1.  23日午後7時10分から約100分間,河野太郎外務大臣は,訪日中のマクドゥーム・シャー・マヘムード・クレーシ・パキスタン・イスラム共和国外務大臣(H.E. Mr. Makhdoom Shah Mahmood Qureshi, Foreign Minister of the Islamic Republic of Pakistan)と外相会談及びワーキングディナーを行ったところ,概要は以下のとおりです。

    1 冒頭,河野大臣から,21日にスリランカで発生した連続爆弾テロ事件により,日本人及びパキスタン人を含む多くの犠牲者が発生したことに言及し,犠牲者に哀悼の意を表するとともに,このようなテロは到底許されるものではなく,断固として非難する旨述べました。これに対し,クレーシ外務大臣から,日本人犠牲者へのお悔やみが述べられ,パキスタンは日本や国際社会と共に,テロに立ち向かう旨述べました。

    2 河野大臣から,日本は,南アジアのみならず,世界の安定と平和に重要な役割を有しているパキスタンとの関係を重視しており,安定・発展のための外交や経済の多角化に向けたパキスタンの努力に引き続き協力していく旨述べました。これに対し,クレーシ外務大臣から,地域の安定のために役割を果たしたい,ハイレベルの交流を活用しつつ,二国間関係を拡大していきたい旨述べました。

    3 河野大臣から,投資拡大に向け,パキスタンにおいて日本企業が抱える課題の解決,投資環境の整備を要請し,すべてのテロに対する対策の必要性を述べつつ,今回署名した物流拠点への貨物検査機材供与といった支援がテロ対策強化に資することを期待し,パキスタンの経済社会開発への支援を継続する旨述べました。これに対し,クレーシ外務大臣から,カーン政権の最重要課題は経済政策であり,日本企業進出への期待が述べられ,日本からの経済協力への謝意表明がありました。
     両外相は,パキスタン新政権の経済政策について,財政の持続可能性や透明性の向上に向けた取組に関する意見交換を行いました。

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    4 両外相は,北朝鮮情勢を含む地域情勢等について意見交換を行いました。河野大臣から,拉致問題の早期解決が重要である旨述べたのに対し,クレーシ外務大臣から,国際社会とともに地域の安定のために協力していきたいと述べつつ,パキスタンの取組につき説明をしました。

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