日米貿易協定・日米デジタル貿易協定

【NHK 山本記者】日米貿易協定について伺います。先ほど参議院の外交防衛委員会で承認案が可決されました。政府が目指してきた会期内の可決承認にも,目処がついたという形になると思います。大臣の率直な受け止めをお願いします。

【茂木外務大臣】先ほど参議院の外交防衛委員会において,日米貿易協定及び日米デジタル貿易協定,承認をしていただきました。引き続き早期の発効を目指していきたいと思っています。
 昨年4月以降,FFR,そして9月の日米共同声明での交渉の開始の決定,さらに本年4月からの本格交渉,8月の最終合意,10月7日の署名を経て,ようやくここまできたと,そのように思っております。これからも国際社会での,自由で公正な21世紀型のルール作りに,日本が主導的な役割を果たしていきたい,こういう思いを新たにしております。

日韓関係(週刊文春の報道)

【聯合ニュース パク記者】一つ確認いたします。週刊文春最新号の報道によりますと,大臣が康京和(カン・ギョンファ)長官について,「お飾りだ」と言ったという報道がありました。それを確認していただけますか。それが誤報だったら訂正報道を要求するつもりがありますか。

【茂木外務大臣】そのような事実はありません。何か根拠があってご質問されるのでしたら,その根拠をお示しいただきたい,そのように思っております。

【聯合ニュース パク記者】では,訂正報道を要求する意向はありますか。

【茂木外務大臣】まず根拠をお示しください。

【聯合ニュース パク記者】根拠は週刊文春の報道です。

【茂木外務大臣】あなたがそれを確認されたんですか。それが事実であるということを。

【聯合ニュース パク記者】外務省の関係者を引用していました。

【茂木外務大臣】きちんと内容を確認してご質問いただきたいと思います。事実関係を確認した上で,そのような事実はないと,私(大臣)は申し上げております。まずあるのでしたら,このようなことがあるということを,ご自身の取材で確認をして質問してください。

中曽根元総理の逝去

【読売新聞 阿部記者】先日亡くなられた中曽根康弘元総理が日本外交に残された功績と,また大臣の個人的な思い出があればお願いします。

【茂木外務大臣】中曽根元総理,戦後政治の総決算,これを掲げ,国鉄改革など大きな功績を残されたと思っています。外交関係でもロン・ヤス関係の構築を含め,日米同盟をさらに強化された,そのことにご尽力された,そんなふうに思っております。
 そういった日本外交の基軸,これが日米同盟であるということは現在も変わらない,この日米同盟をしっかりと強化していくことが重要だ,そんなふうに思っています。非常に明快な語り口で,また日米の通商問題のときはパネルを使って記者会見に臨まれた,こんなことも印象に残っております。

日韓首脳会談の開催

【共同通信 斎藤記者】安倍総理は本日の政府与党連絡会議で,中国で日中バイ会談と同時に,日韓首脳会談を調整していると表明されました。この日韓首脳会談でどのような成果を期待できるか。そしてまた,この日韓首脳会談に向けて,政府としてどのように取り組んでいるのか,この点について大臣のご見解をお伺いしたいと思います。

【茂木外務大臣】先般の日韓の外相会談におきまして,今月の開催で調整されている日中韓サミットの機会では,日韓の首脳会談の開催に向けて調整することで一致しております。今,地域の安全保障環境や,旧朝鮮半島出身労働者問題など,日韓で議論するべき重要な課題があるわけです。日中韓サミットでは,3か国のリーダーが一堂に会するわけでありまして,これまでの日中韓サミットの際にも日韓の首脳会談は行われてきた,このように承知をいたしております。
 懸案事項につきましては,外相レベルを含め,外交ルートでの意思疎通を継続していくことで一致をしておりまして,日本政府全体として,現在の韓国側の国際法違反の状態を一刻も早く是正をするよう,引き続き強く求めていきたいと思っています。

イラン情勢(アラグチ外務次官との会談)

【朝日新聞 竹下記者】イランをめぐる情勢についてお尋ねします。本日,イランのアラグチ外務次官と森外審が協議しまして,大臣もこの後,お会いになるご予定だと思いますけれども,イランは第5弾の核合意破りも示唆しております。日本政府としてはこれまで自制を促してきたと思いますけれども,現在の手応えとか見通しについて,お考えをお願いします。

【茂木外務大臣】すみません。これから会談やりますので。

茂木大臣の外遊方針

【読売新聞 阿部記者】大臣ご自身の外遊日程についてお伺いしたいんですけれども,国会も最終盤で外遊日程の調整も進んでいると思いますけれども,訪問したい国・地域ですとか,今後の外遊方針について,大臣のお考えをお願いします。

【茂木外務大臣】安倍総理が展開する地球儀を俯瞰する外交,これを更に前に進めるために,包容力と力強さを兼ね備えた外交を展開していきたい,こういうお話をさせていただいております。これまで,国会対応等の関係もありまして,なかなか,海外に出る機会が少なかったわけでありますけれど,一方で,国連総会であったり,更には先日の名古屋でのG20外相会談等々で各国の外相ともバイの会談を行ったり,またマルチの会談等々もいくつか行ってきておりまして,是非,訪問して欲しいと,こういう要請を受けている国もあるわけでありまして,よく検討しながらスケジュール調整していきたいと思っておりますが,ロシアのラヴロフ外相からはですね,早期にモスクワを訪問してほしいと,こういう招待を受けておりまして,諸般の情勢が許せば12月中旬にもモスクワを訪問したい,このように考えております。

日中韓サミット

【NHK 高島記者】日中韓サミットについてですが,日中の首脳会談も調整が進んでいるかと思います。来春の習近平国家主席の訪日に向けた環境整備として,この日中首脳会談で何らか成果を挙げたいというお考えはありますでしょうか。

【茂木外務大臣】現在の日中の関係,首脳レベル,外相レベルも含めて,頻繁の往来によりまして,完全に正常な軌道に戻ると,こういう形になっております。その一方で,日本産食品の輸入規制の問題,更には東シナ海,南シナ海をめぐる問題,そしてまた香港情勢,そして邦人の拘束事案,いくつかの懸案事項があるわけで,来春の習近平国家主席の訪日に向けて環境整備をするという意味からも,ハイレベルな会談を重ねることによって,一つひとつの懸案をしっかり解決して,環境整備を進めていきたいと,そんなふうに思います。

「明治日本の産業革命遺産」保全状況報告書

【中央日報 ユン記者】今日,韓国外交部からスポークスマンの発言がありましたけれども…

【茂木外務大臣】ごめんなさい。韓国外交部から,何ですか。

【中央日報 ユン記者】スポークスマンの発言がありました。それに関して申し上げます。日本が軍艦島に関して,2015年ユネスコ世界遺産登録された時に,韓国人の強制労働を認め,犠牲者のための措置を約束しました。ですが,昨日,ユネスコ・ホームページに提出された報告書,カンバセーション・レポートによりますと,こういう内容はありません。今日,韓国外交部からのスポークスマンの発言は,こういった日本政府の報告書に関して遺憾の意を示したんですけれども,これに対して外務大臣はどう受け止められているでしょうか。

【茂木外務大臣】報道は承知をいたしております。今回,提出いたしました保全状況報告書は,2018年の第42回世界遺産委員会において出された決議について,その履行に向けた取組みの進捗状況をまとめたものであります。そこの中では,旧朝鮮半島出身労働者問題についての報告を求められているものではございません。我が国としては,ユネスコ世界遺産委員会で決議をされました勧告内容を真摯に受け止めており,その実現に向けて,誠実に取り組んでいるところであります。

自衛隊の中東派遣

【朝日新聞 竹下記者】自衛隊の中東派遣の関係でお尋ねします。月内にも派遣を閣議決定するとの報道も出ておりますけれども,現在の検討状況と,中東地域の現状を踏まえて,自衛隊を派遣する時期はいつ頃が望ましいとお考えかお願いします。

【茂木外務大臣】ご案内のとおり,我が国として,中東における我が国に関係する船舶の安全確保のための,独自の取組みを行っていくとの考え方の下,政府の方針として情報収集体制を強化するために,自衛隊アセット活用に関する具体的な検討を進めているところであります。現在,意思決定プロセスも含めて,様々検討を行っているところであります。現時点において具体的なスケジュール等は決まっておりません。