(令和3年2月2日(火曜日)10時40分 於:本省会見室)

冒頭発言

ミャンマー情勢

【茂木外務大臣】私(大臣)の方から、改めてミャンマー情勢についてのご報告をしたいと思います。
 昨日、ミャンマーの国内情勢については、外務大臣談話を発出したところでありますが、現地からの第一報を受けまして、私(大臣)の指示で、昨日直ちに小林南部アジア部長を長とする連絡室を立ち上げたところであります。事態は予断を許さないということでありまして、通信網が遮断されているとか様々な制約がありますが、それでもいろいろな情報が入ってきておりまして、情報の集約を含め、しっかり対応していきたいと思います。
 我が国は、ミャンマーにおいて、緊急事態が宣言をされ、民主化プロセスが損なわれる事態が生じていることに対して、重大な懸念を有しております。昨日拘束された、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問を含みます関係者の釈放を求めているところであります。
 日本はこれまで、ミャンマーにおける民主化プロセスを強く支持してきておりまして、これに逆行する動きが出ているということは残念でありまして、強く反対をいたします。
ミャンマーにおいて民主的な政治体制が早期に回復されることを、改めて国軍に強く求めるところであります。
 また邦人の保護、外務省の最も重要な責務の一つでありまして、在ミャンマー日本大使館を通じまして、在留邦人に対して、情報提供、注意喚起の対応を行っているところであります。これまでのところ、在留邦人に被害等が出たとの情報はありませんが、ミャンマー側に対して邦人の安全確保を要請しているところでありまして、引き続き、邦人の安全には最大限の注意を払うとともに、情報収集、また関係国との意思疎通を継続してまいりたいと考えております。私(大臣)からは以上です。

ミャンマー情勢

【NHK 山本記者】今のミャンマーの関連ですけれども、軍の司令官のミン・アウン・フライン司令官ですけれども、大臣、去年ミャンマーで、一昨年、日本でも、面会されて会談されて、日本政府として軍との関係作りというのを努めてこられたと思うんですけれど、今回の事態を受けて、その軍とのやり取りというのは、日本政府としてできているのかということと、これから軍への働きかけを直接強めていくというお考えはおありでしょうか。

【茂木外務大臣】軍との関係というか、当地におけますミャンマーの指導体制、様々な関係者がいるわけでありまして、そことは日本はですね、様々な意思疎通というのを行ってきたのは事実であります。
 私(大臣)もフライン司令官とは、日本において、また昨年はミャンマーにおきまして、直接会談もしているところでありまして、民主化プロセス、しっかり進めてほしいと、こういう申し入れも行ってきております。
 現在こういった状況が生じておりまして、日本として、今の軍関係者、これとも連絡を取りながら、改めて今申し上げたような、日本の立場はしっかり伝える必要があると、そのように考えております。

【テレビ朝日 佐藤記者】同じくミャンマーについてお伺いします。各国の中には制裁を辞さないというような姿勢を示す国もありますけれども、日本政府として、この制裁という手法についてどのようにお考えでしょうか。

【茂木外務大臣】今の段階で、事態がどう推移していくかと、これをしっかりと見守りたいと思っているところであります。ミャンマーにとって民主化プロセス、これが回復するということが極めて重要だと、そんなふうに思っております。同時に関係国との連携、こういったことも、意を払っていきたいと考えております。

新型コロナウイルス(アスリート等の入国制限)

【ラジオ・フランス 西村記者】水際対策についての質問をさせていただきます。緊急事態宣言の理由で、アスリート・トラックは停止中ですけれども…

【茂木外務大臣】ごめんなさい、アスリート…

【ラジオ・フランス 西村記者】アスリート・トラック、アスリートのために入国を認めること、アスリート・トラック。停止中ですけれども、緊急事態宣言が終わったら、ほぼ自動的にアスリート・トラックを再開するつもりなのか、また、マスコミの入国のことですが、同じような例外制度を考えていますか。メディア・トラックみたいなことを考えていますか。

【茂木外務大臣】まず、アスリート・トラックについて、外務省の担当でありませんので、担当の方までお問い合わせいただければと思っております。
 その上で、今、日本、緊急事態宣言中でありまして、基本的に全ての外国の関係者、これについて入国を拒否していると、こういう状態をとっております。今後、どういう措置をとっていくかと、これは国内外における感染の状況を見極める必要もあると思っております。同時にまた、どんな来訪のニーズがあるのかと、そういったことを見極めながら、政府全体として検討していきたいと思っております。

イランの核開発

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 中東情勢についてお伺いします。中東地域においては常にホットスポットがいくつかあります。日本はイランの核開発問題の解決に向け、外交活動を活発化するお考えでしょうか。米国で新政権が発足したことを受け、この問題に関して緊張が高まっていると考えますが、これについての日本の立場をお聞かせください。

【茂木外務大臣】
(以下は日本語にて発言)
 イランの核開発問題につきましては、今後、変化というのが見られるか、それを注視をしていきたいと思っておりますが、米国のバイデン大統領、そしてブリンケン国務長官は、イランが核合意の厳格な遵守に戻るのであれば、米国が更なる交渉の開始点として合意に復帰するとの立場、これを表明しているところでありまして、今後、こういった米・イラン関係の動向を注視する必要があると考えておりますけれど、我が国としては、国際不拡散体制の強化と中東の安定に資する核合意、これを支持をしてきておりまして、イランによります核合意の厳格な遵守、そして、米国によります核合意への復帰、これが実現することを期待いたしております。
 我が国としても、米国との同盟関係を踏まえつつ、イランとの伝統的な友好関係を生かして、積極的な外交努力を行っていきたいと思います。