令和2年2月26日

1 2月26日(現地時間25日),エルサルバドルにおいて,我が方樋口和喜駐エルサルバドル特命全権大使と先方ホルヘ・ペラサ・ブリーディー国際移住機関(IOM)エルサルバドル・グァテマラ・ホンジュラス事務所代表(Mr. Jorge Peraza Breedy, Chief of Mission for El Salvador, Guatemala, and Honduras)との間で,供与額5億円の無償資金協力「エルサルバドルの東部地域における潜在移民及び帰還移民の若年層に対する訓練及び起業に焦点を当てた再統合支援計画(IOM連携)」(The Project for Reintegration Assistance to Potential and Returned Migrants Youth Focused on Training and Entrepreneurship in Eastern El Salvador)に関する書簡の交換が行われました。

2 エルサルバドルでは,国内の貧困率は依然として高く,特に開発が遅れている東部地域農村部と都市部の貧富格差は顕著で,自立的かつ持続的な経済成長の停滞及び国内の治安悪化を原因とする米国やメキシコへの移民の流出が社会問題となっています。特に近年米国は不法移民対策を強化し,エルサルバドル政府にとって,移民問題の解決は喫緊の課題となっています。

3 この計画では,エルサルバドルの東部4県において,帰還移民の受入れ体制を強化することにより,約5,000人の帰還移民が人道支援物資を受け取ることができ,年間約1,000人が教育施設整備の恩恵を受けることができます。また,帰還移民の若年層に対する奨学金の提供により,約670人の帰還移民が職業訓練や起業教育を受けることができます。この計画の実施により,潜在移民の発生抑止及び帰還移民の経済社会への再統合の促進を図り,もって多くの移民の出身地である東部地域の経済活性化と雇用拡大に寄与することが期待されます。

[参考]エルサルバドル共和国基礎データ
 エルサルバドル共和国は,面積約2.1万平方キロメートル(九州の約半分),人口約664万人(2018年,世界銀行),一人当たり国民総所得(GNI)は約3,820米ドル(2018年,世界銀行)。