2021年2月5日

本年1月の卸電力市場価格の急激な高騰を踏まえ、需要家の電気料金負担が激変しないよう柔軟対応を要請する等の追加的な対応を行いました。

本年1月の卸電力市場価格の急激な高騰は、需要家にとって大きな影響がある場合も考えられます。経済産業省では、電力・ガス取引監視等委員会において、相談窓口を設置するとともに、契約内容の確認と契約の切替え方法について周知を行いました。また、新型コロナウイルス感染症の影響が未だ続く中、既に、1月分の電気料金の請求が順次始まっているところ、こうした市場環境においても、需要家が安定的な電力供給サービスを継続的に享受できることが重要です。

このため、1月29日に需要家に対する柔軟な対応の要請、卸供給を受ける小売事業者等に対する柔軟な対応の要請、一般送配電事業者への要請、一般社団法人日本卸電力取引所への要請及び経済産業省における窓口の設置といった対応(2.参考 参照)を行いました。

さらに、卸電力市場価格の急激な高騰は、卸電力市場において直接電力を調達していなくても、市場価格連動の料金による再生可能エネルギー電気卸供給を利用し、電力を調達している小売事業者と契約する需要家にとっても大きな影響がある場合も考えられます。そのような需要家についても安定的な電力供給サービスを継続的に享受できるようにするため、経済産業省は、以下の追加的な対応を行いました。

経済産業省では、今回の卸電力市場価格の急激な高騰について包括的な検証を行い、安定供給や市場制度の在り方及びFIT制度における費用負担や市場取引の在り方等の必要な制度的対応について、引き続き検討を行ってまいります。

1.一般送配電事業者への要請

再生可能エネルギー電気卸供給に係る料金は、すべて卸電力市場価格連動となっています。このため、今回の卸電力市場価格の急激な高騰に伴い、再生可能エネルギー電気卸供給を利用する事業者は、今後、1月の高騰した卸電力市場価格と連動して、それまでの価格水準と比べて高額の再生可能エネルギー電気卸供給に係る料金を支払うことが必要となります。これにより、一時的にそれまでの価格水準と比べて高額の供給力不足時の精算金を支払うことが必要となる事業者の場合と同様に、需要家にとって大きな影響がある場合も考えられます。

このため、本事象は、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第18条第2項ただし書に規定する「再生可能エネルギー電気卸供給約款により難い特別の事情がある場合」に該当すると考えられます。

こうした市場環境においても、小売電気事業者の調達手段の違いによる影響が直接需要家に及ぶことを回避し、需要家が安定的な電力供給サービスを継続的に享受できるようにする観点から、一般送配電事業者に対し、追加的に以下の内容を要請いたしました。なお、要件の詳細は当省と調整することとしています。

<要請内容>

  1. 一般送配電事業者において、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法第18条第2項ただし書の規定による承認(以下「特例承認」という。)の申請を行うこと。

  2. 小売電気事業者が、一定の要件を満たす場合、特例承認が行われた日の翌営業日以降に支払期日を迎える各日程の最初の1か月分の再生可能エネルギー電気卸供給に係る料金について、その支払期日を、最大4か月間にわたり延長し、当該期間内で原則均等に分割して支払うことを可能とすること。

  3. 小売電気事業者から特例承認が行われた日の翌営業日までに、経済産業省に対する申入れがあった場合には要件に係る審査を実施するため、要件を満たしているかどうかにかかわらず、その支払期日を一律に1か月間延長すること。

2.参考

担当

  • 小売電気事業者からの相談・連絡窓口

    電話:03-3501-1582(直通)(9時00分~17時00分)
    03-3580-8485(FAX)

  • 本発表資料のお問合せ先

    資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部
    新エネルギー課長 清水
    担当者: 大原、眞崎

    電話:03-3501-1511(内線 4551~4556)
    03-3501-4031(直通)
    03-3501-1365(FAX)