令和2年3月6日

「核軍縮の実質的な進展のための1.5トラック会合」の開催1

「核軍縮の実質的な進展のための1.5トラック会合」の開催2

1 3月6日,東京において,「核軍縮の実質的な進展のための1.5トラック会合」が開催され,核兵器国と非核兵器国を含む9か国の政府関係者に加え,国内外の民間有識者9名が出席しました。

2 今回の会合では,4月末から開催予定の核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議を見据えて,透明性,核リスク低減及び核軍縮・不拡散教育という3つの具体的な核軍縮措置の重要性に焦点を当てた議論が行われました。

3 会合の冒頭,尾身外務大臣政務官から,困難な状況がある中で核軍縮の進展を図るために,日本として,各国間の信頼醸成や共通の基盤の形成に貢献していく決意であり,その一環として開催するこの1.5トラック会合を通じて,各国が共に取り組める具体的措置を検討し,核兵器廃絶のために向き合うべき問題に関する建設的な対話の在り方を模索する努力を促進していきたい旨の挨拶仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)がありました。

4 各セッションでは,概要以下のような議論を通じて,透明性,核リスク低減及び核軍縮・不拡散教育といった具体的措置に関し議論を深め,本年のNPT運用検討会議の意義ある成果に向けて前向きな機運を醸成していくことについて認識を共有しました。

(1)透明性については,核軍縮の進展に資する透明性向上のための措置,核兵器国による核態勢や核政策に関する説明及び情報共有,NPTの履行に関する国別報告に基づく対話等について議論がなされました。

(2)核リスク低減については,リスクをどのように捉えるか,また核軍縮の全体像の中におけるリスク低減措置の位置付け等について議論がなされました。

(3)核軍縮・不拡散教育については,核兵器使用の実相に関する認識の向上や核兵器の非人道性に関する理解の促進,若い世代の関与等について議論がなされました。

[参考]核軍縮の実質的な進展のための1.5トラック会合

1 経緯及び目的

  • 我が国は,「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」における議論の成果のフォローアップ及び更なる発展を目的として,核兵器国と非核兵器国を含む各国の政府関係者及び民間有識者(「賢人会議」委員の一部を含む)の参加を得て,「核軍縮の実質的な進展のための1.5トラック会合」を立ち上げ。
  • 国際社会として取り組むべき核軍縮措置等について議論を行い,核兵器のない世界の実現に向けた各国間の信頼醸成及び共通の基盤の形成に貢献することを目指す。

2 出席者

(1)政府関係者(9か国)

(2)民間有識者(日本人有識者3名,外国人有識者6名の計9名)

  • 核兵器国:フランス,ロシア及び米国
  • 非核兵器国:アルゼンチン,オーストラリア,オランダ,クウェート,マレーシア及び日本
  • 日本人有識者
    秋山 信将  一橋大学国際・公共政策大学院院長
    小溝 秦義  前広島平和文化センター理事長
    朝長 万左男 日赤長崎原爆病院名誉院長
  • 外国人有識者
    レナータ・ドゥワン   国連軍縮研究所(UNIDIR)所長
    アンゲラ・ケイン     元国連軍縮担当上級代表
    アントン・フロプコフ  露エネルギー安全保障研究センター長
    ジョージ・パーコビッチ カーネギー国際平和財団副会長
    タリク・ラウフ      元国際原子力機関(IAEA)検証安全保障政策課長
    ブルーノ・テルトレ   仏戦略研究所副所長