令和3年1月27日

 1月26日(現地時間同日)、ベナン共和国のコトヌにおいて、我が方、津川貴久駐ベナン共和国日本国特命全権大使と先方オレリアン・アベノンシ・ベナン共和国外務・協力大臣(H.E. Mr. Aurélien AGBENONCI, Minister of Foreign Affairs and Cooperation, the Republic of Benin)との間で、総額36.81億円となる2件の無償資金協力に関する書簡の交換が行われました。対象案件の概要は、以下のとおりです。

  1. 無償資金協力「コトヌ市ベドコ交差点立体交差建設計画」(供与限度額35.52億円)
     事業対象となるベドコ交差点は、東西国際回廊と同国最大の都市であるコトヌ市の中心を東西に結ぶアーバン道路の合流点であるため、交通の集中が著しく、円滑な物流及び都市交通の妨げ、ひいては市民の安全及び同国の経済活動の障害になっています。
     この協力は、立体交差建設及び平面交差部改良並びに周辺交差点の信号制御を図ることにより、同交差点の交通混雑の改善に貢献し、ベナンの物流改善及びインフラ整備に寄与することで、周辺国との連結性を高めるものです。
     我が国は、ベナンを含む西アフリカ「成長の環」を総合広域開発の3重点地域の一つと位置づけ、2019年8月に開催した第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において、「質の高いインフラ投資に関するG20原則」を踏まえた質の高いインフラ投資の推進を表明しており、この協力は同表明を具体化するものです。
  2. 無償資金協力「クフォ県及びプラトー県における飲料水供給システム強化計画(詳細設計)」(供与限度額1.29億円)
     ベナンは、安全な水へのアクセスを確保し、給水率100%を達成することを重点目標の一つとし、全国で給水施設の整備を進めています。本事業の対象地域であるクフォ県及びプラトー県の給水率は全国平均と比較して低い水準にとどまっており、特に近年では、都市部の人口増加に伴い、水需要が増加し、両県の都市部における給水事情は悪化し、更なる給水量の確保が急務となっています。
     この協力は、クフォ県及びプラトー県の主要都市において、新規水源の開発及び配水管、高架水槽等の給水施設を建設することにより、当該地域における給水量の増大を図り、もってベナン国民の生活環境改善に寄与するものです。
     我が国は、TICAD7において、生活の向上や経済成長の基盤となる人間の安全保障とSDGsの実現に向けて、「強靭かつ持続可能な社会の構築への貢献」を表明しており、この計画は同表明を具体化するものです。

[参考]ベナン共和国基礎データ
 ベナン共和国の面積は約11万平方キロメートル(日本の約3分の1)、 人口は1,149万人(2018年、世界銀行)、 人口一人当たり国民総所得(GNI)は1,200米ドル(2018年、世界銀行)。