平成31年1月8日(火)

 新年明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。今年もよろしくお願いいたします。
 本日の閣議において,法務省案件はありませんでした。
 平成最後の年の年頭に当たり,一言申し述べたいと思います。
 今年は天皇陛下が御譲位され,30年に亘る平成の時代が終わり,新しい時代の幕が開ける歴史的な一年になります。
 法務行政は,引き続き,様々な重要な課題に直面していますが,社会の動きや国民意識の変化にしっかりと対応しながら,国民の皆様の信頼にきちんと応えていく必要があります。
 引き続き平口法務副大臣,門山法務大臣政務官,そして全国約5万3000人の職員と一丸となって,「全員野球」で,新たな時代に法務行政を取り巻く諸課題に全力で取り組んでまいりたいと考えています。
 昨年同様,できるだけ多くの国民の皆さんに法務行政を身近なものとして実感していただけるよう,そして,国民の胸に落ちる法務行政の実現を目指し,様々な機会を捉えて,積極的で分かりやすい広報や御説明に努めてまいりたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 続いて私の海外出張についてです。本日1月8日(火)から1月12日(土)まで,中華人民共和国香港特別行政区及びインドを訪問し,香港及びインドのカウンターパートの大臣等とお会いする予定です。
 法務省では,法の支配を貫徹し,国際分野に至るあらゆる活動に法の支配が浸透するための「司法外交」に取り組んでいますが,明日は早速,香港で,当省と香港法務庁との間の協力覚書(Memorandom of Cooperation, MOC)を署名する予定です。
 これからも,「司法外交」のネットワークを拡充するべく,法務・司法分野での協力関係を強化してまいる所存です。

大臣海外出張に関する質疑について

【記者】
 今回,香港とインドを出張先に選ばれた理由と,期待される成果を教えてください。

【大臣】
 香港,インドと日本の交流は,これからますます活発になることが想定されます。法務省には,それら活動の法的側面支援の役割が期待されているところです。両国とも,日系の進出企業が1,300以上あるということです。そうした側面での支援ということもありますし,私が香港及びインドを直接訪問して,法務行政における強固な協力関係を構築することが重要であると考えています。
 アジア有数のハブ都市である香港との関係では,昨年11月にキャリー・ラム行政長官及びテレサ・チェン法務長官が来日し,刑事関連協定や国際紛争解決分野の交流及び協力を含むステートメントが発表されています。
 また,インドについては「自由で開かれたインド太平洋戦略」における重要国であり,昨年10月のモディ首相来日の際には,法の支配の強化等の必要性を含む「日印ビジョンステートメント」が発表されています。
 こうした中,時機を逃がさずステートメントを力強く実践するため,インドの訪問を考えた訳です。法務大臣がインドを訪問するのは初めてですが,あれだけの大国であり,日系企業も進出している,そして,極めて大事な国際的なパートナーであるインドのカウンターパートの大臣としっかりとお話しすること,そして,国際的金融関係のハブの一つである香港の責任者としっかりと意思疎通していくことは我が国にとって非常に重要なことであり,これが実現したことを大変嬉しく思っています。
 期待される成果としては,カウンターパートの閣僚級の皆様としっかりとお会いし,場合によっては英語で直接コミュニケーションを取ることによって大臣と信頼関係を築きあげられると考えています。
 各訪問先で,2020年4月に京都で開催される,国連のこの分野における最大の会議である,国連犯罪防止刑事司法会議,いわゆる「京都コングレス」について,あるいは香港において非常に進んでいる国際仲裁の我が国における活性化に向けた基盤の整備について,あるいは,新たな外国人材受入れのための入管法等の改正と外国人との共生社会の実現に向けた取組について,そして我が国の法令の外国語訳の推進など,法務省が実際に取り組んでいる国際的な施策について御理解をいただくとともに,情報交換を行うことで,「司法外交」を進展させることを期待しています。

カルロス・ゴーン被告の勾留に関する質疑について

【記者】
 日産自動車のカルロス・ゴーン前会長の勾留理由を明らかにする手続が現在行われているかと思います。ゴーン前会長がどのような主張をするか注目が集まっていますが,改めて勾留の正当性に関する大臣の見解をお聞かせください。

【大臣】
 勾留については,個別事件における裁判官の判断に関する事柄ですので,法務大臣として所感を述べることは差し控えさせていただきたいと考えます。

(以上)