経産省・新着情報

2021年5月28日(金)
10時1分~10時17分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

日EUグリーン・アライアンス

初めに私から1点申し上げます。
昨日、日EUの定期首脳協議において、日EUグリーン・アライアンスの立上げが合意をされました。4月の日米首脳会談で立ち上げられた日米気候パートナーシップに続き、EUともこのアライアンスの下、気候変動対策とこれに伴うグリーン成長で世界をリードしてまいります。
EUは多くの有望なグリーン関連企業を擁し、またこの分野で国際的なルール形成を牽引しています。経済産業省としてもCOP26、その先も見据えて蓄電池、洋上風力、水素といったグリーン成長戦略で掲げた重要分野などで、EUと戦略的に連携をしてまいりたいと考えております。
私からは以上です。

質疑応答

G7貿易大臣会合

Q:G7と半導体の件についての御所見をお伺いいたします。
まず、G7の方で、昨夜G7で貿易相会合が開幕しました。日本として何を訴えて、またどのような議論が交わされたのかを教えてください。また、梶山大臣として今回の会合でどのような成果を期待されているか、教えてください。

A:G7貿易大臣会合、今夜も引き続き開催される予定であります。
議論の内容については紹介することは控えますけれども、コロナ危機により高まった内向き志向に対処し、デジタル、グリーンなどの新しい経済社会の姿に対応するためには、WTOルールのアップデートが必要であると考えています。
私としては、この機会に自由なデータ流通を妨げる措置の撤廃、ワクチンの早期普及に向けた取組、気候変動問題への貿易面からの貢献、日米欧三極会合で議論してきた政府支援措置の規律の強化、紛争解決手続の改革等について議論をしたいと考えております。
自由貿易体制の強化に向け基本的価値観を共有するG7で、現在の課題や対応の方向性について議論し、WTO等における交渉の推進力を得たいと思っております。

半導体

Q:半導体関係において、先日一部報道でソニーとTSMCが合弁で九州に工場を造りますという報道がありました。報道によると、経済産業省が調整に関与しているということですけれども、事実関係を教えてください。

A:報道については承知しておりますけれども、個別企業の件でありまして、この関係についてはコメントは差し控えたいと思います。
一般論として、日本のサプライチェーンの強靱化や産業競争力強化のため、国内に先端半導体の製造基盤を持つことは重要であると常々申し上げているとおりであります。このような観点も含め、半導体産業の新たな政策の方向性を検討するために、3月から半導体・デジタル産業戦略検討会議を開催して議論を進めてきているところでもあります。
現在検討会での議論を踏まえて、半導体の国内製造基盤の確保など、今後の政策の方向性について取りまとめの作業を進めているところであります。早急に戦略を取りまとめ、実行に移していきたいと思っています。

経産省職員の女性トイレ使用に係る訴訟

Q:昨日東京高裁で、性同一性障害の女性として働いていた経済産業省の職員が女性トイレの利用を不当に制限されたと訴えた裁判の判決がありました。
判決の受け止めと、うちの会社では男性として入社して、現在女性として働いている方というのはいるのですけれども、それこそ誰でも入れる共用トイレを増やすとか、あと話合いとかで裁判に至る前に解決できたのではと残念にも感じるのですが、当時の経済産業省の対応を含めてどのようにお感じですか。

A:控訴審で国の主張が一部認められ、一部は認められないという形での承知しております。今後については判決の内容を十分に精査をして、関係省庁と協議の上適切に検討してまいりたいと思います。
これまでの経緯については、係争中の案件でありまして、私としては言及を避けたいと思っております。

ALPS処理水

Q:よろしくお願いいたします。
ALPS処理水について2点お伺いします。
1点目ですが、東京電力は昨日処理水のタンクが満杯になる期限について、2023年の春頃ということで、従来の説明より半年間ぐらい後ろ倒しにしました。こちらの東京電力の対応についての評価をお聞かせください。

A:タンクの満水時期については、これまでも繰り返し申し上げてきているとおり、処理の前の汚染水の発生量は今後の天候や汚染水発生抑制対策の効果により変動いたします。その見通しについては、一定の幅があることを考慮する必要があると考えております。
昨日東京電力は満水時期の見通しとして、今後の汚染水の発生量が日量150立米で推移すると仮定した場合に、残りのタンク容量を単純計算すれば2022年11月になること、これが日量130立米まで削減されれば、2023年春頃になるなどの幅を持った見通しを示したと承知をしているところであります。
いずれの場合も今回整備する測定設備としてのタンクには、放出開始前には測定を終えた水を一定規模は保管できることとなります。放出まで2年ある中で、汚染水発生抑制対策を進めつつ、関係者の方々には丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。

Q:もう一点お伺いいたします。
ALPS処理水につきまして、政府は来週月曜日から関係閣僚会議の下に設けましたワーキンググループの初会合を福島市と郡山市で開きまして、関係者の方々の意見を本格的に聴取することになると思います。
初回ですが、農業関係や県漁連をはじめとする漁業関係の方々が参加されまして、厳しい意見が出ることも予想されますが、今回の意見聴取に当たりまして、どのような姿勢で政府として臨みたいか、決意をお聞かせください。

A:皆さんの御意見というものを拝聴させていただく。そして、風評を起こさないためにはどうしたらいいのかというような御示唆も頂きたいと思っております。
私どもはしっかりと説明をし、また御意見を頂く。そういった中で窓口は必ず開いたままでいろいろな対応をしてまいりたいと思っておりますし、今も漁業団体、農業団体とも対話の窓口というものはあると思っておりますので、そういったことも含めて対応してまいりたいと思っております。

緊急事態宣言延長に伴う支援

Q:政府は緊急事態宣言の延長を決定する方針とのことですけれども、支援策の拡充など、考えているものがあれば教えてください。

A:新しい支援策ということなのでしょうけれども、常に支援策というものは考えております。ただ、それは決定のときに報告をさせていただくということで、どんなところでお困りかということも含めて、今度の緊急事態宣言、そしてさらにまたまん延防止等重点措置の措置をした中で、例えば協力金の幅を増やすとか対象を増やすとかということも含めてやり取りをしてきました。
また、従来ある発表済みの支援金についても、手続の簡素化ということでやり取りをしてきている。そういった中で、経済産業省としての所管の役割というものも果たしてまいりたいと思っております。

半導体

Q:よろしくお願いいたします。
先ほどあった質問について、熊本への半導体工場建設についての関連で伺いますが、先ほど大臣は個別企業についてのコメントは控えたいとおっしゃられましたが、その記事ではこの件については経済産業省が主導している、あるいは経済産業省が仲介役となり、関係者の調整を進めるとの表現がありましたが、経済産業省がどのように関わっている案件なのか等々含めて教えてください。

A:記事は承知しておりますけれども、私どもは今の時点でコメントできませんということです。
半導体に関しては非常に重要なものであるということ、そして以前はシェア50%以上を誇っていたけれども、今は10%前後だということ、そして今後、デジタル化、グリーン化という中で半導体の必要性というものが出てきているということ、半導体全体の政策について検討会議を開催をして、今月末には結論を出していきたい、そして実行していくという中で検討しているということであります。
個別の企業については、私どもはコメントはしないということであります。

ものづくり白書

Q:今の半導体にも関連するかもしれないのですが、今日ものづくり白書が閣議決定をされました。新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、レジリエンスとかグリーンとかデジタル、こういったところが強調されています。去年は企業の変革力といったところが強調されたのですが、今の半導体の話もそうなのですけれども、こういったところに必要なキーデバイスでもあるということと、こういったレジリエンス、グリーン、デジタル、こういったことが強調されたところで、経済産業省としてどのように推進していきたいのか、大臣の所感をお願いします。

A:コロナ禍の中で日本の脆弱な面が見えてきたという中で、デジタル、グリーン、ヘルスケア、レジリエンス、そういったもの、一つ一つのテーマでもあり、また全体にも共通するテーマだと思っておりますけれども、そういったテーマをしっかりとものづくりの現場で意識をして対応していくということになると思います。
特にグリーンとデジタルというのは親和性が高いということもあって、今後の例えばカーボンニュートラルを目指す上でも省エネということになると、今度はパワー半導体であるとか、省エネの機器であるとかということにもつながります。
そういったものもどう捉えていくのか、グリーン成長戦略の中で14の重要分野というものも掲げている中に、そういったものも一つ一つ散りばめているということでありますから、より具体的になって出ているものと思っております。

日EUグリーン・アライアンス

Q:冒頭御発言いただいた日EUグリーン・アライアンスについてなのですけれども、このアライアンスによってどのような効果を期待されているのか、もう少し具体的に念頭にあるものがあったら教えてください。

A:これは日米でも協力関係でいく。そして、日EUも同じように協力関係でいく。これまでも三極で貿易の関係もやってまいりましたし、グリーンについても協議をしていきましょうということなのですね。
その始まりということだと理解をしていただければと思うのですが、ただ、それぞれの国がカーボンニュートラルを進める中で、ルール決めというのもこれから共通のルールというものもあるかもしれません。例えばカーボンプライシングであったり、国境調整措置であったり、そしてまたそれぞれの国でどういう考え方の下にこれらを進めていくかということ、これは国によって違えば貿易にも支障が出るということにもなります。そして、それぞれの国の産業にも影響が出るということになる。
こういったものをしっかり話合いをしていくための基になるものだと思っておりますし、我々もしっかり積極的にこういった議論には参加していきたいと思いますし、現にもうそういったところには参加をしているということでもあります。

経産省職員の女性トイレ使用に係る訴訟

Q:先ほどの東京高裁の判決関連でもう一点なのですけれども、外資系企業を含めて今SDGsとかジェンダー平等とか、当たり前のように各企業で実行されているこの社会の中で、裁判に至る前、経済産業省として何かジェンダーに関してルールを決めたりだとか、その取扱いについて見直しを図ったことはあるのでしょうか。

A:大きな意味で多様性が尊重されて、全ての人がお互いの人権や尊厳を大切にしていくということが大切だと思っております。
政府全般でそういう認識の下に、それぞれの職場においても、また自分たちのプライベートにおいても、そういったことができるような社会づくりをしていこうという認識の下に行っているということでありますが、個別の話については係争中の案件でありまして、経済産業省の対応というのは、一つ一つまた挙げるわけにはいかないと思っております。

Q:今回びっくりしたのは、異動に性別を明らかにするというか、そういうことも含めて関係してくるというのがびっくりしたのですけれども、自分の性別を明らかにしたりしなければ異動に支障が出るものなのですか。

A:それは訴訟の判決の内容については、私は今回はコメントはいたしません。

Q:少なくとも性転換手術をしないのであれば、男に戻ってはどうかという発言については、高裁でも11万円の賠償が認められていて。

A:それは一部認められて、一部認められないものもあるという現実は捉えています。

Q:そういった体制に対しての見直しとかはされてないのですか。

A:常に言動には気をつけるようにということを考えていますし、先ほど申しましたように、大きな意味でLGBT、それぞれの人権も大切にしながら対応していくというのは政府全体の取組であり、それぞれの役所においてもそういう方針の下に行っているということであります。
これまでの取組に関しては、何かしら問題があったということで訴訟が起きているのでしょうから、その件に関しましては私が今言葉を挟むことはいたしませんということです。

Q:再発防止のために何か対策を取られるお考えはありますか。

A:これは対応していくということで、先ほど言った大きな意味でのLGBT、しっかり人権を大切にしましょうということは、誰もが考えなくてはならない。御社においても同じだと思うけれども、一つ一つについては、一人一人の見方が違う部分もその中でもあるかもしれないから、それが訴訟となっている部分もあるでしょうし、そうじゃない部分もあるかもしれない。言った、言わないの話も含めて、これはみんなこれから気をつけていきましょうねということだと思います。教訓だと思いますね、これも。

以上

最終更新日:2021年6月2日

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