2020年1月30日

経済産業省では、我が国企業の経営戦略や産業構造の変化の実態を明らかにし、行政施策の基礎資料を得るため、「経済産業省企業活動基本調査」を実施しています。2019年調査結果(2018年度実績)の速報版をお知らせします。
調査結果(経済産業省企業活動基本調査の対象業種に格付けされた企業:「合計」28,270社)のポイントは以下のとおりです。

  • 一企業当たりの売上高の前年度比は、+1.3%と2年連続の増加、一企業当たりの経常利益の前年度比は、-3.2%減と7年ぶりに減少
  • 一企業当たりの売上高経常利益率も、前年度差-0.2%ポイント低下と7年ぶりに低下
  • 付加価値額は、営業利益の減益等により減少
  • 労働分配率は、給与総額は増加し、付加価値額が減少したことから上昇

結果概要

(1)売上高及び利益の状況<概況図表「1-3」、「2-2」>

  1. 2018年度(平成30年度)の一企業当たりの売上高は251.6億円、前年度比+1.3%と2年連続の増加となりました。
    主要産業でみると、製造業は228.0億円(前年度比+1.3%増)、卸売業は420.5億円(同+3.7%増)、小売業は246.8億円(同-2.9%減)となりました。

  2. 一企業当たりの経常利益は13.3億円、前年度比-3.2%減と7年ぶりに減少となりました。
    主要産業でみると、製造業は16.6億円(前年度比-4.8%減)、卸売業は13.3億円(同-1.0%減)、小売業は7.3億円(同-4.1%減)となりました。

  3. 一企業当たりの売上高経常利益率は5.3%と前年度差-0.2%ポイント低下
    主要産業でみると、製造業は7.3%(前年度差-0.4%ポイント低下)、卸売業は3.2%(同-0.1%ポイント低下))、小売業は3.0%(同0.0%ポイント横ばい)となりました。

(2)付加価値額と労働分配率及び労働生産性の状況<概況図表「4-1」、「5-1,2」>

  1. 付加価値額は、給与総額等は増加したが、営業利益の減益等により128兆2968億円、前年度比-0.7%減の減少となりました。
    主要産業でみると、製造業62兆1399億円(前年度比-1.7%減)、小売業16兆6765億円(同-1.6%減)は減少、卸売業は営業利益の減少幅が小さかったため、16兆5472億円(同+0.2%増)の増加となりました。

    (注)付加価値額 = 営業利益+給与総額+減価償却費+福利厚生費+動産・不動産賃借料+租税公課

  2. 労働分配率は、付加価値額が減少し、給与総額が増加したことにより48.7%、前年度差+1.0%ポイントの上昇となりました。
    主要産業でみると、製造業は47.8%(前年度差+1.7%ポイント上昇)、卸売業は48.6%(同+0.1%ポイント上昇)、小売業は49.9%(同+0.5%ポイント上昇)となりました。

    (注)労働分配率とは、付加価値額に対しての人件費を示す指標であり、会社が新たに生み出した価値のうちどれだけ人件費に分配されたかを示す指標。ここでは、以下の算出による。
     労働分配率 = 給与総額 ÷ 付加価値額 × 100

  3. 労働生産性は、付加価値額が減少し、常時従業者数が増加したことにより884.2万円、前年度比-1.0%の減少となりました。
    主要産業でみると、製造業は1,170.3万円(前年度比-1.8%減)、小売業は497.1万円(同-0.9%減)は減少、卸売業は1,093.0万円(同+1.3%増)の増加となりました。

    (注)労働生産性とは、生産性分析の一指標であり、従業員一人当たりの付加価値額を示す指標。ここでは、以下の算出による。
     労働生産性 = 付加価値額 ÷ 常時従業者数

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大臣官房調査統計グループ 企業統計室長 沓澤
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