令和3年3月19日

 3月19日(現地時間同日)、パキスタン・イスラム共和国の首都イスラマバードにおいて、我が方、松田邦紀駐パキスタン・イスラム共和国日本国特命全権大使と先方アフメド・ヌール・パキスタン経済省次官(Mr. Ahmed Noor, Secretary, Ministry of Economic Affairs, the Islamic Republic of Pakistan)との間で、無償資金協力「ファイサラバードにおける浄水場及び送配水管網改善計画」(供与限度額40億9,400万円)に関する書簡の交換が行われました。

  1. パキスタンは、全国民の安全な飲料水へのアクセス実現を掲げ取り組んでいますが、水道水へのアクセス率は3割弱に留まり、多くの住民が井戸からの地下水を利用しているため、地下水位の低下や水質の悪化が問題となっています。また、今後の人口増加に伴い更なる水需要の増加が見込まれるため、計画的な水源開発や安全で安定的な給水システムの整備が急務となっています。
  2. 特に、同国第三の人口を擁するパンジャブ州ファイサラバード市では、近年人口増加が著しく、水需要は既に既存の設備の供給能力を上回っており、浄水場の機材の故障や老朽化により浄水処理が追いついておらず、また、送配水管理の問題から水圧が低く下水が配水管に混入し水質が悪化する等の課題を抱えています。
  3. この計画は、ファイサラバード市において、既存の浄水場の更新・拡張、送配水施設の整備等を行うことにより給水能力を向上させるものです。この協力により、住民の生活環境を改善し、人間の安全保障の確保と社会基盤の改善を通じた同国の経済社会開発に寄与することが期待されます。

 パキスタン・イスラム共和国は、面積約79.6万平方キロメートル(日本の約2倍の大きさ)、人口2.12億人(2018年、世界銀行)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)1,530米ドル(2019年、世界銀行)。