外務省・新着情報

令和5年5月1日
正面を向き、笑顔で握手を交わす、両首脳の様子 日・ガーナ首脳会談(写真提供:内閣広報室)
テーブルにつき、会談を行う、両首脳の様子 日・ガーナ首脳会談(写真提供:内閣広報室)
演台に立ち、共同記者発表を行う、両首脳の様子 共同記者発表(写真提供:内閣広報室)

 現地時間5月1日午後6時05分(日本時間5月2日午前3時05分)から約70分間、岸田文雄内閣総理大臣は訪問先のガーナにおいて、ナナ・アド・ダンクワ・アクフォ=アド・ガーナ共和国大統領(H.E. Mr. Nana Addo Dankwa AKUFO-ADDO, President of the Republic of Ghana)と首脳会談を行い、共同記者発表を実施した後、午後7時50分(日本時間5月2日午前4時50分)から約100分間、アクフォ=アド大統領主催晩餐会に出席したところ、概要は以下のとおりです。

1 総論

  • (1)アクフォ=アド大統領から、岸田総理のガーナ訪問を歓迎した上で、1927年の野口英世博士による訪問から今日までの長きにわたって培われた日・ガーナの強固な二国間関係に触れつつ、様々な分野において二国間関係を更に発展させ、国際社会において緊密に連携していきたい旨述べました。
  • (2)これに対し、岸田総理から、日本とガーナは、民主主義、法の支配等の基本的価値や原則を共有しており、本年は国連安保理の同僚としても緊密に協力したい旨述べた上で、昨年開催した第8回アフリカ開発会議(TICAD 8)の成果を着実に実施していく旨述べました。

2 二国間関係

  • (1)岸田総理から、西アフリカ有数の経済拠点であるガーナとの間でビジネス・投資の促進を重視しており、日本企業の進出を促すため、投資環境の更なる整備におけるガーナ側の取組に期待する旨述べ、これに対して、アクフォ=アド大統領から、ガーナはアフリカ大陸全体のゲートウェイである、日本企業の進出や投資に期待しており、投資環境の改善を重視している旨述べました。
  • (2)岸田総理から、野口記念医学研究所に代表される保健分野でのこれまでの協力を歓迎した上で、今後も感染症対策やユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成に向けた取組を後押ししていく旨述べ、アクフォ=アド大統領から、幅広い分野にわたる日本の支援に謝意が表明されました。
  • (3)首脳会談終了後、両首脳立ち合いの下、無償資金協力「稲種子生産能力向上計画」及び無償資金協力「人材育成奨学計画」に関する交換公文の署名式が、望月寿信駐ガーナ共和国日本国特命全権大使とクワク・アムプラトゥン=サルポン・ガーナ共和国外務・地域統合副大臣(Hon. Mr. Kwaku AMPRATWUM-SARPONG, Deputy Minister for Foreign Affairs and Regional Integration of the Republic of Ghana)の間で行われました。

3 国際場裏における協力

  • (1)岸田総理から、力による一方的な現状変更は世界のどこであれ認められないことを訴え、両首脳は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の重要性で一致しました。また、ロシアによるウクライナ侵略等、主権や領土一体性といった国連憲章の原則すら否定する動きが続く中、両首脳は、ロシアの暴挙を許さない、法の支配を堅持することが重要との考えで一致しました。さ らに、両首脳は、透明で公正な開発金融の重要性についても議論しました。
  • (2)岸田総理から、サヘル地域を始めとする地域の情勢に対処するガーナの取組を高く評価するとともに、サヘル地域とギニア湾沿岸諸国の平和と安定に寄与し、持続可能な成長を促進することを目的として、今後3年間で、約5億ドルの支援を行っていくことを表明し、アクフォ=アド大統領から日本の取組に対し謝意が表明されました。
  • (3)さらに、岸田総理から、スーダンの状況を強く懸念しており、日本としても、G7議長国・安保理メンバーとして積極的に貢献していく、その一環としてアフリカの角大使を関係国に派遣する旨、また、スーダン国内及び周辺国における人道状況の悪化に対応するため、国際社会と共に、緊急人道支援についても早急に検討していきたい旨述べました。スーダンの安定化に向 け、両首脳は、国連安保理の同僚として緊密に連携していくことを確認しました。
  • (4)両首脳は、国連安保理の同僚として、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応、安保理改革を含む国連の機能強化に向けた取組等について、緊密に連携していくことを確認しました。

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