議案審議経過情報

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項目 内容
議案提出者 小野泰輔 君外二名
衆議院審議時会派態度
衆議院審議時賛成会派
衆議院審議時反対会派
議案受理年月日
公布年月日

要項または提出時法律案

第二一一回
衆第一〇号
   電力の取引における公正な競争の促進に関する法律案
 (目的)
第一条 この法律は、電気の安定供給の確保、電気の小売に係る料金の最大限の抑制並びに電気の使用者の選択の機会の拡大及び電気事業(電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条第一項第十六号に規定する電気事業をいう。以下この条及び次条第一号において同じ。)における事業機会の拡大のための電気事業に係る制度の抜本的な改革が行われてきたにもかかわらず、電力の取引における公正な競争が確保されていないことに鑑み、電力の取引における公正な競争の促進に関し、基本理念を定め、及び国の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めることにより、電力の取引における公正な競争の促進に関する施策を総合的かつ効果的に推進し、もって国民経済の健全な発展と国民生活の安定に寄与することを目的とする。
 (基本理念)
第二条 電力の取引における公正な競争の促進に関する施策は、次に掲げる事項を基本理念として行われるものとする。
 一 電力の取引における公正な競争が行われる環境を整備するため、電気事業における事業支配力の集中の解消を図ること。
 二 電力の取引の監視及び電力の取引に係る不当な行為等の規制の機能の一層の強化を図ること。
 (国の責務)
第三条 国は、前条の基本理念にのっとり、電力の取引における公正な競争の促進に関する施策を総合的かつ効果的に推進する責務を有する。
 (一般送配電事業者等と発電事業者等との間の資本関係の解消)
第四条 国は、変電、送電及び配電に係る業務の運営における中立性の確保を徹底するため、一般送配電事業者等(一般送配電事業者(電気事業法第二条第一項第九号に規定する一般送配電事業者をいう。第六条第三項において同じ。)及び送電事業者(同法第二条第一項第十一号に規定する送電事業者をいう。)をいう。)と発電事業者(同項第十五号に規定する発電事業者をいう。次条において同じ。)、小売電気事業者(同項第三号に規定する小売電気事業者をいう。次条第二号において同じ。)又は特定卸供給事業者(同項第十五号の四に規定する特定卸供給事業者をいう。)との間の資本関係の解消について、その方策も含め検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
 (一定規模以上の発電事業者に対する小売電気事業との兼業制限等)
第五条 国は、電力の卸取引における取引条件の公平性を確保するため、次に掲げる措置を講ずるものとする。
 一 一定規模以上の発電事業者が小売電気事業(電気事業法第二条第一項第二号に規定する小売電気事業をいう。)を営むことを禁止すること。
 二 一定規模以上の発電事業者と小売電気事業者との間の資本関係の解消について、その方策も含め検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。
 (電力の取引の監視機能の強化等)
第六条 国は、電力・ガス取引監視等委員会の機能及び独立性を強化するため、これを中立公正な立場で独立して事務をつかさどる独立行政委員会に改組するとともに、その人的体制の充実強化その他の必要な措置を講ずるものとする。
2 国は、公正取引委員会について、電力の取引に係る私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の規定に違反する行為への対応の強化に資するよう、その人的体制の充実強化その他の必要な措置を講ずるものとする。
3 国は、電力の取引における公正な競争の促進に関する施策の実効性を確保するため、一般送配電事業者の禁止行為等について、罰則に関する規定の整備を行うものとする。
   附 則
 この法律は、公布の日から施行する。

     理 由
 電気の安定供給の確保、電気の小売に係る料金の最大限の抑制並びに電気の使用者の選択の機会の拡大及び電気事業における事業機会の拡大のための電気事業に係る制度の抜本的な改革が行われてきたにもかかわらず、電力の取引における公正な競争が確保されていないことに鑑み、電力の取引における公正な競争の促進に関し、基本理念を定め、及び国の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。