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令和3年10月12日
G20首脳テレビ会議に出席する岸田総理1(写真提供:内閣広報室)
G20首脳テレビ会議に出席する岸田総理2(写真提供:内閣広報室)

 10月12日、午後8時から約2時間30分間、アフガニスタンに関するG20首脳テレビ会議が行われ、岸田文雄内閣総理大臣が出席したところ、概要は以下のとおりです。今回の会議は、本年のG20議長国イタリアの呼びかけにより開催され、G20各国及び招待国の首脳または代理並びに関係国際機関の長が出席しました。

  1. 冒頭、議長であるマリオ・ドラギ・イタリア首相(H.E. Mr. Mario Draghi, President of the Council of Ministers of the Italian Republic)から、アフガニスタン情勢をめぐり、G20の協調を呼びかける旨の発言がありました。その後、出席者間で、人道状況、テロ対策、人の移動を始めとするアフガニスタンをめぐる重要な課題について率直な議論が行われ、国際協調の重要性が確認されました。
  2. 岸田総理大臣からは、以下について発言を行いました。
    (1)冒頭、岸田総理大臣から、今次会合を主催したドラギ首相のイニシアティブを高く評価するとともに、国際社会の一致した声をアフガニスタンに届ける重要性を強調しました。
    (2)人道ニーズへの対応について、岸田総理大臣は、アフガニスタンが深刻な人道危機に直面していることに触れつつ、日本として、国際機関を通じ、6,500万ドル(約71億円)規模の新規支援を含め、本年中に総額2億ドル(約220億円)の支援を実施する考えを述べました。その上で、援助従事者の安全やアクセスの確保が不可欠である点を強調しました。また、約20年前に、岸田総理大臣自身が、復興プロセスが始まったばかりのアフガニスタンで学校等を訪れたことを紹介しながら、アフガニスタン国内の経済活動や基礎サービスの提供の維持が必要であると述べました。
    (3)治安とテロについて、岸田総理大臣は、10月8日に現地のモスクで発生し、多数の民間人が犠牲となった攻撃を強く非難した上で、日本として、関係者と連携しながら、国際社会の共通課題であるテロ対策に一層取り組んでいく考えを示しました。また、タリバーンがテロ組織との関係を断ち切ることが不可欠であることを改めて強調しました。
    (4)移動と人権について、岸田総理大臣は、希望する者の安全な出国に関する国際社会の声を反映した国連安保理決議第2593号に触れつつ、多くのアフガニスタン人が無事に日本に到着したことを紹介し、カタールを始めとする関係国の支援に改めて感謝を表明するとともに、カブール空港の全面正常化に向けた関係国の努力を評価しました。また、全てのアフガニスタン人の人権を守ること、とりわけ、女性が学び、働くことができる環境を守ることは、同国の将来的な発展に不可欠である旨発言しました。
    (5)最後に、岸田総理大臣から、現実を踏まえタリバーンに関与していく必要性に言及しました。タリバーンが人々の権利を守り、包摂的な政治プロセスを担保する行動をとっていけば、国の再建に必要な人材、資金、支援が戻り、タリバーン自身の利益にもなるとの点について、タリバーンに対して国際社会が一致して粘り強く働きかけていくべきである旨発言しました。

[参考]会議に出席した国及び国際機関
<G20各国>
  イタリア(議長国)、日本、アルゼンチン、豪州、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、メキシコ、韓国、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、英国、米国、EU

<招待国>
  スペイン、シンガポール、オランダ、カタール

<国際機関>
  国連、世界銀行、国際通貨基金(IMF)


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