2020年5月15日

経済産業省では、最新の「大学発ベンチャー実態等調査」を取りまとめました。2019年9月時点での大学発ベンチャー数は2,566社と、2018年度で確認された2,278社から288社増加し、過去最高の伸びを記録しました。ただし、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響については、今後注視していく必要があります。併せて、大学発ベンチャーの成長の鍵となるチームビルディングに焦点を当てた「大学発ベンチャー チームビルディング事例集」を取りまとめました。

1.目的・背景

大学発ベンチャーは、大学等における革新的な研究成果をもとに、経済社会にイノベーションをもたらす担い手として期待されています。本調査は、大学発ベンチャーの設立状況を定点観測するとともに事業環境やニーズ等を調査し、その成長に寄与する要因を分析することで、今後の政策展開に活用するため実施しています。 

また、大学発ベンチャーが、実際に社会にイノベーションをもたらすためには、どのようなチームを構築するかが鍵となります。そこで今回、研究者が中心となって立ち上げることが多い大学発ベンチャーが、事業分野における経験豊富な人材を獲得することにより事業化を加速するなど、特徴的なチームビルディングを行っている大学発ベンチャーのストーリーを、別紙1の「大学発ベンチャー チームビルディング事例集」として取りまとめました。

2.調査結果(ポイント)

今回の調査で、特に重要となるポイントは次ページのとおりです。さらに詳しい内容については、別紙2「大学発ベンチャー実態等調査 結果概要」及び別紙3「同 報告書」を御参照ください。

3.調査時点について

本調査は2019年9月時点での大学発ベンチャー数を調査したものです。
現下の新型コロナウイルス感染症感染拡大が、大学発ベンチャーの創業と営業にどのような影響を与えるかについては、今後注視が必要となります。

調査結果のポイント

過去最高の大学発ベンチャー数、新規設立数を記録

2019年度調査において存在が確認された大学発ベンチャーは2,566社でした。2018年度で確認された2,278社から288社増加し、過去最高の伸びを記録しました。

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東大一強からトップ層の競争時代に

大学別の設立数では引き続き東京大学発ベンチャーが最も多いものの、京都大、大阪大、東北大、九州大、筑波大、名古屋大等のベンチャーも増加し、トップ層ではその差が縮まりつつあります。

順位(前年度) 大学名 2017年度 2018年度 2019年度
1 (1) 東京大学 268 271 269
2 (2) 京都大学 154 164 191
3 (4) 大阪大学 102 106 141
4 (5) 東北大学 86 104 121
5 (6) 九州大学 88 90 117
6 (3) 筑波大学 104 111 114
7 (9) 名古屋大学 81 76 94
8 (8) 慶應義塾大学 69 81 85
8 (7) 早稲田大学 79 82 85
10 (10) 東京工業大学 69 66 75

※本調査の調査時点(2019年9月)と大学におけるベンチャー創業把握のタイムラグにより、調査時点で設立されていない企業が一定数あると考えられる。
※また、2019年度調査では、大学による確認プロセスを一部変更したため、2018年度以前の数値とは単純に比較できない。

大学発ベンチャー成長の鍵はチームビルディング

成長要因の分析からは、大学発ベンチャーの成長におけるチームビルディングの重要性が指摘されました。たとえば、事業戦略や成長段階等、様々な要因に応じて最適なチームは異なるものの、ステージ前期では、CTOが研究者を兼任・経歴を持つなど、大学とのつながりの活用が成長要因と考えられ、ステージ後期では、CEOに企業経験者を迎えるなど企業とのつながりも大きく貢献していると考えられます。

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このようなチームビルディングの重要性に鑑み、今回、研究者が中心となって立ち上げることが多い大学発ベンチャーが、事業分野における経験豊富な人材を獲得することにより事業化を加速するなど、特徴的なチームビルディングを行っている大学発ベンチャーのストーリーを、「大学発ベンチャー チームビルディング事例集」として取りまとめました。

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関連資料

担当

産業技術環境局大学連携推進室長 川上
担当者:稲畑、大田

電話:03-3501-1511(内線 3371)
03-3501-0075(直通)
03-3501-5953(FAX)

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※新型コロナウイルス感染症対策により、職員不在の場合が多いため、上記メールを活用ください。