令和元年9月20日(金)

 今朝の閣議において,法務省案件はありませんでした。
 また,閣議前に開催された復興推進会議に出席しまして,10月15日,福島地方法務局富岡出張所の富岡町における業務を全面的に再開することを発表しました。
 富岡出張所は,いわき支局の中に移転して,この8年半の間,事務を行ってまいりましたが,平成29年7月からは,富岡町内にある庁舎に,定期的に職員を派遣する形で業務の一部を再開して,地域の復興のための取組を進めてまいりました。
 今回,出張所の業務を富岡町において全面再開することにより,被災地における法務局のサービス,法的なサービスの御提供の一層の充実を図り,被災地の復興を更に加速していきたいと考えています。
 それから,台風15号の被災地への支援状況についてですが,これも皆様にも会見のたびに御報告してまいりました。その後ということですが,八街市にあります八街少年院,ここにおきまして,これまで申し上げました被災住民の皆様に対する給水や充電に加えまして,シャワー施設の利用についての支援も行っています。さらに,千葉少年鑑別所におきましては,心理的なケアの実施が可能である旨を地元自治体に当方から申し入れまして,今後,要請があれば直ちにそれに対してお応えできる体制を整えています。
 これからも,法務省として,地元自治体や関係機関としっかり連携して,一日も早い被害回復,そして生活再建のお力になれるよう,全力でしっかりと取り組んでまいります。

東京電力福島第一原子力発電所旧経営陣の無罪判決に関する質疑について

【記者】
 昨日,東京電力福島第一原子力発電所の事故をめぐって,検察審査会による起訴議決で強制起訴された旧経営陣3人全員に無罪判決がなされました。判決に対する所感と,検察審査会法の起訴議決制度の改めての意義,あるいは今後の改正の必要性などについてお考えをお聞かせください。

【大臣】
 個別具体的な事件についての裁判所の御判断につきましては,法務大臣として所感を述べることは差し控えます。
 2点目のお尋ねですが,この起訴議決制度は,公訴権の行使に関して,国民の皆様の感覚をより直截に反映させることによって,一層適正なものとする,そういったことなどが目的であると承知しています。
 検察審査会制度については,現段階で,具体的な見直しが必要であるとまでは考えていません。

同性婚に関する質疑について

【記者】
 一昨日ですが,宇都宮地裁真岡支部において,同性カップルが破局した場合,相手に慰謝料を支払う必要があるかどうかが争われた裁判で,異性のカップルと同じように法律上保護されるべきだとの判断が示されました。この判決の受け止めと,専門家からは「今回の判決が同性婚の議論や立法化に向けた大きな一歩になる」との指摘があったり,これまでも日弁連から同性婚を求める法改正の意見書などが公表されていますが,同性婚をめぐる法改正について,どのようにお考えかお願いします。

【大臣】
 まず,この宇都宮地裁の判決についての考えですけれども,飽くまでも私人間の個別の紛争についてですので,法務大臣として所感・所見を申し上げる立場にはありません。
 2番目の,いわゆる同性婚の導入についてですが,当事者双方の性別が同一である婚姻の成立を認めるということは,憲法上想定をしていないということであり,政府として,現時点で同性婚の導入を検討していませんので,具体的な制度,今おっしゃったようなことも含めて,制度を前提として,それが憲法に適合するか否かの検討そのものを行っていません。いずれにしましても,この件につきましては,日本の家族の在り方の根幹に関わる大変重要な問題ですので,極めて慎重な検討を要すると考えています。

(以上)