経産省・新着情報

2024年1月12日(金曜日)
13時32分~13時44分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

令和6年能登半島地震への対応状況について

初めに私から2点申し上げます。

1点目ですが、閣議後に官邸での非常災害対策本部会議に出席しまして、最新の被害状況・対応状況について報告を行うとともに、先ほど経済産業省内の非常災害対策本部を開催しました。
被害状況ですが、まず電力は、停電は残り約12,700戸となっています。自治体の御要望も踏まえまして、50名以上の避難所まで対象を拡大して電源車による代替供給を進めていますが、アクセスが困難な箇所を除いておおむね電気をお届けできています。その他の避難所についても順次状況を確認しているところです。
今週末の降雪に備えまして、関係者との連携体制を整えつつ電源車の燃料確保にも遺漏なく取り組んでいくつもりです。
燃料は、能登北部6市町のSS69か所のうち52か所が営業していることを確認しています。
また、今週末からの降雪に備えまして輪島市と珠洲市に避難所用の灯油約25,000リットル、ポリタンク1,250個相当の配送を前倒しで実施中です。地元との調整も進めつつ燃料供給には万全を期してまいります。被災地避難所への物資の供給についても、今週末の降雪に備え防寒物資の供給を引き続き強化をしてまいります。
また、感染症拡大が懸念される地域の衛生環境改善のため、屋内テント100張の供給を開始しました。加えて、家屋等の復旧に向けてニーズの高まるブルーシート約33,000枚、軍手2,500組等を順次供給しております。
仮設トイレは、政府がプッシュ型で設置したものも含めまして、輪島市、珠洲市、七尾市、内灘町等に689基が設置されており、今後も追加で48基を発送予定です。
仮設トイレの利便性向上に向けて和式を洋式に変更するアタッチメントを250個、ランタン300個等、関連物資の供給も進めていきます。
中小企業・小規模事業者対策につきましては、昨日下請取引や官公需の発注に当たり被災地の中小企業・小規模事業者への影響が最小限となるよう全国の親事業者や関係省庁、都道府県知事に対し経済産業省から要請文の発出を行いました。
以上、経済産業省として被災者に寄り添い、引き続き総力を挙げて災害対策に取り組んでまいります。

価格交渉促進月間における企業リストの公表

二つ目ですが、本日この後昨年9月の価格交渉促進月間における発注企業ごとの価格交渉・価格転嫁に係る企業リストを公表します。
企業リストの公表は3回目ですが、今回は過去最多となる220社が掲載をされ、初めて掲載された企業が81社あります。過去にリストに掲載された企業139社は今回初掲載の企業81社に比べまして価格転嫁率が高いなど、リスト公表をきっかけに取引方針を改善していただいております。初掲載の81社も含め全てのリスト掲載企業の皆様は、取引先からの評価を踏まえ、取引方針の更なる改善に努めるようお願い申し上げます。
また、下請中小企業からの評価が芳しくない発注企業約20社の企業の経営トップに対しては、下請中小企業振興法に基づきまして、事業所管大臣から取組方針の改善を求める指導、助言を行います。
また、受注企業、下請中小企業の皆様方におかれては賃上げの原資を確保するためにも、積極的に価格交渉を行うことが極めて重要です。政府としては交渉や転嫁が難しかった労務費について、価格交渉に係る指針を策定したほか、下請かけこみ寺やよろず支援拠点「価格転嫁サポート窓口」等の相談窓口の整備など価格交渉を後押しするため、様々な取組を行っています。これらも活用し、しっかりと準備の上で思い切って価格交渉をお申し出いただけたらと思います。
春闘の本格化を目前に控えまして、雇用の7割を支える中小企業の賃上げ原資を確保するためにも、政府一丸となり価格転嫁対策に取り組んでまいります。
詳細はこの後事務方から説明をさせます。

私からは以上です。

※実際の発言は「価格交渉月間」「取組方針」でしたが、事実関係を踏まえ上記のとおり修正しました。

質疑応答

製造業のサプライチェーンへの影響

Q:年末年始の休暇を終えて企業の事業活動が本格的に始まって1週間たちました。能登半島地震における製造業のサプライチェーンへの影響についての調査状況の進捗について教えてください。

A:経済産業省の調査に基づいて、被災地域外のサプライチェーンに影響を及ぼし得る業種につきまして地震の影響を評価したところ、足元では9割近くの企業が生産を再開、又は再開のめどが立っているという状況であります。
自動車メーカーの新年の生産も大きな支障なく始まっておりますが、自動車部品メーカーも含めまして、各社において今回の震災のサプライチェーンへの影響、在庫の状況などについて精査中であると聞いておりまして、引き続き経済産業省としてもしっかりフォローしていきたいと思います。
一方で工芸品や繊維、印刷製造業などの多数の中小企業によって構成されている地場産業については、調査範囲を段階的に広げ実態把握に努めているところです。これまでのところ約3割の企業において、まだ生産再開のめどが立っていないという状況ですので、引き続き注視をしていきたいと考えています。

日本製鉄のUSスチール買収事案

Q:日本製鉄によるUSスチールの買収について質問させていただきます。
当初は企業サイドの方から今年、2024年の第2四半期あるいは第3四半期にもプロセスが完了するという見通しで言われていたのですけれども、昨日の米当局の関連社報道、弊社からなのですけれども、話を聞く限りは米当局の国家安全保障上の審査が長引いて2025年にもずれ込むかもしれないという可能性が出てきているということなのですけれども、これは非常に大きい案件だと思うのですけれども、遅れがもし出てくるかもしれないということに対しての大臣の受け止めと、それと改めまして日本の観点からしてどうしてこの案件がサプライチェーンを友好国と綿密に通じる観点からも重要なのかというところに関して大臣のお考えをお願いします。

A:まず、これは個社の取組に関するものですから、私から評価をするのは差し控えたいと思っています。
また、今御指摘になった状況を、私は直接把握しておりませんので、この場でコメントは差し控えたいと思っています。

英米両軍によるフーシ派への攻撃・女川原発

Q:2点伺わせてください。まず、1点目なのですけれども、アメリカがフーシへの攻撃を発表しました。日本への影響についての御認識を伺わせてください。
もう一点なのですが、東北電力が女川原子力発電所の再稼働の延期を発表しました。こちらは2度目の延期になりますが、この点についての受け止め等ございましたらお聞かせください。よろしくお願いいたします。

A:まず、前者の御質問ですけれども、中東地域は世界のエネルギー供給を支える重要な地域の一つです。中東地域における緊張緩和と情勢の安定化は極めて重要だと考えています。
現時点で御指摘の事態によって、日本のエネルギー安定供給に影響が生じているということはないと認識していますが、高い関心を持って情勢を注視していくというのが現時点の状況だろうと思っています。
後者の女川の話ですが、1月10日に東北電力が女川原子力発電所2号機について安全対策工事の状況を踏まえて、これまで今年5月としていた再稼働時期が数か月程度遅れる見通しであることを公表したことは承知しています。
私どもとしては、東北電力において引き続き安全最優先で作業を進めていただきたいということに尽きると思っています。

防衛生産・技術基盤の強靱化

Q:台湾有事は即日本の有事です。しかし、自衛隊の武器、弾薬、糧食の兵站は極めて脆弱です。これはひとえに軍需産業をつかさどる経済産業省の大失態です。
そこで、かつて著書で兵站の重要性を力説していた齋藤健大臣にお聞きします。
経済産業省、そして通商産業省の前身は昭和18年から昭和20年8月末まで軍需省でしたが、今正に経済産業省の名称を改め経済産業軍需省とした上で、軍需産業の抜本的なてこ入れを図るべきではないでしょうか。

A:大事なことは、国家安全保障戦略を昨年度策定しましたので、これに基づいて粛々と進めていくということではないかと思います。
この戦略において、我が国の防衛生産・技術基盤は、言わば防衛力そのもの、こういう位置付けになったわけであります。私はこれを非常に重く受け止めています。防衛力そのもの、その強化は必要不可欠だと政府の文書で昨年策定されているところです。当然我が省としてもこうした方針を踏まえて、防衛産業は幅広い産業振興を通じて防衛生産・技術基盤の強靱化に取り組んでいるところです。
具体的には、例えばスタートアップが有する先端技術の防衛装備品での活用や、防衛生産・技術基盤を支える中堅・中小企業に対する事業再構築や取引適正化、それから経済安全保障分野での先端技術の研究開発・実用化支援の推進をしているところです。
繰り返しになりますが、国家安全保障戦略において我が国の防衛生産・技術基盤は言わば防衛力そのものという位置付けに基づいてしっかり取り組んでいきたいと思います。

以上

最終更新日:2024年1月12日

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