平成30年8月7日(火)

今朝の閣議では,法務省案件はありませんでした。

満期釈放者に対する再犯防止対策に関する質疑について

【記者】
 一部報道で,国が満期出所した元受刑者らに,薬物治療や認知行動療法を国費で受けさせる制度を整備する方針を固めたという報道がありましたが,本制度に対して大臣はどのようにお考えでしょうか。

【大臣】
 平成29年版の犯罪白書によると,平成27年出所受刑者のうち,満期釈放者の2年以内再入率が27.2%と高い水準です。満期釈放者に対し,再犯防止対策を講じることは必要であると認識しているところです。
 このため,法務省においては,性犯罪者や薬物犯罪者,一部の窃盗犯など再犯のおそれの高い者を含む満期釈放者に対する再犯防止対策について,矯正と保護の垣根を超えた省内横断的な対応をするべく検討しているところです。
 満期釈放者に対し,効果的な再犯防止対策を実施できるよう,着実に検討を進めてまいりたいと考えています。
 

検察官の取調べの録音・録画に関する質疑について

【記者】
 検察改革以降,特捜部に限らず検察全体として,取調べの録音・録画を積極的に行っていると認識しているのですが,検察官が違法な取調べを行わないかチェックすることに尽きるのか,その意義について所感をお聞かせください。

【大臣】
 取調べの録音・録画制度については,来年6月までに施行される制度であり,その趣旨については,被疑者の供述の任意性・信用性についての的確な立証を担保するとともに,取調べの適正な実施に資することを通じて,より適正,円滑かつ迅速な刑事裁判の実現に資することにあると考えています。
 検察当局では,改正法の趣旨を踏まえ,録音・録画制度の対象事件について録音・録画を実施しているほか,その他の事件においても,被害者や参考人を含め,捜査・公判の遂行上,録音・録画を実施することが必要であると考えられる場合については,録音・録画を実施しているものと承知しています。
 そして,より効果的な立証という観点から,事案に応じ,録音・録画の記録媒体を実質証拠として請求することもあるものと考えています。検察当局においては,このような観点から取調べの録音・録画を実施しているところでして,引き続き適切な実施をしていくものと考えています。

【記者】
 先ほどの録音・録画に関連して,いわゆる今市事件の控訴審判決の録音・録画の部分を巡ってもめるものがありましたが,検察官が録音・録画媒体を犯罪立証に用いる実質証拠として裁判所に請求するということは許されるという見解でよろしいのでしょうか。

【大臣】
 まず,個別の事件について触れられましたが,裁判所の判断に関する事柄については,法務大臣としてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
 一般論としては,検察官において,存在する録音・録画が犯罪の効果的な立証に必要と考える場合,録音・録画の記録媒体を実質証拠として裁判所に請求することはあるものと承知しています。

(以上)