経産省・新着情報

2023年10月10日(火曜日)
10時46分~11時01分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

サーキュラーエコノミー

おはようございます。私から冒頭1点申し上げます。 

先ほど、岸田総理の下に関係省庁が集まりまして、サーキュラーエコノミーについて情報共有し、総理から御指示がありました。地方創生の観点を踏まえながら、サーキュラーエコノミーの取組を強化するようにという指示です。 

具体的には、まず、すぐに着手すべき取組を経済対策に盛り込むこと、そして二つ目に、関係省庁が協力して産学官連携の強化を進めること、三点目に、更に予算拡充、関連制度、法制度も含め、その見直しに着手すること、について指示を頂きました。 

経産省としては、今後とも関係省庁と緊密に連携しながら、まずは経済対策に盛り込むべき施策について、早急に調整を行いたいと考えています。 

また、資源循環の加速には、企業のみならず、自治体、大学、消費者など幅広く、あらゆる方々の参画が必要です。このため、全国で目標を明確にするなどの取組を行うためのコンセンサスづくり、それから、9月に募集を開始して、現在105の企業、団体、自治体、大学などが参加をしてくれております「サーキュラーエコノミーに関する産学官のパートナーシップ」を通じて取り組んでいきます。 

特に地域の先進的な取組を創出するための連携として、このパートナーシップの場を活用していきたいと考えておりますが、こうした取組など、サーキュラーエコノミーの加速に向けた取組を推進していきたいと考えております。 

私からは以上です。

質疑応答

ハマスとイスラエルの戦闘

Q:イスラム組織ハマスとイスラエルの間で戦闘が激化しております。大臣は9月にイスラエル、パレスチナを訪問いたしまして、経済関係強化、貿易投資の拡大をそれぞれ意見交換してきたところであるとしております。今後の政府の対応、また日本経済への影響について、現時点でどう見ていらっしゃるか、教えてください。

A:はい。まず、10月7日、ハマスを含むパレスチナ武装勢力が、ガザ地区からイスラエルに向けて多数のロケット弾を発射し、イスラエル領内に越境攻撃を行い、多数の死傷者が発生をしたと承知をしております。罪のない一般市民にも大きな被害が出ておりまして、日本はこれを強く非難をしているところです。犠牲者の御遺族に対して哀悼の意を表したいと思いますし、負傷された方々に心からお見舞い申し上げたいと思います。
また、イスラエル国防軍の攻撃によってガザ地区においても多数の死傷者が出ていることも、我が国として深刻に憂慮しているところです。
その上で申し上げたいと思いますが、我が国は従来から将来の独立したパレスチナ国家とイスラエルが平和かつ安全に共存をする、いわゆる「二国家解決」を支持しているところです。こうした考え方の下、日本がイニシアチブを取って、パレスチナ、イスラエル、ヨルダンと協力し「平和と繁栄の回廊」の構想に取り組んできたところです。
御指摘のように、先般、私自身、パレスチナ及びイスラエルを訪問いたしまして、自治政府のアッバース大統領及びイスラエルのヘルツォグ大統領を表敬し、意見交換をしたところです。こうした平和と安定に向けた日本の取組をお話したところですから、今回のような事態は極めて残念であると感じています。
特に、パレスチナの西岸地区においては、日本が支援するジェリコ農産加工団地を訪問して、13社の現地企業と意見交換を行いました。
また、日本の13社の企業が、初めてデジタル拠点として開発が進むラワービーを訪問し、パレスチナの企業とのマッチングを行い、パレスチナの経済発展の後押しをしたところです。また、イスラエルでもイノベーション連携強化など様々な分野での協力拡大について議論し、合意されたところです。こうした取組やパレスチナへの企業連携の機運が阻害されるのではないかということを非常に強く懸念をしているところです。
また、イスラエルには現在、日本企業87社が進出し、イスラエル企業とのイノベーションなどで連携しているところですが、現時点で邦人被害はないという連絡を受けております。引き続き我が国としては在留邦人の安全確保に万全を期していきたいと考えています。
日本人がいる会社は30社弱ほどあると思いますが、そのほとんどが日本人の現地駐在員の方は退避をしているか、退避を予定しています。外務省の発出する「危険情報」の危険レベルは今2で、不要不急の渡航中止ということでありますから、是非この情報に注意していただきながら、御自身の安全確保をしていただくとともに、日本政府としても安全確保に万全を期していきたいと考えています。
いずれにしても、中東地域の平和と安定、これを早期に取り戻すことが、世界経済にとっても必要なことでありますし、日本経済にとっても重要なことであると認識をしています。私自身の立場でもできることを対応していきたいと考えているところです。

エネルギーミックス

Q:エネルギーミックスについてお伺いしたいんですが、第1次石油危機の引き金になった第4次中東戦争から50年がたちました。それをきっかけに日本としては脱中東や脱石油に向けた取組を進めてきたわけですけれども、50年たった今でもそうした状況は大きく改善されていないと思います。日本が進めるべき最適なエネルギーミックスの状況やそれを実現するための課題について、大臣の御見解をお伺いできればと思います。

A:御指摘の1973年の第1次オイルショック、私も小学生だったと思いますが、トイレットペーパー騒ぎなど記憶に残っているところです。そのオイルショックを契機として資源エネルギー庁は創設されたということですが、それ以降、日本の経済、国民生活の基盤となるエネルギーの安価で安定的な供給を確保していくことに取り組んできたわけです。それが、昨年、その間もいろいろなことありましたが、特に昨年2月のロシアによるウクライナ侵略によって、また一転して、エネルギー安定供給の重要性と併せて経済成長、気候変動への対応という、この同時達成が極めて難しい状況にあるということです。
今回のエネルギー危機は世界全体で脱炭素化に取り組むという中での出来事でありますから、1次ショックのときとは違う、ある意味で複合的な資源エネルギー危機だと認識しています。長期的には脱炭素化を進めていくということですから、石油やLNG、石炭への依存を減らしていくということですが、足元は、成長するアジアを中心に経済成長との両立のため、こうした化石燃料も当面使わなければなりません。また、その中でもCO2排出量の少ないLNGについては、トランジションエネルギーとして非常に重要な役割が期待されていますし、特にロシアからの供給が途絶する中で、ヨーロッパを含めてLNGの争奪戦のような様相もあります。
そうした中で、もちろんエネルギー供給の多角化ということも進めていかなければならないのですが、中東との関係も非常に重要です。その意味で、今回の先ほどのイスラエル、ハマスの攻撃を含めて、この事態を非常に憂慮しております。中東の平和と安定が何より重要だということです。
併せて、経済安全保障の観点から、化石燃料のみならず重要鉱物についてもサプライチェーンの強靱化、言い方を換えれば信頼できるパートナーとのサプライチェーンの構築が極めて重要な局面になってきています。そうした意味で、第1次オイルショックの時とは違う複合的な資源エネルギー危機だということです。私も就任以来、まずLNGの観点でいうと、安定供給について確保すべく、マレーシア、オマーン、中東の国々、そしてブルネイ、オーストラリアの関係閣僚と様々な意見交換を重ねてきていますし、また、G7においても上流投資の必要性を訴え、G7の国々と共有しているところです。重要鉱物についても、御案内のとおり、夏にアフリカ南部を訪問し、更に9月に入ってカナダ、オーストラリアと重要鉱物の確保、そしてサプライチェーンの構築に向けて様々な方向性を確認したところです。
加えて、国内でも法整備を進めてきています。経済安全保障法によるLNGについては戦略的余剰という考え方を導入し、制度化しまして、一定量確保しておくこと。またGX2法、特にGX脱炭素電源法において、原子力の活用、さらには再エネ導入に当たって送配電網の整備など、そうした制度面での法制面での整備を行ってきておりますし、GX推進法においては、20兆円のGX移行債の先行投資によって150兆円規模の官民投資を進めていくという方向性も打ち出してきているところです。
こうした複合的な資源エネルギーの危機への対応を重ねてきておりますが、引き続き、エネルギーの安定供給と、そして脱炭素化、併せて経済成長の同時達成に向けた取組を強化していきたいと思っています。
その中で、現実的な対応をしていかなければならないと思っています。例えば再エネか原子力かという二者択一ではなく、両方我々としては進めていくということですし、特に再エネを急速に進めているドイツにおいては、電気料金は大体日本の家庭料金の2倍ですし、イギリスも石炭への依存度をこの10年ぐらいで4割から1割に急激に減らしていますが、やはり電気料金は日本の1.5倍ぐらいということもありますし、急速な取組に対して一部見直しのような動きもスナク首相からも表明されているところです。
現実的に国民の生活、経済を守り、経済成長しながら、しかし脱炭素化を進める。そのために新しいエネルギーを含めた安定供給をしっかりと進めていくため、現実的な政策を着実に実行していきたいと考えているところです。

大阪・関西万博

Q:大阪万博の費用についてお伺いします。会場の建設費については、博覧会協会が、これまでより500億円多い、最大2、350億円になるという見通しをまとめたようですが、これについての受け止めと、費用負担の在り方についての考え方をお聞かせください。
また、警備費については200億円で調整しているという報道もありますが、これについての御見解もお願いします。

A:いろいろな報道がありますが、会場建設費については、現在、博覧会協会で精査を行っているということで、まだ私は報告を受けていません。今の段階で何かコメントする段階にはないわけですが、そう遠くない将来、精査された内容が出てくると思いますので、それを受けて、国としてもしっかり見てみたいと思いますし、さらに、国と自治体と経済界でその対応を共有していきたいと考えています。その結果、協議を踏まえて、対応の方法については検討してきたいと考えています。
警備費についても現在精査を行っているところです。まだ具体的な金額は私も報告を受けていませんので、今後、必要な経費が上がってくるものと思いますので、その段階でしっかりと見たいと思います。

使用済核燃料

Q:福井県の使用済核燃料の中間貯蔵施設について、今日、資源エネルギー庁の担当者の方と関電が県に説明をされているというふうに聞いております。その中で、関電側が今日の発表で、中間貯蔵施設への搬出までの間、原発の中での貯蔵について検討すると初めて言及されたそうなのですが、この件についての経産省の立場、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。

A:まず、経産省として福井県とは原発立地県として、地域振興を含めた様々な課題について、常日頃から意見交換を行っていますし、私も随時、知事とも話をしています。また、関西電力も福井県との約束を果たすべく様々な取組をし、それを説明してきていると承知をしています。
今日この時点でどういった説明や発表があったのか承知していませんので、現段階ではコメントを控えたいと思いますが、私どもとして原子力を地域の皆さんの理解を得ながら活用していくという方針は変わりませんので、その方針に沿って私どもとして取り組んでいきますし、関西電力にも約束の履行を含めて責任を持って対応していただきたいと思っています。

以上

 

 

最終更新日:2023年10月10日

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