想定されているのかどうかが疑問です。一般的には、今回のように非常に十何年も空いて値上げする必要は必ずしもないと思います。ただ、頻繁に値上げをいたしますと、切手はたくさん買ってため込んでいる方もいらっしゃり、値段が変わる都度、買い換えたり、端数を貼ったりというような手間もかかるので、例えば5年ぐらいは黒字が維持できるようにして値上げの頻度を下げるというのも一つの考え方だと思います。最低限の値上げをどの程度の期間の黒字をもたらすものと考えるかという点です。この点についていかがでしょうか。

○野村座長 総務省様、よろしくお願いいたします。

○折笠郵便課長 ありがとうございます。

前回の説明資料の32ページを御覧いただけますでしょうか。これが実は過去に値上げをしたときの状況でございまして、これまでのところは平成6年、それから平成29年の料金改定のときには、今まさに太田先生がおっしゃいましたように一定の間は黒字を保てるようにということで、料金改定後3年間は郵便事業において赤字を生じないような金額ということで、料金の改定幅を、運用上でございますけれどもやってきたところでございます。

他方、今回につきましては、まさにおっしゃいましたように30年間上げてこなかったというところも影響しているかと思うのですけれども、郵便事業の赤字が非常に大きくなる中で、値上げ幅は相当の比率、額になってしまっているということもありまして、利用者への影響を考えまして今回は本当に最低限の値上げということで、まさに先ほどおっしゃっていただきましたように、2025年度の黒字が辛うじてといいますか、最低限の黒字になるような形での値上げをしたものでございます。

もちろんおっしゃっていただきましたように、このままですと2026年度には再び赤字になるという見通しでございまして、この点に関しまして、総務省の情報流通行政・郵政行政審議会におきましても、今回の上限額の改定に当たりまして2つ総務省に対する要請事項が出ております。1つは、郵便事業が今後も持続的・安定的に提供できるようにするために、制度も含めてどういうふうにやれば安定的に提供できるのか、それを維持できるのかということを検討していくようにということを1点要請としていただいております。併せまして、日本郵便におかれましても収益力を高めるように総務省のほうからもしっかりと考えてもらうようにお願いしていくようにといったようなことを要請としていただいているところでございます。

このため、今の見通しでございますと、確かに2026年度以降、再び赤字に転落する見通しでございますけれども、日本郵便に対しましても収益力の強化にしっかり取り組むようにということを、例えば先月末に令和6年度の事業計画を総務大臣が認可しておりますが、その中においても要請しているところでございまして、今、具体的な内容を御検討いただいているところでございますし、併せて総務省のほうにおきましても、どういうやり方であれば2026年度以降も郵便事業を継続的に提供していけるかというところの検討を始めようとしているところでございます。まだ具体的に検討会立ち上げ等までは至っておらず、その中身はこれからというところではございますけれども、そういったことも含めまして、今後、直ちに値上げをするというよりは、そういった状況も踏まえながら考えていく必要があると思っているところでございます。

○野村座長 ありがとうございます。

太田委員、いかがでしょうか。

○太田委員 ありがとうございました。

○野村座長 そうしましたら、ほかの委員の皆様、いかがでしょうか。

質問が出るまでに、今の御回答ですが、5枚ものの資料3ページ目の2025年度黒字でその後3年赤字ということですが、赤字額が大きくなっている点が気になります。事業計画の中でいろいろな具体案を盛り込んで実行されるかと思うのですが、特に2028年度は非常にこれまでにない赤字になるようでございますので、それを回避するための収益力向上ですとか、何か戦略的なお考えがあればまた盛り込んでいっていただくことが重要なのかと感じました。質問ではございません。感想のみお伝えしておきます。

ほかの委員の先生方、いかがでしょうか。長尾委員からどうぞ。

○長尾委員 長尾でございます。

今、御説明いただいたところに関連して、今後の収支改善策の中に、要は定形外郵便であるとかレターパックについての値上げといったことの検討も含まれてくるのでしょうか。どこかの時点の御説明の中に、もしかするとそういう言及があったのかもしれないというような記憶もありまして、そういったことが今後の収支改善に当たっての検討対象に含まれているのかという点について、いかがでしょうか。

○野村座長 総務省様、お願いいたします。

○折笠郵便課長 ありがとうございます。

今回の省令改正で対象となるのは、あくまで25g以下の定形郵便物の上限額でございます。他方で、これも前回の資料に戻って大変恐縮でございますけれども、36ページを御覧いただけますでしょうか。下部のところに書いておりますけれども、日本郵便が今回の値上げ、上限額の改定に伴いまして今後の収益の見通しを出すに当たりまして、今の時点におきまして想定している値上げの全体像をお示ししたものでございます。この中に書いておりますように、定形外でございますとかレターパックなども含めまして料金の改定、特に今回の場合ですと非常に今後の赤字の見通しが大きいということもありまして、全面的に料金の改定を想定しているということでございます。

それを前提とした上で、それを加味してもなお、先ほどお示ししました表にありますように、今後、2026年度以降、再び赤字になってしまう見通しであるという状況がございますので、例えばより競争力の高いサービスの開発でありますとか、そういったものも含めてより一層の収益力の向上策を検討してほしいということを、今、要請しているという状況でございます。

○野村座長 ありがとうございます。

長尾委員、いかがですか。

○長尾委員 ありがとうございます。

確かに36ページの資料に、今後、一部郵便物についての値上げが検討されているということを御記載いただいているのですが、そうするとこの辺りも、私も含めてそこが曖昧であったように、国民も恐らくは、より低い値上げ率なのかもしれませんが、25g以下の定形郵便物以外のものも値上げが検討されているということを存じ上げない方がたくさんいらっしゃるのではないかと思いますので、今般の値上げに伴って、その辺りの情報提供も十分に必要なのではないかと。それも織り込んだ上での収支の見通しであるということも御説明が分かりやすいほうがよろしいのかなと思いました。

ありがとうございます。

○野村座長 総務省さんは今の御意見を受け止めて、また国民への発信をしていただければなと思います。よろしくお願いいたします。

○折笠郵便課長 承知いたしました。

○野村座長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

前回の消費者庁様の資料にもございますように、「公共料金変更に係る認可などに際しての基本的な考え方」というところに書き込まれていたかと思うのですが、法令等に基づいた適切な料金の算出を行うこと、それから、料金の算定要領等は公表されていることなどが求められております。現時点で郵便料金の設定の水準となる算定要領は作成されていないと理解しております。この点、総務省様がどのように考えておられるか、改めて今後の対応についてお教えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○折笠郵便課長 ありがとうございます。

今座長がおっしゃいましたように、現時点におきまして算定要領等は定められていないという状況でございます。今後につきましては、郵便料金に関する透明性・適正性を確保する観点から、郵便料金の算定に関する算定要領につきまして、次回の上限額改定時までにしっかり作成・公表する方向で対応を進めてまいります。

ありがとうございます。

○野村座長 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

それから、もう一点でございます。太田委員からもありましたように、5枚ものの資料の2ページ目の2025年度が黒字になり、その後赤字が続いてしまうということでございますので、再値上げが国民にとってやはりまたあるのかというようなことを考えてしまいますので、そこに至るまでに算定要領を作成・公表していただかないと、算定要領が作成できていないからということで、根拠に基づかない再度の値上げになることは避けていただきたいと考えております。透明性・適正性を確保すること、これが非常に重要ですし、消費者の理解を得るためにも、可能な限り算定要領の作成を急いでいただきたいと思っております。

ほかの委員の先生方いかがでしょうか。前回、それから今回の補足説明をいただきまして、専門調査会としてそういう考えを今お伝えいたしました。

そうしましたら、本日の委員の先生の御意見も踏まえて、この後、消費者庁様からの付議に対して意見案をこの専門調査会として議論してまいります。本日も後半、意見案について審議したいと考えております。

ここまで委員の先生方、総務省様、日本郵便様、何か御意見がございましたらお願いいたします。

そうしましたら、ここで一旦総務省様、日本郵便株式会社様に御退室いただいて、後半の意見案の審議に入ってまいりたいと思います。事務局、よろしいでしょうか。

○友行参事官 それでお願いいたします。

○野村座長 総務省様、日本郵便様、ありがとうございました。ここで御退室をよろしくお願いいたします。

○折笠郵便課長 ありがとうございました。失礼いたします。

(総務省、日本郵便株式会社退室)

○野村座長 そうしましたら、退室されたかと思いますので、ここから25g以下の定形郵便物等の上限料金の改定に関する意見案に関して御議論いただこうと思います。

まず、事務局より意見案が配付されておりますので、その御説明に入っていただきたいと思います。おおよそ10分程度ということで、友行参事官からお願いいたします。

○友行参事官 それでは、資料3を御覧いただけますでしょうか。定形郵便物の25g以下のもの及び料金上限規制の対象となる25g以下の信書便物の料金の上限の改定案に関する公共料金等専門調査会の意見案でございます。

最初のところは経緯といいますか柱書きでございますけれども、3月12日付で、消費者庁様より付議を受けました。公共料金等専門調査会では、3月15日に総務省及び日本郵便様からヒアリングを実施し、また、本日のヒアリングも踏まえまして調査審議を行いました。これらの結果を踏まえて、上記付議についての公共料金等専門調査会の意見は以下のとおりであるとしております。

最初に「1.結論」でございます。25g以下の定形郵便物及び定形郵便物と同じ大きさ及び形状の信書便物の料金の上限規制の改定案については、利用者に小さくない負担を生じさせるものとなっております。郵便法第3条及び第67条第2項第1号において定められている、「郵便事業の能率的な経営の下における適正な原価を償い、かつ、適正な利潤を含むもの」であるかを確認するに当たっての基本的な考え方を踏まえますと、今回については妥当性を欠くとまでは認められないという結論にしております。

25g以下の定形郵便物の料金の上限の実質的な改定は、1994年以来となっております。また、料金上限規制の対象となる信書便物の料金の上限の実質的な改定は、2003年の制度開始以来初めてとなっております。いずれも消費税の引上げを除きます。

今回の25g以下の定形郵便物の上限料金の改定幅は、31パーセントと非常に大きいものになっています。このため、総務省及び日本郵便は、消費者の理解が得られるよう丁寧な説明を行うことを求めるとしております。

さらには、郵便料金に係る制度見直し、業務効率化、サービスの向上、ユニバーサルサービスの維持に向けた取組についても消費者に丁寧に説明し、値上げについての理解を得ていくよう求めるとしております。

また、公共料金の改定に当たっては料金の適正性の確保が必要であり、法令等に基づいた適切な料金の算出を行い、算定要領等は公表される必要があります。先ほどのお話にもありましたように、現時点では、郵便料金の設定の水準となる算定要領はございません。総務省は、透明性・適正性確保の観点から、算定要領について可能な限り早期に作成・公表すべきであるということでございます。

なお、2003年の信書便法施行以来、信書便については、軽量の信書の送達の役務が国民生活において果たしている役割の重要性、国民の負担能力、物価その他の事由を勘案して、定形郵便物の料金と同額を上限としてきておりました。本改定については、妥当性を欠くとまでは認められないということにしております。

今回、改定案については上記の結論といたしますが、公共料金等専門調査会は、後記3.で指摘する留意事項の対応状況について、今後必要に応じて総務省等へのヒアリングを含めた調査審議を行っていくとしております。

続いて「2.理由」でございます。

「(1)本改定案に至る経緯について」でございます。

25g以下の定形郵便物の料金については、1994年から30年間にわたって据え置かれてきたところであります。2022年度の郵便事業の収支は、2007年の民営化以降初めて赤字となりました。また、値上げを行わない場合、今後も赤字が継続し、2028年度には3,439億円の赤字となる見込みとなっております。

郵便物の総数は、インターネットやSNSの普及、各種請求書等のウェブ化、事業者の通信費や販売促進費の削減、個人間通信の減少等を背景に、2001年度をピークに減少しております。2022年度までの21年間で約45パーセントの減少となっております。

他方、区分作業の効率化、適正な要員配置、人件費等の費用を削減してきたが、適正な賃金の引上げや燃料費等物価の高騰を背景に営業費用は増加しています。

今後も、適正な賃上げ、委託事業者等への適切な価格転嫁を継続しつつ、さらなるDXの推進、利便性・付加価値の高いサービスの開発・提供及びユニバーサルサービスの維持のためには、早期の郵便料金の見直しが必要な状況であるというのが経緯となっております。

「(2)本改定案について」です。

郵便法第3条におきまして、「郵便に関する料金は、郵便事業の能率的な経営の下における適正な原価を償い、かつ、適正な利潤を含むものでなければならない」となっております。また、郵便法第67条第2項第3号におきまして、「軽量の信書の送達の役務が国民生活において果たしている役割の重要性、国民の負担能力、物価その他の事情を勘案して総務省令で定める額を超えないものであること」とされております。

今回、25g以下の定形郵便物の上限料金の改定については、総務省において、これらの考え方に沿い、適正な原価、適正な利潤について確認を行い、また、軽量の信書の送達の役務が国民生活において果たしている役割の重要性等を勘案した上でのということの説明がございました。

25g以下の定形郵便物の上限料金の改定については、84円から110円と26円の上昇、31パーセント増の大幅な値上げとなっています。

郵便事業の営業費用の内訳は約75パーセントが人件費であるという御説明がございました。郵便物数は2001年度比で2022年度には約45パーセントの減少となっております。2022年度の郵便・物流事業従業員数は、2001年度比で約30パーセントの減少となっています。従業員は郵便と物流のいずれの事業にも従事しており、郵便と荷物の物数比率は、郵便の割合は2001年の約98.5パーセントから約77.9パーセントに減少しており、物流事業のウエートが上昇していることが確認できます。また、人件費等単価の推移は、本日も追加の御資料の御説明がございましたが、中小企業を含めた企業全体との比較、物流事業者との比較などを見て、また、大企業平均賃金と比較して低い水準となっております。

郵便料金見直し後の営業収益については、値上げした場合の物数への影響を確認したところ、1994年の消費税増税以外の料金改定時の影響も分析したものの、近年のデジタル化の進展により社会経済状況が当時から大きく異なるとして、2019年の消費税増税時等直近で参考となる価格弾性値を使用したとの説明がございました。

また、上限料金の値上げ幅については可能な限り抑えるとし、改定後3年間の郵便事業の黒字維持という従来の考え方を見直し、経営状況に応じて短期間に再度見直すことも念頭に、最小限の値上げ幅とするという説明が先ほどもなされました。

今回、25g以下の定形郵便物の上限料金の改定に当たっての算定要領は作成されておりません。総務省から先ほども御説明がございましたが、現行の方法で郵便事業を維持していくことが可能かどうか、郵便料金制度についてどのような制度改正を行っていく必要があるか考えなければならないと同時に、日本郵便においては収益力の強化を図らなければならない。その上で、料金改定の算定方法については、制度改正の検討の行方も前提に策定する必要があるとの説明がなされました。

以上を踏まえて、次回の改定までに算定要領については作成・公表するというような見解が示されました。

以上の調査審議を踏まえまして、「1.結論」とするというような案にしております。

「3.留意事項」でございます。

まず、「(1)改定に関する消費者への丁寧な周知・説明」でございます。

30年ぶりの改定となること、31パーセントの大幅な値上げとなることから、消費者が気づかないうちに料金改定になっていたということがないように、広く周知を行うべきであるとしております。また、パブリックコメントにも配慮した上での丁寧な説明を行うべきとしております。

家計全体で見ると郵便料が世帯全体の消費支出に占める割合は年間で0.1パーセントという統計が示されました。これは小さいと見る向きもございますが、世帯全体の平均値となっております。高齢者等、郵便への依存度が高い利用者もいることを鑑みれば、割合の低さのみをもって論ずるのではなく、料金改定の理由、今後の値上げの見通しについて、消費者に対し丁寧な説明が求められます。

また、上限料金の値上げの背景のうち、特に業務効率化の取組による削減と営業費用の増加要因については、その分析結果を具体的に示すなど、消費者に分かりやすく説明すべきであるとしております。

さらに、これまで第一種定形郵便物(25g以内)と同(50g以内)の料金には差異がございました。今回同一料金とする理由と、いわゆる封書に加えてはがきも値上げをする理由について、消費者に丁寧に説明すべきであるということでございます。

「(2)消費者の今後の負担に対する対応」でございます。

今回、上限料金の値上げ幅は、可能な限り抑えることとしつつ、従来の考え方を見直すといった御説明がございました。今後の値上げの見通しについて、消費者に対し丁寧な説明を行うべきであるとしております。

また、国民の負担能力という観点からは、消費者が許容できる郵便料金水準はどの程度かという視点は重要であり、消費者へヒアリングを行うなど、国民のコンセンサス形成に努める等、今後の検討において十分配慮すべきとしております。

「(3)サービスの利便性の確保・向上」でございます。

デジタル化、キャッシュレス化を進め、利便性・効率性の向上に努めるとともに、書留など窓口に出向く必要のあるサービスの在り方も含めて、消費者の利便性向上につながるサービスの提供の改善について検討を行っていただきたいということでございます。

「(4)効率化に向けたさらなる取組」でございます。

ドライバー不足に対応するため、事業者間連携等既に行われているということでございますが、さらなる取組を行うべきであるとしております。

また、2021年10月以降土曜日配達の休止や、到着までの日数の増加等サービスの低下がございました。他方で、今回値上げがなされる見込みであるということから、消費者にとって理解が得にくい状況になっております。コスト削減は営業費用の抑制に寄与するといったものでございますが、今後、サービス水準の低下につながるような取組を行う場合は、国民生活において果たしている役割の重要性の観点から、消費者が納得するような形での実施をお願いしたいと思います。

「(5)ユニバーサルサービスの維持」でございます。

郵便事業については、日本郵便株式会社法第5条におきまして、「会社は、その業務の運営に当たっては、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できるようにする」という、いわゆるユニバーサルサービスの責務が課されております。

このユニバーサルサービスの維持に向けて、人口減少、デジタル化等といった社会経済環境の変化、郵便事業の中でその収支のバランスを図ることの持続可能性、消費者利益の擁護・増進の観点を踏まえ、また諸外国の事例なども参考にしつつ検討を行っていただきたいと思います。その際には、全ての消費者がデジタルを容易に活用できる状況には至ってはいないことに留意が必要であります。また、特に地方においては、郵便事業及び郵便局は、郵便物の配達だけでなく、地域のコミュニティーの場であり、地域をつなぐ可視化できない価値も有する重要な存在という観点も十分に踏まえていただきたいと思います。

「(6)その他」でございます。

25g以下の定形郵便物の料金の上限の改定に当たっては、「経営状況に応じて短期間に再度見直すことも念頭に」との説明がございました。郵便料金制度に係る制度改正を理由とした算定要領作成の遅延によって、その要領に基づかない再度の値上げはあってはならないことであると考えられます。透明性・適正性を確保することに加え、消費者からの理解を得るためにも可能な限り算定要領の作成を急ぐべきであるとしております。

今後の上限料金の改定に係る検討に向けては、郵便料金に係る制度の見直しなどと併せて、日本郵政グループ全体の内部相互補助の状況についても消費者に分かりやすく説明すべきであるとしております。

意見案は以上でございます。

○野村座長 御説明ありがとうございました。

残り時間を使えるわけでございますが、30~40分程度意見交換してまいりたいと思います。そうしましたら、また挙手もしくはチャットのほうでお名前をお示しいただくと助かります。

○若林座長代理 御意見が出るまで1点確認をよろしいでしょうか。

○野村座長 お願いいたします。

○若林座長代理 先ほどの3ページの他業種との人件費の比較の部分ですけれども、今日の御説明を受けて、中小企業や物流事業者との比較の部分は多少書きぶりを変更するという理解でよろしいでしょうか。

○野村座長 事務局、お考えがありましたらお願いいたします。3ページ目の上から2つ目辺りになりますか。

○友行参事官 今日、追加の資料の提出と御説明がございましたので、この辺りは書きぶりを修正したいと思います。

○野村座長 よろしくお願いいたします。

若林委員、よろしいでしょうか。

○若林座長代理 ありがとうございました。

○野村座長 そうしましたら、後藤委員からお願いいたします。

○後藤委員 お取りまとめありがとうございました。

全体的に結論及び理由に加えて、留意事項も非常に重要な点が列挙されていると思います。

1点コメントですけれども、これは説明の仕方という点になるのかと思いますが、留意事項の「(2)消費者の今後の負担に対する対応」というところで、非常に重要な点かと思っております。今回の値上げが、先ほど来出ておりますけれども、赤字解消のための応急処置的な、何か対症療法的なものと捉えられますと、情報が小出しなのではないかなど、将来に向けた不安感、不透明感となって受け止められる可能性があると思います。

また、国民生活にとって必要な郵便サービスを維持するということでございますので、将来スパンで前広に収益力向上策も含めて状況を検討しているということはもとより、一方では、急激な値上げとならないような配慮の下で今回の改定案になっているという継続的な取組であるということが伝わるような御説明が必要ではないかと思います。

よろしくお願いいたします。

○野村座長 ありがとうございます。

事務局、よろしいですよね。

○友行参事官 承知いたしました。特にこの意見書の書きぶりに反映できるところがあるかという観点からもう一度見直したいと思いますが、総務省さんが消費者に対して説明するときに、そのような説明の仕方も大事だというような御指摘だと理解いたしました。

○野村座長 後藤委員、よろしいでしょうか。

○後藤委員 よろしくお願いいたします。

○野村座長 そうしましたら、順番に御発言いただきたいと思います。

城所委員、お願いいたします。

○城所委員 城所です。ありがとうございます。

留意事項に入れるかどうかという点で2点あるのですけれども、全体として非常によい説明をしていただいたと思うのですが、一応郵便種類別の収支は公開されているので、それに基づいたもう少し丁寧な議論が必要だったのではないかというのがまず1点です。

2点目としては、世帯全体の総支出に占める割合が0.1パーセントなので、あまり影響はないでしょうという話があったのですけれども、ここでも高齢者の方は依存度が高いのでという話があったのですが、それともう一つあって、どなたかほかの委員も御指摘された点だと思うのですが、消費者にとっては0.1パーセントですけれども、企業にとっては、特に郵便を多く使う企業にとってはかなり経費の増額になって、それが物価に跳ね返るというルートがあるのですけれども、そこも何らかの分析をされて出していただきたかったなというのがあります。

全体としては、もう少し丁寧な議論が必要ではないのかというのが私の感想です。それを留意事項に入れておいていただくとありがたいです。

○野村座長 ありがとうございます。

確かにおっしゃるとおりだと思いますので、事務局、そこも工夫していただければと思います。

○友行参事官 承知いたしました。

○野村座長 そうしましたら、長田委員、よろしくお願いいたします。

○長田委員 ありがとうございます。長田です。

基本的には今回の案には賛成をしているのですけれども、いろいろ御指摘がありましたように、今回、非常に郵便事業の中でも小さい、細かいところだけを我々が審議するような形になっていて、すごく分かりにくいところがあると思います。前のときにも申し上げたと思うのですけれども、これから日本郵政さんがいろいろやられているサービスの中で絶対に守っていかなければいけないというか、非常にニーズが高くなっているのが、信書便は日本郵政さんしか今やれませんし、前にも申し上げましたけれども、郵便局の金融機関としての機能のところで、各郵便局が地方にきちんと設置義務があって設置されているということが、非常に今は大きなよりどころになっている地方がたくさんあります。漁協や農協などの金融機関も撤退していく中、郵便局だけは置いておかなければいけないという設置義務がありますので、そこで守られているということもあり、ユニバーサルサービス的な視点、それから公共料金をきちんと値上げのときに見ていくという視点の両方から見ても、最後のところに書いていただいていますけれども、相互補助の中で何とか守るべきものを守っていくということを総務省としても意識した制度改革をぜひしていくべきではないかなと思っていますし、本当に皆さん御指摘のように、値上げしてもすぐに来年、再来年には赤字になってしまうというような数字が示されると不安ばかりになってしまいますけれども、郵便自体はきちんと守っていくという意思を国としても明らかにしていただいた上で、何か高収益の事業とかというような夢のあるものがぽっと出てくればいいと思いますけれども、郵便事業だけに限って言えば、それはなかなか難しいことだと思いますので、幅広に日本郵政のサービスの収益の中で、きちんと守るべきものはこれとこれですというのを明確にしていくというようなふうに制度改正が必要だなと強く思っておりまして、最後にさらっと書いてあるところをもう少し書き足していただけるとありがたいなと思います。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

事務局、いかがでしょうか。

○友行参事官 ちょっと検討して考えてみたいと思います。

○野村座長 意図を酌んで、強調できるところを補足していただくという方向で、長田委員、よろしいでしょうか。

○長田委員 お願いします。

○野村座長 そうしましたら、郷野委員、よろしくお願いいたします。

○郷野委員 意見案の取りまとめありがとうございました。特に異論はありませんが、その上でコメントさせていただきたいと思います。

結論の中で、妥当性を欠くとまでは認められないとしつつも、改定幅が31パーセントと非常に大きく、利用者に小さくない負担を生じさせているということ、あと郵便料金に関する算定要領について可能な限り早期に作成・公表すべきであると入れていただいたことに賛同いたします。

「3.留意事項」の「(1)改定に関する消費者への丁寧な周知・説明」「(2)消費者の今後の負担に対する対応」については、これまでの委員の皆様の御発言の中にもあるように、消費者が気づかないうちに料金改定になっていたということが本当にないように、広く周知していただくことと、今後の見通しについても丁寧な説明を要望したいと思っております。

「(3)サービスの利便性の確保・向上」についてですけれども、デジタル化やキャッシュレス化を進め、利便性・効率性の向上に努めるとともに、書留など窓口に出向く必要のあるサービスの在り方の含め、消費者の利便性向上につながるサービス提供の改善について検討を行うべきであるという点は、ぜひ積極的に取り組んでいいただきたいところですけれども、併せてセキュリティー対策についても十分に検討し、個人情報の取扱いやセキュリティーに係る手続や手順などについても、利用者に分かりやすく周知していただきたいと思いました。

「(5)ユニバーサルサービスの維持」については、特に地方において郵便事業及び郵便局は、郵便物の配達だけではなく、地域のコミュニティーの場であり、地域をつなぐ可視化できない価値も有する重要な存在という、可視化できないというのは本当に大切だと思った観点です。事業の収益性だけではなくて、公益性についても考慮していくべき点だと思いました。

以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

そうすると、セキュリティー対策という言葉が盛り込まれていなかったかと思いますので、そこを補充できるようであれば、その手順も分かりやすくというような方向で検討させていただくということで、事務局、いかがでしょうか。

○友行参事官 承知いたしました。

○野村座長 郷野委員、よろしいでしょうか。

○郷野委員 よろしくお願いいたします。

○野村座長 ありがとうございます。

そうしましたら、今のところチャットと挙手に関してはございませんので、御自由に御発言ください。

○小野委員 小野でございます。発言してもよろしいですか。

○野村座長 お願いいたします。

○小野委員 このたび意見の取りまとめをいただきまして、ありがとうございました。

結論、理由、留意事項の流れと内容について、私から追加をしてお願いしたいという事項はありません。異論はございません。

コメントになりますけれども、今回は25g以下の定形郵便物とか料金上限規制の対象となる信書郵便の料金を中心にした議論ではございましたが、今回を契機にしまして、郵便事業の実態であるとかその重要性というものも確認できましたし、何より算定要領に基づかない再度の値上げはあってはならないということを確認できる、そういった貴重な機会になったかと思います。どうもありがとうございます。

以上でございます。

○野村座長 ありがとうございます。私も同感でございます。

先ほどの郷野委員のところもそうなのですが、可視化できないとかコミュニティーが重要であるという点も盛り込まれているので、今後、日本郵便プラス総務省の動きといいますかお考えがますます国民に伝わるようにしていただけるのかなと思っております。ありがとうございました。

お願いいたします。

○太田委員 太田でございます。

消費者委員会の立ち位置にもよると思うのですけれども、例えば地方切り捨てかというような議論になり得るとそれはそれで困るのですが、ルール上は全国一律料金というのは法律制度上はそうなっていて、全国一律料金を崩さないまでも、内訳の実態はどうなっているのか。これはキャパシティーコストを取っている地方のほうが当然コスト高で、もちろん遠距離通信は当然コスト高だと思うのです。そうすると、コスト高のところに対してはコストに見合わない安い値段で郵便サービスを提供し、逆にコストが比較的安い都市部に関しては割高になっているということで、当然、割高な都市部から、比較的人口密度の低い地方のエリアに対する内部補助金が出ているという構造になっていることは間違いないと思うのですけれども、こうすると非常にコスト高のところの人にとっては安くなるので、コスト高のところの人が多く利用し、コストが安いところのエリアの人たちにとって割高になっているので、例えばインターネットなりほかの通信手段を使うということで、コストの安いエリアの人は使わなくなっているというのが普通に考えられることだと思います。

そうすると、全体として赤字の方向にドライブがかかるわけで、むしろ赤字のエリアの人たちに対して値段を上げてやるというのが当然普通は考えられることなのです。だから、全国一律サービスになっているがゆえに、そういう常識的な対応を取れないということなのだと思います。

このときに、消費者委員会の立ち位置としては、地方の過疎地で苦しんでいらっしゃる高齢の消費者を都市部の比較的年齢の若い消費者よりも優先するという価値があるかどうかなのだと思うのですけれども、私は普通に考えると消費者全般、都市部の消費者も地方の消費者も同じ1人は1人だと考えるとすれば、当然それは全国一律料金をしていることによって、割高のエリアが割安でたくさんそのサービスを利用しているという不平等があると理解しています。

全国一律の料金を外すかどうかというのは政治的に非常に大きい判断だと思いますので、そこまで踏み込むことはなかなかこの公共料金等専門調査会では難しいかと思いますが、少なくともこれだけこのエリアでこういうふうにコスト高になっているというデータを出すところまでは踏み込めるのではないのかなと思いましていろいろお尋ねしたのですけれども、現状は、その中の地方のコスト高のエリアでどれだけ使っているか、都市部のコストの低いところでどれだけ使っているかということについてのデータ、情報は出していただけないという状況かと思います。この点について踏み込んでいただけるといいのかなと。

ただ、今私が言ったようなものは、受け取る方によっては地方切り捨てか、ユニバーサルサービスと反対だという御意見もあろうかと思いますので、その辺りについては、私は都市部の消費者も田舎の消費者も同じ消費者だというふうに平等に扱うという観点から、そういうことが考えられると思っております。

以上でございます。

○野村座長 ありがとうございます。

ここはどなたかほかの委員もしくは事務局からも御意見があろうかと思いますが、まず私自身、発言させていただくと、経済学的には太田委員がおっしゃるとおり、コストに見合った料金をつけていくというのが筋なのだと思うのですが、鉄道料金もそうでしたが、やはりなかなか難しい。全国一律を外してしまうということは難しいということで、民間の宅配便がやっているようなゾーン制の料金とか、段階を踏んで何かフレキシブルにしていくというようなことはあり得るのかなとは思うのですが、この調査会でそこまで議論に踏み込めないのは、総務省さんのほうの審議会がまずそういうことに本格的に取り組むお立場にあろうかと思いますので、なかなか今の御発言をこの意見案の中に直接書き込むことは難しいのかなと思っております。

今のは私見なので、これについて太田委員から御回答いただく必要はないのですが、まずほかの委員の先生も御発言を希望されておられますので、それを聞いてからまた太田委員から御回答いただければなと思います。

それでは、長尾委員、よろしくお願いいたします。

○長尾委員 ありがとうございます。

今の太田委員の御発言、質問内容とはちょっと違うところで恐縮でございますが、お取りまとめいただきまして、ありがとうございます。多様な論点について非常に網羅的に分かりやすく御説明いただいていると思います。

私のほうで少し気になったこととしては、今回、総務省令の値上げの要件充足というところが、要件が充足されているからこの値上げを認めるという思考過程をたどると思われますが、そうしますと何度か挙げていただいているとおり、郵便法第3条及び郵便法第67条第2項第1号のそれぞれの適正な原価を償い、適正な利潤を含むという要件のところ、及び私が何度か質問させていただいた第67条第2項第3号の考慮要素を充足するからこそ、今回の値上げが適法なものになるということでありますので、そうするとそこで上がっている国民の負担能力、特にこれが議論されたものが多いと思いますが、ほかも物価その他の事情とか、役割の重要性とか、こういう考慮要素があるのですが、そうしますと負担能力に関わるところはかなり調査会の中でも議論されて、4ページのところなどに、家計における支出に占める割合とか、これが国民の負担能力の説明に一つなっているのだと思うのですが、そうするとこれは単に留意事項に落とすというよりは、要件充足のところでありますので、原価を償い、適正な利潤と並んで大事なところでありますので、そこのところが何とかこの要件を満たしているのだというところにもう少し上がってくるべきなのではないかという印象を持ちました。

それに伴って、先ほど城所委員からも御指摘いただいて、私も同じように御質問したことがある国民の負担能力というところには、事業主とか事業者とかこういったものの負担能力も当然含まれてきますので、こういったところにおいても、それを勘案しても適正であるというところが充足されているという説明がされるべきなのかなというところです。負担能力を超えるものでもないという説明です。もっと言えば、物価云々のところは、もしかするとあまりたくさんは議論されなかったかもしれませんが、その要件充足もされたのだというところの説明があるといいのかなというところです。

それから、先ほどの総務省様からの説明のところで私が質問させていただいた25g以下ではない定形外郵便物とかレターパックとかも値上げは予定されているのだというところ、これは営業収益の改善に資する良い事情とも、そういうニュアンスでの御説明だったのかなとは思いますけれども、他方で、国民の負担増は今回の25g以下の定形郵便物だけではないのだというところが多分あまり周知されておらず、理解はされていないので、こういった全てのタイプのものを含む負担増が今後予定されているというところも丁寧な説明が必要だと。これは留意事項のほうかもしれませんけれども、そういった印象を受けましたというところです。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

そうしましたら、事務局、今の点をある程度取り込めるところに取り込んでいただくという書き方、留意事項あるいは理由のほうに入れるのかというところを御検討いただくことが必要かなと思いました。

長尾委員、また見直していただく機会がございますので、そのときにも御指摘いただければと思います。

事務局、それでよろしいでしょうか。

○友行参事官 承知いたしました。

○野村座長 長尾委員もそれでよろしいでしょうか。

○長尾委員 ありがとうございます。

○野村座長 そうしましたら、1つ戻りますが太田委員の御発言内容と私の感想に関して、どなたか御発言いただければと思います。

まず、事務局はいかがでしょうか。太田委員の御指摘いただいたこと、もっともだということもございますが、この場で意見案に取り込めそうでしょうか。その可能性についてお教えください。

○友行参事官 太田委員のおっしゃることはもっともだと考えられます。

一方で、野村座長もおっしゃったように、非常に重要な論点でございまして、まずは総務省さんの審議会のほうで、こういうことも含めて検討していく、郵便事業を維持していくことが可能かどうか今後検討していくなどというような御発言もありましたので、そちらの審議会のほうで検討していただくということ、まずはそこが適切なのではないかと思っております。

○野村座長 ありがとうございます。

小野委員、内容が同じであれば今御発言いただきたいのですが、別であればちょっとお待ちください。

○小野委員 太田委員のコメントに関してでございます。

○野村座長 分かりました。そうしましたらお願いいたします。

○小野委員 都市生活者と地方で生活している人とか、高齢者や若者ということで、確かにどなたも消費者、生活者の一人ではありますけれども、消費者委員会としてというよりは、私見になるかと思いますが発言をさせていただきます。

現在の消費者委員会では、消費者基本計画に向けて意見書を取りまとめて、今日も議論させていただいたわけですけれども、消費者の権利というのも幾つかございますが、例えば意見が反映される権利であるとか、被害の救済を受けられる権利といったものを挙げたときに、そういった情報を受け取ったり、あるいは表現をしたりということでは、人によってといいますか、属性によってそれぞれ特徴があるわけです。そうしたものを保障するというのが消費者行政の重要なところだと思います。平等と公平というのは違うなんて授業でお話しするのですけれども、合理的に考えて、ある人はすごく得をするけれども、そうではない人はそうでもないといったことはよくないことですが、一方で、それぞれ持っている力が例えば違うとすれば、それをどう補うかといったところは消費者委員会といいますか消費者行政が目配せしないといけませんし、今回の議論もそういった情報のやり取りに関わるところでございますので、それを保障していくということで言うと、単なる平等性だけではなくて、公平性とか公正性といったものを意識しないといけないのかなと思いながら、今回私、参加をしておりました。

何かお答えとかそういうことではなくて、一委員としてコメントをさせていただきました。ありがとうございます。

○野村座長 ありがとうございます。

長田委員、続いて御意見をどうぞ。

○長田委員 ありがとうございます。

太田委員からの御発言、私にとってはとても衝撃的でした。特に通信とか放送とか同じようにみんな受け取っているもので、それを受け取るための料金が全国でここはコスト地域だから高いですとかそういうことがないサービスはたくさん我々にとって大切なものはみんなそうなっていると思います。こういうものは日本全国同じ料金でサービスが展開されていくべきではないかなと思っています。今、電話はだんだんモバイルになったりIP電話になったりしていますからあれですけれども、かつての固定電話の基本料金は、より高コストな地域ほど利用の量が少ないので、基本料金が低く抑えられています。今現在もそうです。そうやってみんなが使いやすいようにというふうにサービスも提供されてきていますし、大分前の記憶ですけれども、郵便局で非常に高コストな地域というのが、どこだったかな、裁判所に近い郵便局で、普通のいわゆる郵便の差し出しだけではなく、いろいろ非常に手のかかる郵便を受けているところが非常に高コストだったりとかいろいろなことがありまして、そういうこともありますので、今簡単に太田委員の御意見をここでみんなのものとするというのには、私としては違和感があります。

○野村座長 ありがとうございました。

あと御発言いただいていない方で、今の太田委員のところに何か御意見していただけるようであれば御発言いただきたいのですが、城所委員、よろしくお願いいたします。

○城所委員 城所です。よろしくお願いいたします。

私は、太田委員の御発言は本当にごもっともだと思っていて、太田委員も私も経済学の人間なのですけれども(あと野村座長も)、経済学を基にして発言するとそういうことになってしまうということなのです。高コストの人たちを低コストの人たちが支えるのは妥当なのかという点です。経済学では何らかの生まれ持ってのいろいろな不自由な点に起因する不平等は自分で解消できないので考慮しなければいけないというのはあるのですが、地域による不平等は、大人になれば自分の好きな場所に引っ越せるので自らの行動で解消できるでしょうというのが背景にあるのです。だから、地域間の不平等というのは、経済学で言うとあまり不平等の一つに入らないというところがあって、そうするとやはり高コストの地域の人が高く負担して、低コストの地域が安くなるというのは一つの当然の帰結だと。

今回の報告書も、最後にさらっと内部相互補助のことが書かれているのですけれども、これこそ料金をどういうふうに設定するかというのは総務省さんのほうでお考えになることと思うのですけれども、そもそも内部相互補助が望ましいという話はないわけで、内部相互補助には長所も短所もあるので、内部相互補助が望ましいのでそれで維持してほしいという議論は支持できないかなと思います。

全体としては皆さんのお考えがよく分かるし、これはなかなかお立場によって正解がないと思いますので、今の原案のままでよろしいのではないかと思います。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

あと、法律を御専門にされている若林委員から何かお知恵をいただきたいのですが。

○若林座長代理 ありがとうございます。

そもそもユニバーサルサービス、特に郵便に限らず、国民生活に不可欠な、少なくとも最低限のサービスを全ての国民が享受できるということが理念というのでしょうか、アイデアとしてあると思います。そこから考えますと、現在、郵便がユニバーサルサービスであるとされるのであれば、なかなか高コスト、低コストということをもって分けるというのは、現時点では難しいのではないかと私も思っております。その意味で、野村座長の御意見に賛成いたします。

ただ、今後、郵便事業が最低限のどうしても必要なサービスなのかという点はそのうち変わってくると思いますので、またそこでしかるべき場所で議論するということになるかと思っております。これが1点です。

それから、ちょうど今、城所委員から内部相互補助の話が出ましたので、その部分について意見が1点ございますので申し上げますと、内部相互補助の部分に注1がついていまして、交付金・拠出金制度について記載されています。交付金・拠出金制度については、郵便窓口というのでしょうか、窓口業務のうち銀行と保険業務についてのコストをカバーするために、かんぽ生命とゆうちょ銀行から拠出された基金をもって補っているという性質のものだと思いますので、郵便事業の部分を内部補助しているというわけではないかと思いますので、内部相互補助の部分の注としてはちょっと誤解を招くというのでしょうか、内部相互補助とは言わないのではないかなと思っております。

かといって、注1の部分もこういう制度があるということを書くこと自体は意味があると思いますので、注1ではなくて何か別の形で書けないか、あるいは、それが難しければ注1を外してしまうかいずれかかなと思っておりますので、御検討いただければと思います

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

後段の部分を再考するということで、動いていただくようにします。事務局、よろしくお願いいたします。

○友行参事官 承知いたしました。

○野村座長 長尾委員も挙手されていますので、御発言いただきたいと思います。

○長尾委員 先ほどの料金一律制に関して言うと、今回、信書便という定義自体に一律であることが盛り込まれている、今そういった問題対象を議論しており、信書の定義、あるいは信書便法、郵便法、そういったところで今、議論の対象としているものに関して言いますと、全国あまねく一律料金ということがもう定義に入っているものでありますので、まずは今の問題に関して言いますと、一律でない負担についてはあまり議論の対象に入れにくいのだろうというところですが、もちろん郵便局で扱っているものの中には、配達地によって違う料金が設定できるもの等もありますので、全ての郵便物がもちろん一律の信書と同じ扱いをしなければいけないということではないということも承知はしておりますが、今ここで議論しているものに関して言いますと、先ほどのユニバーサルではなくすかどうかといったところの視点のものは盛り込みにくいのではないかと思っております。

以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

あと柿沼委員がまだ御発言いただいていなかったかなと思うのですが、いかがでしょうか。

○柿沼委員 柿沼です。

今の内容についてですけれども、私も今の時点では、信書便についてはユニバーサルサービスの中に入っているということですので、このままの内容でよろしいのではないかと思います。

ただ、今後、信書便が誰も利用しないとか、メールに取って代わるというようなことに、全てのものがそういうふうになったような場合には、またそのときに検討するということになるのではないかなと思っておりまして、現時点では一律料金のままでよろしいのではないかと思います。

以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

そうしましたら、太田委員、ほかの委員の先生方にいろいろ御発言いただきましたが、それに対して御意見がまたあるようでしたら御発言ください。

○太田委員 ありがとうございます。いろいろ御意見いただきまして勉強になりました。

まず、総務省さんが先に動かなければ消費者委員会の側からは能動的に動かないというお話があって、それはそれで一つ考え方かなと思うのですけれども、総務省さんは当然郵便・通信だけではなくて地方自治も所管していらっしゃるわけで、同じ省庁であっても元は違うということは置いておきますと、当然ながら地方の御担当でございますので、地方のエリアのほうに対して不利益になるようなことについてはできるだけ議論しないというバイアスがあるということは、少なくとも外形的には予見されるということですので、消費者の利益の観点から、消費者委員会から働きかけるということがあってもいいのではないのかというのが1点です。

2つ目は、配分と分配の区別がついていないというところがあって、ユニバーサルサービスを提供するということは、皆さん与えられた初期条件が違うので、地方で経済的に恵まれず不便な環境で育つ人も同じサービスを享受する権利があるという場合に、お金を渡すというやり方と同じサービスを提供するというやり方があると思うのですが、地方創生交付金をはじめ、地方に対して分配を直すための施策はいろいろあるのですけれども、サービス提供側でやってしまうと非常に非効率を伴ってくるということが当然予想されるわけです。古い話で言えば、国鉄などを考えると、日本全国あまねくところで同じような値段で同じように夜遅くまで同じぐらいの頻度で電車が来てほしいと。すると、空っぽの電車をいっぱい走らせることになって、結果として累積赤字が何十兆円にもなったということになるわけです。郵便はそれと比べたら随分規模は小さいのですが、同じようにあまり使われない高コストのところで値段を安くしてしまうので、高コストのところで使われて、低コストのところは使われなくなるということで、全体で非効率が生じると。非効率をなくすというところまでは、どういう価値を持っていてもお互いに歩み寄れるところなので、明らかな無駄をなくすというところまでは歩み寄れるはずで、この場合は明らかな無駄が恐らくあるのだろうなということがありながら、ノータッチになっているということです。

最後に、現在の法律を前提にして、全国一律料金を外すというところまで踏み込むのはやり過ぎだというのは、それは私もそう思います。ただ、現状、コストが高コストのところが幾らで低コストのところが幾らかということが全く分からないまま我々は判定してコメントしていくわけですけれども、少なくともどういうコスト構造になっていて、内部補助金がどう出ているかという情報開示を求めるところまでは、消費者一般の利益なのではないのかと思います。

それだけの内部補助金が出ていると。都会から地方の高コスト体質のところにこれだけ内部補助金が出ていますよということを情報で判断した上で、これはユニバーサルサービスで国民全体のために維持しなければいけないサービスだから、その内部補助金を許容するというのを政策判断とするとするのは一応あり得る立場だと思いますが、情報の隠蔽までということになってしまうとこれは隠されていなくて、コスト構造がそうなっているということを明らかにするところまでは消費者一般に対する利益になるのではないかと考えた次第です。

差し当たりそれくらいでしょうか。

○野村座長 ありがとうございました。大変勉強になります。

ただ、収集と配達でも、もともと厳密に言うと距離ですよね。どこからどこへ送るのかということも入れ込んでいくと、なかなか切手代の確認というのができなくなってしまうということで、いわゆる公共財的にフリーではないですが、一律料金で納めている部分もあるのかなと感じております。

ただ、おっしゃるように、コスト構造を明確化した上で、一律料金で行っているのだということを消費者に知らしめるということ、それから、総務省の中に旧自治省の仕事があるので、その辺も含めてこちらの消費者委員会が動くべきであるということも非常に納得できる部分がございましたので、今後、今回の意見書案では直接太田委員の御発言いただいた内容は盛り込むことはちょっと難しいかもしれませんが、そういう視点を持って我々が行動しなければいけないということも非常によく分かりました。

コスト構造のところは、表現は違いますが、算定要領の明確化ということにまず我々は踏み込んでいますので、そこでお許しいただければなと感じております。

○太田委員 言いたいことをいろいろ申し上げましてすみません。議事を混乱させる趣旨ではないので、そこは座長に一任させていただきます。ありがとうございます。

○野村座長 ありがとうございます。

決して甘めに意見案をまとめようとは全く思っておりませんが、議論してきた内容を整合性のある形で文章化していくというところで今まとめている作業中でございます。今日いただいた皆様の御意見をある程度盛り込んで、事務局と相談しまして、最終案を近日中に皆様に御確認いただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

まず、委員の先生方、今の私の考えがそういう方向で動きたいということでございますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

そうしましたら、事務局のほうから御発言、私の考え、そのように運びたいと思っている意向についてコメントいただきたいと思います。

○友行参事官 座長、今、お手が挙がっている方がいらっしゃいますでしょうか。

○柿沼委員 柿沼です。よろしいでしょうか。

○野村座長 どうぞ。

○柿沼委員 ありがとうございます。

ユニバーサルサービスの料金の件なのですけれども、こちらについては金額の明確化、算定をするということについては、私もそういうことがあってもいいかなと思いました。

ただ、一律料金にしないことによっての事務的なコストみたいなものも当然発生してくるのではないかというところが一つ考えられます。例えば、今ですとポストに投函するだけで、その金額の切手を貼っていればどこでも届くわけですけれども、今度は地域によって金額が変わるということで、それを確認するような内容についてのコストがかかるのではないかなというところを懸念するというか、かかる費用になるのではないかなというところがあります。

あともう一点なのですけれども、盛り込んでいただきたいことについても発表の機会をいただいてもよろしいでしょうか。

○野村座長 キーワードかコンテンツ、何か具体的にあればどうぞ。

○柿沼委員 もう一点なのですが、この意見の中に、実際に切替えをするときに混乱のしないような時期や周知の徹底をお願いしたいと思います。例えば一番私が考えたのは受験の時期です。そういう時期に料金の切替えをしてしまったことによって受験ができなくなってしまうとか、そういうことがあると困ると思いますので、そのような切替えの時期や周知についても御検討いただきたいという旨の意見を意見書の中に入れていただければなと思いました。

以上です。

○野村座長 分かりました。事務局と相談いたしますが、そこも総務省さんがどう判断されるかによりますので、本文よりは脚注のほうが示しやすいかなというのは直感的な印象で失礼かもしれませんが、そういう点にも注意してほしいと、混乱を招くようなことは避けてほしいということを含めるか検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。

ほかになければ、今日いただいた御意見を私の責任で事務局と修文いたします。それを最終的に皆様にも事前に見ていただいた上で、専門調査会の意見案として取りまとめるということにさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

太田委員、城所委員、経済学のエキスパートがおられるので、またこの意見案とは別のところで深めていっていただきたいなと思いますが、柿沼委員も言われたように、なかなか混乱するようなことは避けなければいけないですし、もっと言うと都会の方が地方に旅行へ行って、そこで投函した料金はどうなるのだみたいな話も出てまいりますし、逆のこともあり得ますので、なかなか郵便は料金設定が難しいなと。鉄道のように検札に来るような制度もつくれないですし、取引コストが上がってしまうことを避けなければならないというところがあるのかなというのが分かってきました。

長尾委員、まだ御発言が残っていましたか。

○長尾委員 申し訳ございません。先ほどの説明が分かりにくかったかもしれませんが、今、ユニバーサルサービスについての御発言もありましたけれども、ともかく信書便というもの自体は全国一律料金でなければならないと、もうそのように定義されているものであると私は理解しておりますので、そういった定義を設けられた信書便制度自体をどうこうするというのは全く別の場面でのことかと思いますが、信書便制度についての在り方を語ることと、郵便事業全体のユニバーサルサービスの話は明確に違いを理解しているということが分かるようにしたほうがいいのではないかなと思います。信書便法第16条にありますように、基本的には配達地により異なる額が定められていないものが信書便であり、信書便事業であるということを踏まえて今、信書便事業の料金について検討している場面かなと思いますので、そこは明確に意識されたほうがいいのかなと思っておりました。

以上です。

○野村座長 分かりました。御助言ありがとうございます。

経済学が立ち入る余地がない部分というような気もいたしました。意見案を作るときに、もう一度事務局とそこを相談させていただきます。ありがとうございます。

≪3.閉 会≫

○野村座長 最後に事務局から事務連絡ということでお願いしたいのですが、よろしいですか。

○友行参事官 事務局でございます。

本日は御議論いただきまして誠にありがとうございます。

いただいた意見については、反映するような形で事務局のほうでも座長と検討して進めたいと思います。

次回の日程等につきましては、改めまして事務局より御連絡させていただきたいと思います。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

そうしましたら、本日の「第81回公共料金等専門調査会」をこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところ、長時間にわたり御議論いただき、ありがとうございました。

これにて閉会いたします。ありがとうございました。

(以上)

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