経産省・新着情報

2023年3月31日(金曜日)
10時53分~11時09分
於:本館10階記者会見室前

冒頭発言

おはようございます。お待たせしました。
私から今日5点あります。簡潔に申し上げたいと思います。

三陸・常磐ウィークス

1点目、福島第一原発の廃炉、そして福島の復興は、私どもの最重要課題であります。そうした中で、今年の春から夏頃を見込んでおりますALPS処理水の海洋放出に関する風評の抑制のため、「魅力発見!三陸・常磐ものネットワーク」を立ち上げたところでありますけれども、現在、約1,000者の企業などに参加いただいております。
そして、ネットワークの取組として、先月23日から今月24日を「三陸・常磐ウィークス」と称しまして、イベントの開催、そして経済界、省庁による社食、お弁当、こうした購入などを通じた消費拡大を進めてきたところであります。1か月で約15万食の「三陸・常磐もの」を全国各地で食べていただきました。私自身も含め、経産省でも1,000食以上おいしく頂いたところであります。
今後も「三陸・常磐もの」の消費拡大に向けて、取り組んでいきたいと考えております。

電力需給

2点目、この冬の電力需給、非常に厳しい見通しでありましたが、無理のない範囲での節電、省エネを呼び掛けてきました。その結果、本当に皆様方の御協力で、この冬を乗り切ることができました。改めて節電、省エネへの御協力に感謝申し上げたいとに思います。
そして、その上で今年の夏でありますけれども、7月の東京エリアの予備率が3.0%と、引き続き厳しい見通しになっております。このため、休止中であります火力発電所の稼働など、供給力の確保に全力で取り組んでいきたいと思っておりますが、需要対策としては、この冬に実施した節電プログラムを通じ、デマンドレスポンスの仕組み作りを行いました。関係の皆様には、こうした取組を継続していただくよう、お願いをしたいと思いますし、まだ参加されていない方々には、是非また参加されることもお願いをしたいと思います。
様々なポイントの付与がありますので、節電、省エネに向けて取組、是非御協力いただければと思います。電力の安定供給の確保に向けて、全力で取り組んでいきたいと思います。

FIT制度

それから、FIT制度についてでありますが、FIT制度において本日以降、認定失効制度に基づいて、失効期限を迎える案件が発生いたします。FIT制度では認定後、長期間運転が開始されない、いわゆる未稼働案件の滞留が課題となっております。再エネ特措法の改正によって2022年4月から認定失効制度を開始しております。認定失効制度では、再エネ事業者の予見可能性を確保するために、太陽光などの電源種ごとに運転開始までの猶予期間を設定した上で、当該期間が経過しても運転が開始されない場合に認定が失効することとなります。
これは、失効の認定に当たっては、未稼働の状態で1年後の時点からですね、様々なそれぞれの電源ごとに期間が決まっているんですけれども、そもそも系統連系工事着工申込みを行っていない、こうした場合にはその1年後の時点で認定を失効することになりますので、それが今日、迎えるということになります。
また、いわゆる農転の許可とか、林地の開発許可の取得は要件ですから、これが取られてない場合も当たるということであります。
本日、制度開始後ですね、最初の失効期限を迎える案件は5万件程度で、容量で4ギガワット程度となる見込みであります。引き続き失効制度の適切な運用を行って系統の効率的な利活用を促す。こうした方々が入ってくることを想定して運用していましたけれども、失効するということでありますので、より有効に系統を使えるようになります。こうした系統の効率的な利活用を促すとともに、地域と共生した再エネの最大限導入に取り組んでいきたいと思います。
GXの電源法もですね、審議が開始されました。その中で再エネ導入に当たっての規律強化も盛り込んでおりますので、そうしたことにも取り組んでいきたいと考えております。

ロシア向け輸出禁止措置

それから、4点目、ロシア向け産業基盤強化に資する物品の輸出禁止措置につきまして、2月28日の閣議了解を踏まえて、輸出貿易管理令の改正について閣議決定を行いました。本日付で公布、4月7日に施行いたします。引き続きG7と連携しながら厳しい制裁措置を講じていきたいと思います。

半導体製造装置輸出管理

5点目、半導体製造装置の輸出管理強化についてであります。高性能な先端半導体、これは軍事的な用途に使用された場合、まさに国際的な平和及び安全の維持を妨げるおそれがあるわけであります。厳しさを増す国際的な安全保障環境を踏まえて、今般、軍事転用の防止を目的として、ワッセナー・アレンジメントを補完するとともに、半導体製造装置に関する関係国の最新の輸出管理動向なども総合的に勘案しまして、これまで対象としてこなかった高性能な半導体製造装置を輸出管理の対象に追加することにいたしました。
具体的には外為法に基づきます貨物等省令を改正し、新たに23の半導体製造装置につきまして、全地域向けの輸出を管理対象に追加する予定であります。本日から改正案をパブリックコメントに付し、そして広く御意見を頂いた上で、成案を得たいと考えております。
輸出管理の在り方につきましては、かねてから様々な機会を通じて同盟国、同志国と意見交換を行ってきているところであります。その中で我が国の今般の措置の考え方や内容につきましては一定の理解が得られていると考えております。また、そうした国々と連携し、今回の措置をワッセナー・アレンジメントに反映させていくことについても同時並行的に取り組んでいきたいと考えております。
我が国は半導体製造装置の分野におきまして極めて高い優れた競争力を有しております。軍事転用の防止を目的とした今回の措置によって、技術保有国としての国際社会における責任を果たしていきたい、そして国際的な平和及び安全の維持に貢献をしていきたいと考えております。
詳細につきましては、後ほどまた事務方からもブリーフィングをしますので、よろしくお願いします。

大手電力会社カルテル

Q: よろしくお願いします。

昨日、大手電力がカルテルを結んでいたとして、公正取引委員会が過去最高の課徴金納付を命じました。経営トップの関与も明らかになっています。改めてになりますが、本件についての受け止めをお聞かせください。また、一部で事実関係を争う動きも出ていますが、経産省として今後どのように対応されるかお聞かせください。

A: 昨日3月30日、公正取引委員会が中部電力株式会社、中部電力ミライズ株式会社、中国電力株式会社、九州電力株式会社、九電みらいエナジー株式会社の5社に対しまして、独禁法に基づいて課徴金納付命令、又は排除措置命令を行ったと承知しております。
これまでも繰り返し申し上げてきていますけれども、電力自由化による大きな目的は、競争を促進して経営効率化あるいは価格をより下げていく、こうしたことが目的でありました。その競争促進は極めて重要であります。電力各社による公正な取引を妨げる行為によって、今般、独禁法に基づく命令がなされたということは、電力システム改革の趣旨に反するものであります。極めて遺憾と申し上げたいと思います。
当省として昨日既にこれら5社と関西電力につきまして、本事案が発生した原因と課題につきまして、小売電気事業に係る法令等遵守の観点から、組織の文化まで踏み込んだ検討を行った上での、その結果を報告するとともに、全社的な法令遵守を徹底するため実効的な取組を実施することを求める行政指導を行ったところであります。また昨日、電力・ガス取引監視等委員会において、本件に関与したとされる小売電気事業者に対し、報告徴収を行ったところであります。今後、その結果が出てくると思いますので、その結果に基づいて当省として厳正に対応していきたいと考えております。
一部企業が、事実認定と法解釈について見解の相違があるということを理由として、取消訴訟の提起を決定したと聞いております。今後、具体的な係争手続に入っていくと想定されますので、現時点では私からのコメントは差し控えたいと思います。
いずれにしましても、公正取引委員会の発表内容を精査した上で検討を急ぎ、速やかに何らかの措置、対応を検討していきたいと考えています。

半導体製造装置輸出管理

Q: 輸出規制の関連で伺います。アメリカでは中国を名指しして輸出規制を強化しましたが、これは中国を念頭に置いているものなんでしょうか。

A: 今般の措置は同盟国、同志国、まさに私もアメリカ、オランダを含む同盟国、同志国との意見交換を行ってきているところでありますが、そうした意見交換を踏まえながら、我が国として必要と考える措置を導入するものであります。

その内容は、それぞれの国の判断があると思います。昨年10月の米国措置と何か足並みをそろえるとか、追随するといったものではなくて、措置の内容は異なるものであります。日本の今般の措置は、全地域向けの輸出を管理対象に追加をするということで、特定の国を念頭に置くものではありません。軍事利用の懸念がないかの確認を強化していくということでありますので、厳格な輸出管理を行っていくということであります。

Q: 私も同じく半導体製造の輸出管理の関連ですけれども、大臣、先ほど、特定の国は想定したものではないとおっしゃいましたけれども、現実問題として、この23品目については、中国向けは、今後この省令が施行された場合、個別許可も今後必要になる。中国向けですが、個別許可も必要になります。中国は現に自国で半導体の開発を進めておりますけれども、今後この個別許可を与える場合に、中国向けにどのような点を注視して審査していくのでしょうか。

また、日本の半導体製造装置の輸出で中国から約3割と、国別ではですけれども、今後この対中輸出にどのような影響が出るとお考えでしょうか。

A: まず、今回措置する品目については、世界中の国々の大半の160程度の国、地域は包括許可の対象としておりませんので、御指摘の中国もこの160の中に含まれます。含まれますけれども、特定の国を念頭に置いたものではないということで、その上で、まさに軍事転用のおそれがあるかないかという点を見ていくことになります。極めて先端的な半導体製造装置に限定をするものでありますので、禁輸ということではなく、管理をしていくということですので、軍事転用のおそれがなければ、通常どおり輸出ができるということでもあります。ですから、その軍事転用のおそれがあるかどうかというような点は厳しく見ていきたいと思いますし、御指摘の全体への影響、様々企業ともコミュニケーション取っていますけれども、全体としては国内企業への影響は限定的であると認識しておりますが、関連の企業とは各社としっかりコミュニケーションを取っていきたいと考えております。

(※)【電力需給】の第2段落目については、実際の発言は以下の通りでしたが、事実関係を踏まえ上記のとおり修正しました。
「そして、その上で今年の夏でありますけれども、7月の東京エリアの予備率が3.0%と、引き続き厳しい見通しになっております。このため、休止中であります火力発電所の稼働など、供給力の確保に全力で取り組んでいきたいと思っておりますが、需要対策としては、この冬に実施しました節電プログラム、これを引き続き継続してやってまいります。デマンドレスポンスなどの仕組みづくりも行っておりますので、関係の皆様には、こうした取組を継続していただくよう、お願いをしたいと思いますし、まだ参加されていない方々には、是非また参加されることもお願いをしたいというふうに思います。」
以上

最終更新日:2023年4月6日

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