(令和3年3月19日(金曜日)18時20分 於:本省会見室)

業務におけるLINEの使用

【朝日新聞 佐藤記者】外交と別のことで恐縮ですが、無料通信アプリのLINEの個人情報が中国の関連企業からアクセスできる状態があった問題というのが報じられております。これに関連してお伺いしたいのですけれども、大臣はLINEを業務上使っておられましたでしょうかということと、その場合、どのように使っていらっしゃったか、あとは今回の事態の受け止めと、もし使っていらっしゃった場合は、今後の利用の停止とか見直しというのは考えられますでしょうか。以上をお伺いしたいと思います。
 
【茂木外務大臣】業務上はLINEは使っておりません。セキュリティは極めて重要だと思っております。

米中外交責任者会談

【NHK 山本記者】米国と中国の外交当局トップの会談について伺いますが、冒頭から非難の応酬となったと伝えられています。会談はまだ続くようですけれども、大臣、どのような点に注目されていますでしょうか。
 
【茂木外務大臣】まず、今週の東京での私(大臣)とブリンケン国務長官との外相会談においても対中認識について、すり合わせを行って、地域や国際社会が直面する課題について緊密に連携していくことで一致をしております。
 もちろんこれは中国に対する対応もそうではありますが、その際、ブリンケン長官から、アラスカでの米中会談について、言うべきことは明確に伝え、率直に意見交換を行いたいと、こういう話がありました。冒頭しか分かりませんけれども、そういう形でやられているんだなと、こんなふうに感じたところであります。日米、そして基本的価値を共有する同志国の考え、そして懸念というのは明確に伝わっているのではないかなと、こんなふうに考えております。
 日本としては、引き続き同盟国たる米国との強固な信頼関係のもと、様々な協力を進めていきたいと思いますし、また、価値を共有する国々との連携というのも深めていきたいと思っております。
 一方で中国に対しても、大国としての責任を果たしていくよう働きかけていきたいと思います。

日米「2+2」(中国の反発)

【産経新聞 石鍋記者】中国についてお伺いいたします。先日の日米「2+2」の成果文書に対して、中国側がかなり反発をしています。中国外務省の報道官が記者会見で、日本は米国の戦略的属国となり、中日関係を破壊したなどと、かなり激しい口調で非難もしているようです。大臣、この中国側の発信について受け止めをお願いいたします。
 
【茂木外務大臣】日米外相会談、そして日米「2+2」も非常にいい議論ができたと、こんなふうに率直に思っております。日米「2+2」の共同発表、これは地域の戦略環境等について日米の外務・防衛閣僚がじっくりと意見交換を行って、認識が一致したものを文書としてまとめたものであります。特に中国情勢については、中国による既存の国際秩序と合致しない行動は、日米同盟及び国際社会に対する様々な課題を提起しているとの認識で一致をし、その旨明記いたしました。また、尖閣諸島への日米安保条約第5条の適用等々についても確認をしたと、そういったことが盛り込まれているわけであります。
 中国側の反応は反応として、中国との間には東シナ海情勢を含め、様々な懸案が存在しておりますが、主張すべきはしっかりと主張して、懸案を一つひとつ解決し、また中国側の具体的な行動を強く求めていく、こういう我が国の基本方針に、まったく変わりはありません。

EUによる対中制裁

【日経新聞 加藤記者】中国に関連してお伺いします。先般、EUがウイグルの人権問題に関して、中国の当局者に制裁を課すという方針を決めて、近く正式に決定する見込みですけれども、大臣、こういったEUの動きをどのようにご覧になられているかということと、日本政府の今後の対応についてお伺いいたします。
 
【茂木外務大臣】EUもまだ最終的な決定をしていないと、このように承知をいたしておりますが、その上で、国際社会からの懸念が高まっている新疆ウイグル自治区に関しては重大な人権侵害が行われていると、こういう報告が数多く出されており、我が国としても同自治区の人権状況については深刻に懸念をしておりまして、引き続き、国際社会が緊密に連携して中国側に強く働きかけていくことが重要であると、このように考えております。

中国との対面外交

【テレビ朝日 佐藤記者】大臣、先ほど、中国に対して、言うべきことは言うとおっしゃいましたけれども、大臣ご自身、外交トップと直接顔を合わせての会談の必要性については、今、どのようにお考えでしょうか。
 
【茂木外務大臣】中国とは様々なレベルで、これまでもやり取り、意思疎通というのは行ってきているわけでありまして、適時適切なレベルで、日本としての考え方を伝えて行きたいと思っております。

米韓「2+2」

【NHK 山本記者】米国と韓国の「2+2」、昨日、行われましたけれども、共同声明を見ますと、日米の「2+2」の成果文書のように、中国について名指しで批判ということはありませんでした。こうした点を含めて、米韓の閣僚協議の結果について、どのように評価していらっしゃいますでしょうか。
 
【茂木外務大臣】これは米韓の閣僚協議ですから、第三国の協議について、私(大臣)の立場でコメントすることは控えたいと思いますし、それは皆さんがどのように解釈されるかという部分もあるかと思いますが、いずれにしても日米「2+2」でも確認したとおり、日米韓の3か国協力、これは北朝鮮への対応含め、また、インド太平洋地域の安全、平和、繁栄にとっても重要であると考えておりまして、その意味では日米韓、連携をしていく必要があると思っております。