経産省・新着情報

2021年5月25日(火曜日)
10時36分~10時49分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

資金繰り支援

おはようございます。

初めに私から、日本公庫等の無利子無担保融資等の今後の方針について1点申し上げます。

日本政策金融公庫等の政府系金融機関による実質無利子・無担保融資等について、今般、足元の感染状況や資金繰りの状況を踏まえて、当面今年前半までとしていた申込期限を、当面年末まで継続することといたしました。

本融資制度は、これまでに86万件、16兆円を超える融資を決定するなど多くの中小企業に活用されていますが、引き続き事業者の資金繰り支援に万全を期してまいりたいと考えております。

私からは以上です。

質疑応答

電力需給対策

Q:2点お願いします。
1点目は、電力需給についてです。
25日の電力・ガス小委委員会で電力需給が議題となっていますが、改めて電力需給見通しが厳しいことへの受け止めと対策の進捗状況についてお願いします。
また、家庭や企業への協力についてどのようなことを考えているかについても併せてお願いします。

A:電力の安定供給は、国民生活や経済活動に不可欠なものであります。厳しい電力需給となる見通しであるこの夏及び冬においても、安定供給に万全を期すために、本日午前中の審議会において必要な対策を取りまとめていただくこととなっております。
取りまとめを受けて、電力会社への要請や需要家への呼び掛けの在り方などの夏季、夏の季節の対策、追加的な供給力確保の在り方などの冬季に向けた、冬の時期に向けた対策、過度な電源退出を防止する仕組みの在り方などの構造的課題への対応といった項目について速やかに実行してまいりたいと考えております。

G7気候・環境大臣会合

Q:ありがとうございます。
2点目は、G7気候・環境大臣会合についてです。
石炭火力について、強い制限に日本は異議を唱えたと批判的な報道もありますが、一方で、経産省は各国から理解を得られたと説明しています。大臣の認識について改めてお願いします。

A:国際会議における交渉の経緯や内容についてのお答えは差し控えたいと思っております。

その上で概要を申し上げれば、海外石炭火力については、我が国は昨年、世界の実効的な脱炭素化に責任を持って取り組む観点から、今後新たに計画される石炭火力輸出支援の厳格化を行ったところであります。今回の議論では、この方針に基づいて対応している旨を説明をし、各国から一定の理解を得たところであります。

また、気候変動というグローバルな課題の解決に向け、G7の団結を世界に示していくことの重要性も併せて説明をさせていただきました。
その結果として、今回のG7閣僚声明において、官民の国際的な資金をパリ協定にのっとった投資に向かわせ、高炭素な発電から離れていくことを促進するという大きな方向性で一致したことは、G7としての団結を示したものと考えております。
この2050年のカーボンニュートラルというのは、先進国だけではなくて途上国、新興国も併せて地球上の二酸化炭素をどうゼロに近づけていくかという課題だと思っております。

新興国について、例えば日本に要請があった場合という限定された条件に限って支援をしていく、さらにまた、それは将来においてのカーボンニュートラルを目指す方向性という中での対策も含めて支援をしていくという前提で要件を決めさせていただいたということで、全部の国が、125か国全部の国が一足飛びにネットゼロに行けるとは限らないと。そういったことも含めながらやはり考えていくべきではないかということと、その際の、日本に申入れがあった場合の対応ということでお話をさせていただいたと。ただ、G7として一つまとまった声明を出すことも大事であるという中で議論をさせていただいて、一定の理解を得られたものだと思っております。

半導体

Q:先週金曜日ですが、自民党内に半導体戦略推進議連が発足しました。挨拶の中で甘利議連会長が「半導体を制する者が世界を制すると」と位置づけています。この議連に対する大臣の所感と、今後、最先端半導体の生産の多くが台湾に集中しているということもありますけれども、産業基盤の再構築に向けてどういうふうに進めていくのか、現時点での認識をお願いします。

A:認識はまるきり、党の考え方と同じ方向性であると思っております。このコロナ禍において、サプライチェーンの脆弱性というものが見えてまいりました。その中の一つが半導体のサプライチェーンということでもあろうかと思います。半導体につきましては日本が先端を行っていた時期もありましたけれども、やはり大きな市場を取り込む時点で、大きな設備投資が必要になるという時点で日本がだんだん、だんだん遅れていく。大きな市場があれば当然そこに新たなニーズも生じてくるということで、次の開発、次の開発という形で資金が好循環をしていくということだったと思っておりますけれども、この時宜を捉えてもう一回サプライチェーンをどう考えるかということ。国内に開発拠点や製造拠点を置くことも含めて関係国と連携をしていかなければならないと思っておりますし、日本がもう一度、半導体において先進国の仲間入りをするためにどうしても必要な対応であり、課題であると思っております。

G7気候・環境大臣会合

Q:G7の気候・環境相会合の関連で伺います。今回、排出対策を講じた石炭火力については認められる形となっているんですけれども、石炭火力に対する国際的な批判って今後も続く可能性があると思うんです。この国内の石炭火力に関して、今後一層の休廃止を求めるようなお考えというのはあるんでしょうか。

A:非効率な石炭開発についてはフェードアウトをしていくという方針には変わりありません。そういった中で今、あなたがおっしゃったように、排出削減対策が講じられたものをどう配置をしていくかということだと思っております。排出削減対策というのはそれぞれ考え方があると思いますけれども、CCSの設置、貯留ですね、CO2を分離・回収した上での貯留をして再利用していくというような考え方、また、アンモニアとの混焼というような考え方、様々な考え方があると思いますけれども、そういったものであれば、大気中にCO2を排出しないということであれば皆さんに理解を得られるという思いでありますし、そういった議論を今回のG7でもしたということでありますけれども、やはりそういったものも含めて技術開発も含めて、2050年のネットゼロというものを目指すべきであると思っております。国内に関しましては、そういった排出削減の対策を講じられているものということで、2050年にはそういう形になると思っております。その途上においても、技術開発も含めてできる限り早くそういった対策をしていくということ、その貯留のみならずアンモニアの混焼、場合によってはアンモニアの専焼ということも含めて技術開発もしていくということが私どもの考え方であります。

原子力政策

Q:よろしくお願いします。
昨日、自民党の2050年カーボンニュートラル実現推進本部で原発の早期再稼働、新増設、リプレースを求める緊急決議をまとめられましたが、現在策定中のエネルギー基本計画への影響であったりとか、その動きについて大臣の所感をお願いできますでしょうか。

A:原子力についてはまず国民の信頼回復に努める、そして既存の原発の再稼働を進めることが重要であり、現時点では新増設、リプレースは想定していないというのが現在の政府の考え方であります。その上で、政府としてはタブーなしでしっかりと議論するという考え方の下で、基本政策分科会において原発の新増設、リプレースも含めて御議論をいただいているということであります。これテーマとして皆さんから出てきたものに関してはタブーなく議論をしていきましょうと。そして何が欠けているのか、何が必要なのか、そしてどういった方向性でいけばいいのか、そして2030年、2050年のエネルギーミックスにおいて、資源のない我が国においてどういった技術をその要素としていく必要があるのかということを議論していただいているということでありますが、引き続き自民党内の議論も含めて様々な御意見に耳を傾けながら議論を深めて結論を出してまいりたいと思っております。

電力需給対策

Q:先ほどの電力需給の逼迫の関連なんですけども、今回、火力発電の休廃止というのが大きな要因になっていると思います。先ほど来ありましたように、石炭にも厳しい目が向けられている中で、再エネも増える中で、調整力としての火力の必要性というのは今後どうしていきたいと。

A:カーボンニュートラルを目指す中で先ほども申しましたように、まずは非効率な石炭火発のフェードアウトという話があります。そういった中で、なかなかやっぱりそういったものが運転できる状況になければ、事業者としてはそれをやはり休廃止をしていくということになります。

需要と供給の関係の中で、供給側で一気に供給の電力が減っていけば、そういう需給の逼迫という状況も起こり得るということでありますので、そういったことも含めて、退出する電力、また入ってくる再エネも含めて、どういう対策をしていくかということを中長期的に見ていかなければならないということ。短期的には、今、休止や廃止になっているものを一部やはり動かしながらも、安定供給を図っていくということになります。

対するのが安定的な電源であると。例えば発電も続けてできる、電圧や周波数も一定のものにできる、入ってくる電力が今度は不安定な電源、変動電源ということになると、それを一対一で比べるというよりも、やはりどういう形で調整をしていくのかという全体像を見ながら、俯瞰をしながら考えていかなければ、需給の関係はつかめないということもありますから、そういったことも含めて、しっかり供給不足になることのないような対応をしてまいりたいと考えています。

G7気候・環境大臣会合

Q:G7の気候大臣会合の件でよろしいでしょうか。
声明の中で、石炭火力発電の政府による新規の国際的な直接支援の全面的な終了へ向かっていく具体的なステップを2021年中に取ることをコミットするというふうに明記されております。
日本政府として改めて何か年内に具体策を取るという検討はなされていますか。

A:引き続き議論をしていくということだと思っております。
先ほど申しましたように、途上国も含めてそのエネルギーの在り方、資源の在り方というのは千差万別です。資源のない国はもうそれを諦めろということではなくて、やはり段階的に移行をしていく、トランジションという考え方も必要だと思っております。

日本の国で言えば、2050年にネットゼロを目指しているわけですから、ゴールは2050年。その途上でも様々な技術開発がされて、一段と増えることはなくて、1段減らしていく、2段減らしていくというような段階もあろうかと思います。それは日本のみならず、技術や資源のない国においても同じことだと思っております。

それを一足飛びに最新鋭のもの、資金が、投下する資金、資本が大変大きなものだけでやれというのはなかなか難しいことですねということと、例えばヨーロッパにおいても、アメリカにおいても、国内は国内で対応していくんでしょうけども、途上国への支援というものがまだ明確になっていないという中でどうしていくか。日本は今までお付き合いしている国々もある、そして、信頼関係を結んでいる国々もあるという中で、これからの対応ということになりますし、議論をしていくということだと思っております。

この前の議論でも、やはりある一定の御理解はいただいたということで共同声明、7か国一致の共同声明を出させていただいたということですので、御理解をいただきたいと思います。

以上

最終更新日:2021年5月28日

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