2020年4月10日

経済産業省は、令和2年4月10日、高圧ガス保安の観点から水素燃料電池ドローンを安全に運用するためのガイドラインを取りまとめました。これにより、水素燃料電池ドローンの運用・普及において高圧ガスの安全が十分に確保されることが期待されます。

1.背景

水素燃料電池ドローン(水素ドローン)は、バッテリーを搭載したドローンと比して長時間の飛行が可能であるため、災害対応や物流等において大きな需要があります。

一方で、水素ドローンには水素貯蔵用の高圧ガス容器が搭載されることから、一定高度以上で飛行させることは、落下した場合のリスクなど、高圧ガス保安上の観点で課題がありました。

こうした課題を踏まえ、水素ドローン運用において高圧ガスの安全を確保するため、
①産業技術総合研究所及び高圧ガス保安協会と連携し、水素ドローンにおける安全上のリスク及び高圧ガス容器を保護する装置の適格性を評価するための実証実験を実施し、
②有識者委員会において、高圧ガス保安上の課題及び①を踏まえた安全措置について審議し、その成果をガイドラインとして取りまとめました。

2.ガイドラインのポイント

ドローンに高圧ガス容器を搭載し飛行させることは、高圧ガス保安法令上の「粗暴な取扱い」に該当する蓋然性が高いことから、経済産業省及び高圧ガス保安協会が、この観点で安全を確保するための審査を行うこととし、申請者が担保すべき条件・措置を明記しました。

高圧ガスの安全性を確保するために、水素ドローンを取り扱う者が特に注意すべき事項を記載し、その具体的な方法を例示しました。

  1. 水素ドローンの製造者・販売者
    • 適切な高圧ガス容器及びドローン機体を使用すること
    • ドローンが万一落下した場合に容器の安全性を確保する措置を講じること
    • ドローンの管理者・操縦者の適切な能力及び運用の担保に責任を負うこと 等
  2. 水素ドローンの管理者・操縦者
    • 高圧ガス容器を温度40度以下に保持すること
    • 湿気、水滴による高圧ガス容器の腐食を防止すること 等

関連資料

担当

産業保安グループ高圧ガス保安室長 伊藤
担当者:高橋、服部、宮川

電話:03-3501-1511(内線 4951~4954)
03-3501-1706(直通)
03-3501-2357(FAX)