経産省・新着情報

2024年1月19日(金曜日)
11時36分~11時52分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

令和6年能登半島地震への対応状況について

始めに私から4点申し上げたいと思います。
1点目ですが、閣議後に官邸で非常災害対策本部会議に出席しまして、最新の被害状況・対応状況について報告を行ってまいりました。
また、昨日は政府の対策本部として被災自治体の市長、町長の方から、生活や生業の再建について、切実な御要望を直接伺いました。避難生活に伴う不安を払拭するためにも、今後の支援策の重要性を改めて強く感じたところであります。
経済産業省としても、本格的な支援施策の検討をキックオフすべく、先日、私を本部長とする被災中小企業・小規模事業者等支援本部を開催しました。被災地を含む商工団体、伝統産業、金融機関などの方々から、現場の声を聞かせていただきました。
石川県内の各地域により復旧フェーズが異なり、奥能登では水道などのインフラ復旧が第一である一方、七尾市以南ではインフラ復旧が進み、なりわい再開に向けた国の支援が必要であること、また、加賀の温泉地などは風評でキャンセルが相次ぎ、早急な観光の喚起策が必要であること。また、過去の震災影響が残る場合やコロナ融資が継続している場合、壊滅的被害を受けた伝統産業など、特段の配慮が必要であること、旅館など、インフラ復旧を含め、復興後のまちづくりも視野に入れて、関係省庁、機関一体の対応が不可欠であること、などが明らかになってきたなと思います。
支援措置については、現在、被災した建物や設備の復旧に御活用いただける、なりわい補助金を措置すべく、最終調整を行っているところです。加えて、小規模事業者の販路再開に向け、予備費の決定を待たずに、いち早く来週にも小規模事業者持続化補助金の公募を開始する予定です。引き続き現場の状況をしっかりと踏まえながら支援策を講じてまいります。
続いて、被害状況ですが、まず電力については、停電は残り約7,500戸となっています。規模の大きな避難所には電気をお届けできており、その他の避難所等についても、自治体の御要望も踏まえながら、電源車の派遣など、現場に寄り添った形で電力供給を進めています。
燃料については、引き続き53件のSSの営業を確認しています。前倒し配送の継続的な実施を進めつつ、地元とも連携して、必要な燃料確保の体制を構築しています。
被災地・避難所への物資の供給につきましては、避難生活の長期化に伴い、紙皿や割り箸等の日用品を継続的に供給していくほか、洗濯用品のニーズが高まっていることを踏まえて、簡易な洗濯袋を1万パック、衣料用洗剤5,000本などを調達しています。
仮設トイレは、政府が設置したものも含めて、被災自治体に858基が設置されており、今後も追加で66基以上を発送する予定です。併せて、利便性向上のための物資も供給するなど、引き続き現場からの御要望にきめ細かく対応してまいります。
以上、経済産業省として、被災者に寄り添い、引き続き総力を挙げて、災害対応に取り組んでまいります。

三陸・常磐ウィークス

2つ目ですが、ALPS処理水の海洋放出に関する風評を抑制・払拭し、官民で三陸・常磐ものの魅力を発信し、消費を促す観点から、昨年の春及び夏に続きまして、1月22日から3月24日まで、三陸・常磐ウィークス第3弾を実施します。この期間に1,100者以上の企業等が参加する「魅力発見!三陸・常磐ものネットワーク」を通じまして、魅力発信イベントの実施や、社食・弁当等の一層の消費拡大を呼びかけてまいります。また、政府内の各省庁も率先して弁当の購入等を行います。
引き続き、ALPS処理水の海洋放出に関するモニタリングデータ等を透明性高く情報発信していくとともに、三陸・常磐ものの継続的な消費拡大に取り組むなど、風評の抑制・払拭に全力を挙げてまいります。
詳細につきましては、この後、事務方より説明をさせます。

ダイハツ工業生産停止の影響を受ける事業者への支援

3点目ですが、今回のダイハツの生産停止に伴いまして、経済産業省では、昨年12月25日から今月12日にかけて、ダイハツのサプライヤー等の取引先に対しまして、今般の生産停止による売上げへの影響について調査を実施しました。
調査の結果、資金繰りへの不安の声が多く寄せられたとともに、ダイハツとの取引が多い中小企業者等の中には、売上げ減少に直面する事業者が相当数いるということが判明しました。
このため、影響を受ける中小企業・小規模事業者向けに、本日より資金繰り等に関する相談を受け付ける特別相談窓口を、全国の政府系金融機関や商工会、商工会議所等の商工団体や地方経済産業局等に設置するとともに、資金繰りの支援として、1月26日からセーフティネット保証2号を発動し、信用保証協会が民間金融機関からの融資に対して、一般の保証とは別枠で、2.8億円まで100%保証します。
なお、ダイハツにおきましては、2月以降も発注予定分については、実績にかかわらず支払いに応じるなど、現行の保証の枠組みを継続すると聞いています。政府としても引き続き取引先に寄り添った丁寧な対応をするよう強く求めたいと思っています。その上で、政府としても生産停止の影響を受けて、お困りの事業者に対して、きめ細かい支援を行ってまいります。

第7回使用済燃料対策推進協議会

4点目ですが、原子力核燃料サイクル政策の重要課題の一つであります、使用済燃料対策については、2015年に策定された使用済燃料対策に関するアクションプランに基づいて、安全性の確保を大前提に貯蔵能力の拡大に向けた取組の強化等を官民の協力の下で推進しているところです。その着実な推進のために、本日、第7回使用済燃料対策推進協議会を開催しまして、事業者の取組状況と方針を確認した上で、今後取り組んでいただきたい事項について、私から事業者に直接要請をしたいと考えています。
私からは以上です。

質疑応答

公正取引委員会の電力分野実態調査報告書

Q:先日、公正取引委員会が、大手電力会社の電力取引について独禁法違反のおそれがあるという提言をなされました。実際にコストを度外視した低価格での電力販売があった事例や新電力との不適切な取引条件なども指摘されていますが、この件に対する受け止めと是正に向けた今後の取組についてお聞かせください。

A:先般、公正取引委員会より電力分野における実態調査の結果をまとめた報告書が公表され、旧一般電気事業者の小売料金の設定や、卸売の取引条件等に関する提言がなされているということはもちろん承知しています。一方、あくまで本報告書は電力事業の実態を踏まえて、独禁法上問題となるおそれがある取引条件を事例も取り上げながら整理したものでして、旧一般電気事業者の現在の電力取引について、直ちに独禁法違反であると指摘したものではないと承知をしています。
その上で、小売料金につきましては、昨年6月の電力・ガス取引監視等委員会の調査において、小売価格が調達価格を下回る事業者がいたことが確認されましたが、一昨年の調達時の市況が高かったことや急激な小売料金の引上げが困難であることによるもので、経済産業省としても直ちに問題があるとは考えておりませんが、一方で、そのような状況が続く場合には、競争をゆがめるおそれもあることから、引き続き確認を行っていきたいと思っています。
卸売の取引条件についても、新電力による購入可能量や転売等に関する制約を課していた事業者が確認されましたが、こうした制約については、内外無差別な卸売の実施に向けた取組を進める中で、既に撤廃または緩和が進められていると承知しています。
いずれにしましても、引き続き電力の適切な取引の確保に取り組んでまいりたいと考えています。

充電インフラ整備

Q:被災地で停電への対応として、企業によるEV充電器の無償利用の提供の動きが広がりました。
こうした動きは過去の災害の現場ではあまり見られなかったかなと思うんですけれども、そうした中で、企業もテラモーターズが、今日国内で10万口の充電器の設置を2027年までにやるという発表もしています。
政府は2030年までに30万口という目標を設定していますが、こうしたこの充電インフラ整備に向けて、それを加速させるためにどういうふうな支援をしていくのか、大臣のお考えをお願いいたします。

A:電動車の普及に向けては、その普及と充電インフラの整備を車の両輪として進めていくことが必要です。様々な民間事業者が積極的に充電器の整備を進めていくことは、自動車メーカー、消費者の双方にとって望ましいことですので、電動車の普及に向けて、私は重要な動きだと思っています。
我が国では昨年10月に、御指摘のように2030年までに30万口の充電インフラを整備するという新たな目標を掲げて、その実現に向け、充電設備の導入を促すための補助金を増額したところです。
充電インフラの整備を進めるに当たりましては、高速道路等の急速充電器に対して重点的な支援を行うなど優先度に応じた支援を行っていくことも重要であると考えていますので、引き続き民間事業者の積極的な投資を促しながら、利便性が高く持続可能な充電インフラの構築を目指していきたいと考えています。

自民党の派閥解消の是非

Q:自民党派閥の裏金問題に関してお聞きします。
首相が、岸田派を解散する方針を固めた後の報道があります。
党内の無派閥議員の間では派閥解消論というのが広がっている一方で、派閥の人材育成であったり、政策集団としての役割の評価という意見もあると思います。
大臣としては、自民党の派閥解消の是非についてどのようにお考えか、お聞きできますでしょうか。

A:まず、この会見は経済産業省の建物の中で、経済産業大臣として行っているものですから、今の御質問にどう答えていいか、ちょっと面食らうところも正直あるわけですけれども、その上で、昨晩の総理の長い伝統ある宏池会を解散することを検討しているという御発言については、大変重い御発言であったと、自民党の一国会議員として、ある種の深い感慨を持って受け止めているところです。
いずれにしましても、この政策集団の在り方についても、自民党の政治刷新本部において議論が深められていくということですので、期待しながら見守っていきたいと思います。

英国における富士通会計システム欠陥事案

Q:英国での、イギリスでの富士通さんの問題について、イギリスでは富士通の責任を問う声も高まっておりますけれども、この問題について富士通側にどのような対応を求めるのか、そしてまた、国として対応の方針などがございましたら、見解をお願いいたします。

A:御指摘の報道はもちろん承知していますが、まだ現時点において、英国政府において調査中の案件だと理解していますので、経済産業省としてコメントは差し控えたいと思います。
その上で申し上げますと、ITシステムは重要な社会のインフラです。企業には、その信頼性確保について経営上の最優先課題として取り組んでいただきたいと考えているということだけは申し上げられると思っています。

 

以上

最終更新日:2024年1月19日

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