経産省・新着情報

2023年10月6日(金曜日)
10時41分~10時55分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

J-Startup Impact、豪州出張

私から2点申し上げます。
1点目、経済産業省におきましては、これまでイノベーションの担い手であるスタートアップの支援を目的に、官民一体となって集中的に支援を行うJ-Startupのプログラムを実施してまいりました。
今年度からJ-Startupのプログラムに社会課題の解決を行う、それによって持続可能な社会の実現を目指す、いわゆるインパクトスタートアップへの支援強化に向けて新たにJ-Startup Impactを新設しました。本日その1回目の公募を経て、30社の選定企業を公表します。
1回目にもかかわらず500件近い応募を頂きました。社会課題の解決に向けてスタートアップの方々、非常に関心が高いことを改めて感じているところです。
社会課題の解決をしながら持続可能な成長につなげていく、これを共に目指していくいわゆるインパクトスタートアップは、岸田政権が掲げる新しい資本主義の考え方を実現し、そして体現する象徴的な活動でもあります。本プログラムの創設を皮切りに、こうしたインパクトスタートアップの総合的な支援を今後とも推進していきたいと考えています。詳細はまた後で発表します。
それから、2点目、本日夜から9日月曜日までオーストラリアのメルボルンを訪問します。民主主義、人権、法の支配という基本的価値を共有する、そして自由で開かれたインド太平洋を実現していく、特別な戦略的パートナーであるオーストラリアを訪問します。
今回の訪問では、第5回日豪経済閣僚対話を行います。通商分野、そして資源国であります資源エネルギー分野における連携について議論したいと思います。CPTPPのメンバーでもありますので、通商、そして資源について、しっかり議論してきたいと思います。
さらに今回同行いただく企業の中には十数社のスタートアップ企業もいます。現地企業とのマッチングやネットワーキングの場を設けることにしています。
また、日豪の経済界の要人約600名が参加し、開催されます、第60回日豪経済合同委員会、ここにおきまして日豪間の更なる経済関係の深化についてスピーチを行う予定です。
また、今回キング資源大臣とともにメルボルン近郊のヘイスティングス港を訪問し、川崎重工が建造しました世界で唯一の液化水素運搬船である「すいそふろんてぃあ」に乗船する予定です。
今回のオーストラリア訪問を機に、さらに日豪の関係を強化していきたいと考えています。私から以上です。

質疑応答

浮体式洋上風力

Q:浮体式の洋上風力に関して2点お伺いします。
経済産業省の方で先日GI基金を活用した実証試験の候補4海域が選定され、今後の公募で2候補に絞り込まれる見込みとなっております。絞り込むに当たってどういった点を重視するのかをお聞かせください。
また、浮体式の促進区域の指定が現在のところ1件にとどまるなど、まだ普及しているとは言いづらい状況ではございますが、今後の課題や経済産業省としての対応についてお考えをお聞かせください。

A:御指摘のように、10月3日にグリーンイノベーション基金を活用して実施します浮体式洋上風力の実証事業の候補海域として、北海道の2海域、秋田県、愛知県、合計4海域を選定し、公表したところです。
洋上風力については2030年、10ギガワット、そして2040年、30から45ギガワットを案件形成する、その目標を掲げる中で、現在沿岸を中心に着床式の導入を進めているところですが、今後水深の深い沖合に適した浮体式の洋上風力を大量に導入していく必要があると考えています。
御案内のとおり日本の周辺海域は、遠浅ではなく、急に深くなるということで、どうしても浮体式が必要となってまいります。世界的にも浮体式の導入がいくつかのところで進んでいますが、いずれも小規模なものにとどまりますので、高いコスト、そして大量生産に係る技術を確立していないという課題があります。
このため今回の実証事業では、1基当たり10メガワット以上の風車を用いてこうした課題を解決するためにコスト目標などを設定して、アジアなどの海外市場への展開も見据えたプロジェクトを採択していく考えです。
今後NEDOが事業者を公募し、年度内に2件程度採択する予定ですが、国際的にまだ技術が確立していませんので、本事業を通じて浮体式洋上風力の開発、そして早期の社会実装を進めていくという中で、我が国の風力発電の産業競争力も強化していきたいと考えています。

大阪・関西万博

Q:万博について伺わせてください。
建設費、それから警備費などの上振れが予想されているのですけれども、そうした中で追加の費用負担について、現在の検討状況について教えてください。
あと大阪府側に何か求めていくこととかありましたら、その点についても教えてください。

A:まず、会場の建設費については、現在博覧会協会において引き続き精査を行っているところです。精査された内容が出てきた段階でしっかり確認し、その上で必要があれば自治体、経済界で協議をしていきたいと考えています。
また、近年警備レベルに高い水準が求められるということから、会場内の安全確保に万全を期すために必要な費用について、会場建設費や運営費とは別に国が前面に立って確保することにしたところです。こちらについても範囲、金額については精査を進めているところです。いずれにしても、まずはしっかりと精査を行った上で、成功に向けて大阪府、大阪市としっかり連携していきたいと考えています。

大阪・関西万博

Q:万博の質問重ねてで恐縮なのですが、海外パビリオンではタイプAからタイプCに移る意向を示している国が出ていることについても受け止めをお願いします。
また、建設費については引き続き精査しているということなのですが、いつ頃までに確認できればいいとお考えでしょうか。

A:まず、多くの国が、自ら建設をしていくタイプAで表明をして、建設事業者との調整を進めてきたところです。かなりの数で調整が進んできていますが、調整が遅れている国、それからその中でタイプXへの移行を検討している国、それから御指摘のようにタイプCへの移行を検討している国、それぞれ様々な選択肢が検討されています。私どもマンツーマンでそれぞれの国の事情、考え方をお聞ききしながら、また建設事業者とのマッチングなども進めているところです。
いずれにしても、今の段階でまだそれらの個別の国の事情、状況についてお答えすることは差し控えたいと思いますが、タイプAの建築に向けて引き続き取組を進めたいという参加国に対しては、その準備が開幕に間に合うよう、参加国と建設事業者双方から意見を聞き、引き続きタイプAでいくのか、それともX、あるいはCということになっていくのか、これはある程度見極めを早くしていかなければいけないと思いますので、そうした調整を今マンツーマンで行っているところです。
建設費については、いつまでも時間がかかってもいけないと思います。博覧会協会には精査を急ぐよう要請しているところですので、そう遠くない将来、精査の内容が出てくるものと思います。それを受けて対応を考えていきたいと思います。

ALPS処理水

Q:昨日2回目の福島第一原発処理水放出が行われましたが、改めまして受け止めをお願いいたします。

A:ALPS処理水の放出は、福島第一原発の廃炉を進めていく上で大事なステップです。避けては通れない課題ですので、安全性をしっかり確保しながら、万全を期しながら着実に、堅実に進めていく方針です。
そうした中で、まず8月24日から実施していました第1回の放出に係るモニタリング結果については、全てデータを公表しているところですが、トリチウム濃度についてWHOの飲料水基準の約7分の1の1,500ベクレル/Lよりもはるかに低い数値で安全に進められていることが確認されています。また、1回目が終わった後の設備の点検を行ったところですが、その結果についても特に異常はないという報告を受けています。
こうした確認と同時に、2回目に放出を予定している処理水について、トリチウム以外の放射性物質が規制基準を下回るということを確認し、さらにトリチウムも海水で大幅に希釈をして規制基準を満たすということを確認した上で、昨日5日から2回目の放出が開始されたと聞いています。また、併せてIAEAも2回目に放出する処理水のトリチウム濃度を放出前に検査し、1,500ベクレル/Lを大きく下回るということを確認したということで発表されているところです。
こうした安全性について、しっかりとしたチェックを行って放出が開始されたところでありますが、引き続きIAEAが常駐してくれておりますので、レビューを受けながら、安全確保に万全を期していくという中で、モニタリングの結果についても透明性高く国内外に全て情報発信していくという方針です。
地元の皆さんとも、今後も緊密に意思疎通を図りながら、安全性の確保、そして風評対策、なりわいの継続に向けた支援に全力を尽くしていきたいと考えています。

以上

最終更新日:2023年10月13日

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