外務省・新着情報

令和3年11月25日

 11月25日、アジア欧州会合第13回首脳会合(ASEM13)がテレビ会議形式で開催され、岸田文雄内閣総理大臣がビデオ・メッセージにより参加したところ、概要は以下のとおりです。

  1. 11月25日から26日にかけて、本会合は、フン・セン・カンボジア王国首相(Samdech Akka Moha Sena Padei Techo HUN SEN, Prime Minister of the Kingdom of Cambodia)による議長の下、「共通の成長のための多国間主義の強化」をテーマに開催され、25日は「多国間主義促進におけるASEMの役割」(第一プレナリー・セッション)について議論が行われました。
  2. 岸田総理大臣は、第一プレナリー・セッションにビデオ・メッセージにより参加し、今回のASEMのテーマである「共通の成長のための多国間主義の強化」の実現のため、重視している点について概要以下のとおり述べました。
    (1)世界では、健全な民主主義の中核である中間層を守り、気候変動などの地球規模の危機に備え、企業と政府が大胆な投資をしていく、新しい時代の資本主義経済を模索する動きが進んでいる。日本は、こうした世界的な資本主義のバージョンアップの流れを先導すべく、「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトとする新しい資本主義の実現を目指している。このため、大型の経済対策の決定を手始めとして、予算、税、制度改革、インフラなど総合的に、「成長戦略」、「分配戦略」を積極的に講じ、地域全体の成長と健全な中間層の形成に貢献していく。
    (2)こうした取組を進める上で、人間の安全保障の理念に基づき、SDGsを羅針盤として、経済・社会・環境問題に包括的に取り組むことが重要。日本は、来月日本で開催予定の「東京栄養サミット」などを通じて、主導的役割を果たしていく。
    (3)日本は、新型コロナ対策として、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成も念頭に、総額39億ドル規模の総合的な支援を行っている。特にワクチンに関しては、日本は、COVAXファシリティに対する合計10億ドルの資金貢献に加え、これまでに3,000万回分のワクチンを各国・地域に供与してきており、今後も、合計6,000万回分を目処に供与を続けていく方針である。また、コールドチェーン整備を含む「ラスト・ワン・マイル支援」も進めていく。
    (4)気候変動対策においては、日本は、2050年までのカーボンニュートラルに向け、2030年度の温室効果ガスを、2013年度比で46%削減することを目指し、さらに、50%の高みに向け挑戦を続けていく。そして、先進国全体で年間1,000億ドルという資金協力目標達成に貢献すべく、表明済みの向こう5年間で官民合わせて600億ドル規模の支援に加え、アジアなどの脱炭素化支援など、新たに今後5年間で官民合わせて最大100億ドルの追加支援を行う用意があることを改めて表明する。日本は総力を挙げて気候変動対策に取り組んでいく。
    (5)日本は、こうした取組を通じて、地球規模課題の解決に積極的に貢献するとともに、新型コロナからの「より良い回復」に向けた国際的な取組をリードしていく決意である。

発信元サイトへ