令和2年3月24日

1 3月24日(現地時間同日),アフガニスタン・イスラム共和国の首都カブールにおいて,我が方髙橋良明在アフガニスタン臨時代理大使と先方リチャード・ピーパーコーン世界保健機関(WHO)アフガニスタン事務所長(Dr. Richard PEEPERKORN, Representative, WHO Afghanistan Country Office)との間で,7億6,400万円を供与額とする無償資金協力「抗結核薬及び診断用品整備計画」に関する交換公文の署名式が行われました。

2 アフガニスタンの結核対策は,2000年以降,患者の特定・治療へのアクセス改善により,2017年の治療成功率はWHOの定める指標である「90%以上」を上回る91%を達成しています。しかし,結核に対する知識不足や各医療施設の対応能力格差等の課題により,同年のアフガニスタンでの年間推定患者数は依然として約6万人以上(世界第21位),年間推定死亡者数は約1万人に上っています。さらに同国では近年,通常の抗結核薬が効かず治療が困難な多剤耐性結核の患者増が問題となっている一方で,その対策が遅れており,結核患者数削減の阻害要因となっています。

3 この協力は,アフガニスタン国家結核対策プログラムに必要とされる2020年から2023年分の結核治療薬,多剤耐性結核治療薬及び検査薬剤の調達支援を行うことにより,同国の国家結核対策プログラムの円滑かつ着実な実施を図ります。この協力を通じて,3年間で結核治療を受ける人数が約17.8万人(現在の約1.4倍)に,また薬剤耐性結核治療を受ける人数が約3,000人(現在の約7.4倍)になることが見込まれており,アフガニスタンにおける結核対策が強化され,同国の持続的・自立的発展に寄与することが期待されます。

[参考]アフガニスタン・イスラム共和国基礎データ
   アフガニスタン・イスラム共和国の面積は65.3万平方キロメートル(日本の1.7倍),人口は約3,717万人(2018年,世界銀行),1人当たりの国民総所得(GNO)は550米ドル(2018年,世界銀行)。