平成24年7月25日
法務省人権擁護局

 現在,滋賀県大津市における中学生の自殺を契機として,いじめ問題への対応の在り方について社会の関心が高まっているところ,平成24年7月17日,滝法務大臣が閣議後の記者会見において,いじめ問題に関して法務省の人権擁護機関(法務省人権擁護局,法務局・地方法務局及びその支局並びに人権擁護委員)が行っている活動として,「子どもの人権110番」による電話相談及び「子どもの人権SOSミニレター」事業を紹介され,これらの制度について,PRしていきたい旨の発言をされました。
 人権擁護局としては,これまでも「子どもの人権110番」及び「子どもの人権SOSミニレター」について,積極的に広報に努めてまいりましたが,本年度は更に「声なき声を聞き取るための調査救済制度の周知」を目的として種々の施策を講じていくこととしています。一例として,法務局の人権救済活動について国民の皆さんの認知度を高めるため,法務局の相談・救済制度について説明する新たなリーフレットを作成し,平成24年8月上旬には配布を行う予定です。
 「声なき声を聞き取る」ことは,いじめ問題について言えば,いじめを受けていながら誰にも相談できない状況を少しでも減らすということです。これまで,「子どもの人権SOSミニレター」をきっかけとして,法務省の人権擁護機関が動き,学校が把握していなかったいじめ問題を明らかにし,学校の協力を得ていじめ問題が解消されたといった事例もあります。
 人権擁護局では,今般の法務大臣の発言を受け,これまでの活動の経験を踏まえ,いじめ問題への対応を一層強化するため,新たに以下の対策を講じました。

1 全国の法務局及び地方法務局に対し,より迅速かつ的確にいじめ問題に対処できるよう,「子どもの人権110番」及び「子どもの人権SOSミニレター」を含むいじめに関する相談窓口を,人権教室,人権の花運動及びスポーツ組織と連携協力した啓発活動などの各種啓発活動において,積極的に広報するよう,通知を行った。
2 平成24年7月19日に開催された第60回全国人権擁護委員連合会総会における法務大臣挨拶及び人権擁護局長説明において,人権擁護委員に対し,いじめ問題への対応を含む人権擁護委員活動の一層の充実を依頼した。

 なお,既にお知らせしたとおり,映画「おおかみこどもの雨と雪」(東宝株式会社配給)と連携したポスター「子どもたちの未来を守りたい」を作成し,全国の法務局等で掲示し,「子どもの人権110番」等の告知をしています。
 人権擁護局においては,今後とも,機会を捉え,いじめに関する相談窓口の周知活動を強化し,いじめ問題について相談しやすい環境を整えていく予定です。

相談窓口