1. 1 本11日(現地時間10日),国連開発計画(UNDP)本部のあるニューヨークにおいて,別所浩郎国連代表部大使とムラッド・ワフバUNDP総裁補兼アラブ局長(Mr. Mourad Wahba, Assistant Administrator and Regional Director, Regional Bureau for Arab States)との間で,供与額4億2,400万円の無償資金協力「アレッポ早期復旧及び生計支援計画(UNDP連携)」に関する書簡の交換が行われました。

    2 2011年3月のシリア危機発生から9年目に入り,国内避難民620万人を含む1,170万人が何らかの支援を必要としており,人道上の危機的状態が続いています。全国的に帰還民が発生している中,アレッポ県においては,2018年に約48万人が帰還していますが,保健,教育,給水,衛生等,多くの基本的な社会サービスが欠如しているとともに,経済活動が低迷しているため,多くの人々が極めて厳しい生活環境に直面しています。

    3 この協力では,アレッポ県東アレッポ地域において,緊急的な基本インフラの修復(小児科病院の修復,生産セクターへの資機材供与等)を通じて,保健サービス提供の強化,持続可能な生計支援及び地元経済の早期復旧支援を行うことにより,アレッポ及び周辺地域のシリア国内避難民及び市民の基本的社会サービス及び生活環境の改善等に寄与することが期待されます。

    [参考]シリア・アラブ共和国基礎データ
     
     シリアの面積は,約18.5万平方キロメートル(日本の約半分)であり,戦闘状態が長期間継続した結果,これまでの死者がシリア全土で37万人以上とも言われ,国内避難民は620万人以上と国内の人道上,危機的状態が続いている。