経産省・新着情報

2024年1月16日(火曜日)
13時14分~13時28分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

令和6年能登半島地震への対応状況について

始めに、私から1点申し上げたいと思います。閣議後に官邸での非常災害対策本部会議に出席しまして、最新の被害状況・対応状況について報告を行いました。また、先ほど経済産業省内の非常災害対策本部も開催しました。
発災から昨日で2週間ということで、220名を超える方々がお亡くなりになり、いまだに安否が分からない方がおられます。改めてお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々に対し、心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
被害状況ですが、まず電力については、停電は残り約8,100戸となっています。規模の大きな避難所は、アクセスが困難な箇所を除いておおむね電気をお届けできており、その他の避難所等につきましても、自治体の御要望や二次避難の状況を確認しながら、復旧作業や電源車による代替供給を進めています。
今後の降雪に備えまして、関係者との連携体制を整えつつ、小型ローリーの増便を行うなど、電源車の燃料確保にも遺漏なく取り組んでまいります。
燃料につきましては、能登北部6市町のSS69件のうち、53件が営業しています。降雪を見据え、避難所用の灯油・軽油の前倒しでの発送を既に実施しています。さらに、降雪の長期化にも対応できるように、地元とも連携して、必要な燃料を確保する体制を構築しています。
被災地、避難所への物資の供給については、防寒着7,500着等、防寒物資の供給を引き続き強化をしています。また、防寒対策に加え、避難生活の質の向上のために、段ボールベッドを2,600台追加で供給しています。
さらに、スプーンや紙コップ10万個、下着20万枚など、避難所の長期化により、日用品のニーズが高まってきておりまして、こうした御要望ですとか、あるいは二次避難所のニーズにもきめ細かく対応してまいりたいと思っています。
仮設トイレは、政府が設置したものも含めまして、輪島市、珠洲市、七尾市、内灘町等に770基が設置されており、今後も追加で60基以上を発送予定です。更なる仮設トイレの利便性向上に向け、和式を洋式に変更するアタッチメントやランタンなど、関連物資の供給も進めています。
被災された事業者の方々の生業支援については、岸田総理から指示のあった支援パッケージを、被災自治体等の要望も踏まえて速やかに検討するとともに、中小企業やサプライチェーンの実態把握に努め、その対応に万全を期してまいります。
以上、経済産業省として被災者に寄り添い、引き続き総力を挙げて災害対策に取り組んでまいります。
私からは以上です。

質疑応答

電力の復旧見通し

Q:さっき大臣言われましたけども、まだ停電が8,100戸残っているということで、ちょっとまだ見通しは先分からないと思いますが、復旧の見通し、何か分かっていること、めど等あれば教えてほしいのが1点と、あと、避難所はおおむね電気は届けているということなんですが、まだこの電気が届いてない避難所というのはある程度あるのかということ、あと、そこへの供給見通しというのをですね、今分かる情報があれば教えてください。

A:まず、石川県全体の停電戸数は、発災当時は約4万あったわけですが、今8,100戸になってきている一方で、土砂災害や道路の損壊等の被害が特に大きかった輪島市と珠洲市の2市でまだ7,500戸が停電しているということです。余震や天候、特に道路状況などに大きく作用されますので、具体的な見通しを申し上げるのは本当に難しく、大変心苦しいのですが、一部地域では停電の長期化も想定をされるという事態であります。
このため、自治体の御要望に沿って、まずは避難者の多い避難所へ電気をお届けするということを最優先に取り組んできたわけでして、50名以上の避難所については、アクセスが困難な2か所を除きまして、電気をお届けできているというところまで来ているということです。その他の避難所につきましても、二次避難の状況など現場の事情を踏まえ、市町村とよく連携しながら、順次対応を進めているというのが現状です。
引き続き、自治体や事業者と現場の状況を密に共有することで、被災者の方々に一刻も早く電気をお届けできるように、引き続き最善を尽くしていきたいと思っています。

GXリーグ

Q:GXリーグについてお伺いいたします。本日、企業の排出削減目標のダッシュボードを公開いたしました。企業合算の削減目標は30年度NDCのいわゆる13年度比で46%減という目標には届いておりません。この受け止めと、今後どうNDCの達成につなげていくか教えてください。また、業種によって参加率にも差が目立ちますので、今後どう参加を広げていくお考えか併せて教えてください。

A:GXリーグですが、これは自主的な排出量取引を実施するための枠組みですが、積極的な削減の取組を進める企業の評価向上につながっていくということで、本日、参加企業の排出削減目標などを開示する基盤としてダッシュボードを公開しました。
今回公表したダッシュボードでは、参画企業の2030年排出削減目標、この総計は2013年度比約40%の削減ということになっていまして、国の2030年度排出削減目標の46%には届いていないということであります。
一方、参加企業を見ますと、製造業やエネルギー企業を中心に参画していまして、一部運輸関連業種などの参加が十分ではないという実態もあります。2030年度46%削減目標の達成に向けては、排出量取引のみならず、GX経済移行債を活用した20兆円規模の先行投資支援など、様々な政策を活用しながら取組を進めていくということが重要であると考えています。
また、GXリーグの参画企業を拡大するために、GX経済移行債を活用した先行投資支援の実施に当たりましても、多排出企業にはGXリーグへの参画を求めるなど、GXリーグに参加するインセンティブ策を講じるとともに、個別の働きかけ等を通じた参加促進の取組などを行って、業種に万遍なく、更なる参加率向上に努めていきたいと考えています。
その上で、2026年度から排出量取引制度を本格稼働させる際には、参画や目標設定のあり方について、より公平で実効的なものとなるよう検討を進めていきたいと考えています。

春闘

Q:春闘についてお伺いいたします。今日この後、経団連が春闘に向けた方針を発表し、企業に継続的な賃上げを求める見通しです。景気の好循環に向けて、この方針の受け止めや大臣として企業や春闘に対する期待をお聞かせください。

A:春闘における経営側の基本スタンス等を示す経団連の経労委報告が、本日この後公表される予定であるということは承知しています。経済界に対しては昨年を上回る水準の賃上げへの協力を是非お願いしたいと思っています。
既に経団連を含めた各経済団体や企業から賃上げへの積極的な方針表明等がなされていることなどを前向きに捉えています。一方で、厳しい事業環境に置かれている中小企業等が存在することも事実としてあります。
ちょうど昨日、官邸で中小企業を応援する車座対話が行われ、私も出席しましたが、価格に占める原材料比率という客観データを示した上で毅然とした態度で発注者と価格交渉を行う中小企業経営者のお話もあれば、取引先が将来行う再投資や賃上げのことまで考えて、年に5回の話合いを持つという大手企業の経営者のお話もありまして、大変参考になりました。
チャレンジをすることによって結果を出していく。そして、やればできるというような自信に満ちたお話をたくさん聞かせていただいたと感じています。こうした取組の裾野を広げていくことが大事だと思います。
政府としましても、賃上げしやすい環境の整備や生産性向上に向けた中小企業の思い切ったチャレンジを支援していくこととしておりまして、経済産業省としては賃上げ促進税制の強化や労務費を含む価格転嫁の推進に加えて、省力化投資等の生産性向上を応援することによって、賃上げを強力に後押ししていくということに徹していきたいと考えています。

対ロ制裁

Q:ウクライナ紛争における対露制裁について伺います。
ロシアメディア・スプートニクが11日付けで、米国がロシア産原油を10月と11月に購入したとスクープしました。また、11日付けのプラウダ紙は、米国は10月、11月に石油価格上限制裁の1バレル60ドルを超える74ドルから76ドルでロシア産原油を購入したと報じました。さらに、グローバル・ウィットネス紙は、昨年2023年11月16日付けの記事で、米国は第三国で精製されたロシア産原油を購入し続けていると指摘しています。
米国は、自ら主導して対露制裁に加わるよう同盟国に求め、ロシア産原油の禁輸措置や、ロシア産原油の価格上限設定を課してきましたが、これらの報道が事実であれば、米国による日本や欧州の同盟国への裏切りではないでしょうか。まず、米国から日本にロシア産原油の購入について何らかの断りや連絡があったのか御教示ください。
また現在、ウクライナに勝ち目なしとして、欧米諸国はウクライナへの支援を次々と打ち切っています。そして、ロシアの実質GDP成長率は、2023年で2.2%とむしろ伸びています。日本のエネルギー安全保障のためにも、百害あって一利なしと言える対露制裁をやめようとG7に求めるお考えはありますでしょうか。仮にG7で答えがまとまらずとも、米国のロシア産石油輸入の事実が確認できれば、今後、日本は戦乱が広がる中東からの石油の輸入も危ぶまれますし、リスクヘッジのためにも、エネルギー安全保障のためにも、国益のためにもロシア産石油の輸入に単独でも踏み切るべきではないかと考えますが、大臣の御見解をお伺いさせてください。よろしくお願いします。

A:今御質問いただいた中にある様々な報道、こういったことはもちろん承知をしております。ただ、米国の輸入状況等の個々の事実関係につきまして、私どもからお話をするのは、やはり差し控えるべきものではないかと思いますので、これは是非米国にお尋ねを頂く話ではないかと思っています。
その上で、ロシアの石油収入を減少させ、国際エネルギー市場の混乱を回避し、エネルギー価格の上昇圧力を緩和させることを狙って、御案内のように、2022年9月にG7で合意したプライスキャップ制度下においては、一定の上限価格以下であれば、ロシア産の原油の輸入は許容される仕組みになっています。米国においても、プライスキャップ制度に基づく運用が行われていると、私どもは承知しているところです。
我が国としては、ロシア産原油の制裁については、G7と連携しつつ、我が国のエネルギー安定供給を損なうことのないよう総合的に判断し、適切に対応するというのがスタンスでございますので、御理解いただければと思います。

 

以上

最終更新日:2024年1月16日

発信元サイトへ