外務省・新着情報

冒頭

【林外務大臣】ニューヨーク訪問4日目ですが、午前中にはクールシ国連総会議長、ヨルダンのサファディ副首相兼外務大臣、エジプトのシュクリ外務大臣、ブラジルのフランサ外務大臣と会談を行いました。各国との会談においては、私(大臣)からは、これまでもお伝えしているウクライナ情勢や国連の機能強化、さらに中国や北朝鮮といった地域情勢に関する我が国の立場を伝え、率直な意見交換を行いました。こうしたやり取りを通じ、各国と認識を共有するとともに、今後の連携を確認するなど、非常に有意義な意見交換をすることができました。
 また、安保理非常任理事国と来年から非常任理事国となる国々とで行われました安保理議場内でのフォトセッションに参加しました。
 午後ですが、アメリカのブリンケン国務長官、韓国の朴外交部長官との日米韓外相会合に出席しまして、北朝鮮の完全な非核化に向けた今後の対応について、すり合わせを行いました。特に、北朝鮮による更なる挑発行為が行われた場合には毅然と対応することを改めて確認をいたしました。また、日米韓協力の戦略的重要性を踏まえまして、地域における協力や経済安全保障といった課題についても議論をいたしました。
 また、最近重要性を増す太平洋島嶼国・地域との連携を強化するための、同志国による「ブルーパシフィックにおけるパートナー」の初めての外相会合に出席をいたしました。私からは、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けまして、太平洋・島サミットといった我が国の取組を紹介するとともに、主に気候変動対策分野での協力について発言をさせていただきました。太平洋島嶼国・地域との協力及び支援を強化していくことで一致し、参加した太平洋島嶼国・地域代表からは歓迎の意が表明されたということであります。
 先程終了いたしましたG4外務大臣会合では、安保理改革をめぐる現状認識や、今後の取組の方向性について議論しました。私からは、安保理改革を国連全体の機能強化の文脈に位置付け、総会や事務総長と共に進める重要性を提起し、各国と今後議論を深めていくこととなりました。また、G4外務大臣で、安保理改革の実現に向け、文言ベースでの交渉の開始やアフリカを始めとする関係国との連携に向けて協力していくことで一致をし、共同プレス・ステートメントも発出をしたところでございます。
 明日で最終日になりますが、成果の多い訪問となるよう、最後まで全力で取り組んでいきます。

質疑応答

【記者】日米韓外相会合のことでお尋ねします。共同声明において、太平洋島嶼国のパートナーのニーズや優先をシェアするということを確認したとありますが、日米韓外相会合の中でこういった太平洋島嶼国の支援を打ち出したことは、今まであまり記憶にないんですけども、どういう狙いなのかご説明いただけますか。

【林外務大臣】これは日米韓でもそうですし、ブルーパシフィックにおけるパートナー外相会合とも同じような趣旨で、この太平洋島嶼国について行われているわけでございます。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて重要なことは、今般の外相会合でも関係国が一致しましたように、地域主義、主権、透明性及び説明責任といった共通原則の下で、太平洋島嶼国自身の取組を支える形で協力を強化していくことであります。ブルーパシフィックパートナーシップに関する外相会合にも、そういう同じような問題意識をもって参加しておりますので、同趣旨の認識で一致をしたというふうに受け取っていただければと思います。

【記者】ブルーパシフィックの方の写真を見るとかなり大勢の国の出席者がいたように思えるんですけど、今回参加した国がどのくらいでしょうか。加盟国は、たしか5カ国だというふうに認識しているんですけど、そのほかどういった形で、どういった国が参加したのか教えていただけますでしょうか。

【林外務大臣】参加国の詳細については後で事務方から聞いていただければと思いますが、今次会合ではですね、太平洋島嶼国・地域が今年の7月に「ブルーパシフィック大陸のための2050年戦略」こういうものをまとめておられます、これを支えていくということ、それから地域主義、透明性、説明責任等の共通原則、こうしたものの下で、太平洋島嶼国との緊密な対話を進めつつ協力を行うことで一致をいたしました。これは、我が国がやっておりますPALMプロセスにおける、太平洋島嶼国自身のアジェンダを尊重し、そのニーズを十分踏まえた協力を行うという考え方と軌を一にするものだと思っております。また、今後の協力候補の一つとして、日本がPALMプロセスの中で設置に協力した太平洋気候変動センター(PCCC)というものが挙げられると考えております。今後も、日本が培ってきた経験や取組を活かし、太平洋島嶼国と協力しながら、PBPとしての協力を追求していきたいと思っております。また、透明性、説明責任等の共通原則の下で、この太平洋島嶼国地域との協力に意欲を有するドイツ、さらにはカナダから参加の意図が表明されたことを歓迎しております。引き続き同志国と緊密に連携していきたいと考えております。

【記者】日米韓外相会合の共同声明に出てくる、北朝鮮が法律をつくったという点なんですけど、これは今月8日の最高人人民会議が作った、核の先制使用を可能にするできることを明確にする法令を念頭にした文言ということでよろしいでしょうか。

【林外務大臣】はい、今回の会合ではですね、共同声明にあるとおり、ご指摘の点を含めて、北朝鮮の核・ミサイル活動の活発化について深刻な懸念を共有した上で、北朝鮮の完全な非核化に向けた今後の対応についてすり合わせを行い、特に、北朝鮮による更なる挑発行為が行われた場合には毅然と対応することを改めて確認をしたということでございます。

【記者】ブルーパシフィックについてお伺いしたいんですけども、この太平洋島嶼国に対しては、中国が経済力を背景に影響力を増しているわけなんですが、今後この枠組みをどのように活かして中国と対峙していかれるというお考えでしょうか。

【林外務大臣】ブルーパシフィックにおけるパートナーシップ外相会合、これは特定の国を念頭においたものではないということではあります。その上で申し上げますと、太平洋島嶼国・地域における様々な動きというのはしっかりと注視をしておりまして、関係国との外相会談の機会を含めて議論をしているということでございます。その上で、先ほどの繰り返しにもなりますが、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて重要なこと、これは今般の外相会合でも関係国とは一致しましたとおり、地域主義、主権、透明性、説明責任こういった共通原則の下でですね、太平洋島嶼国自身の取り組み、これを支える形で協力を強化していくことであると考えております。日本も太平洋島サミットで表明した太平洋のキズナ政策、これを基本に、日本の強み活かした協力をオールジャパンで進めていきたいと考えております。

【記者】昨日のバイデン大統領が一般討論演説で、G4がこれまで主張してきた安保理の常任理事国拡大について明言されました。今日のG4でこの発言について話がされたのかということと、この常任理事国の拡大ということに向けて、今どのような状況だというふうに大臣としてご認識されておりますでしょうか。

【林外務大臣】バイデン米大統領が、国連総会の一般討論演説におきまして、安保理の常任・非常任双方の拡大を支持する旨を表明されました。また、クールシ国連総会議長も一般討論演説において、安保理改革を含めた改革にですね、意欲を述べられたというふうに認識しております。G4は、まさに常任・非常任双方の拡大を支持するグループであり、この点においてバイデン大統領の述べた考え方と一致をしております。こうした観点から、G4外相会合において、米国やアフリカを含む関係国との連携に向けた方途を議論し、早期に具体的成果を目指していくということで一致をしました。
一方でですね、これはご案内のとおりですが、安保理改革は各国の立場の違いも大きく、これまで大きな進展は得られていない、これも事実でありますので、我が国としては、岸田総理が一般討論演説で述べられたとおり、安保理改革に向けた行動をずっと訴えてきているところでございますので、関係国とよく意思疎通をしながら、早期に進展が得られるよう引き続き努力していきたいと考えております。

【記者】日米韓外相会合の概要によれば、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取り組みや経済安全保障といったグローバルな問題について意見交換を行ったとのことですけれども、大臣からこの点について具体的にどういった発言をされたのかご紹介いただけますでしょうか。

【林外務大臣】経済安全保障についてはですね、我が国でも法律を作って色んな対応をしているところでございます。そうした取り組み等を例に挙げながら、経済安全保障の重要性について、議論をさせていただいたというところでございます。

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