外務省・新着情報

令和6年2月14日

 2月8日から12日まで、高村外務大臣政務官は、オーストラリア連邦(パース)を訪問しました。この訪問の概要は以下のとおりです。

1 第7回インド洋会議2024への出席

(1)インド洋会議でのスピーチ

インド洋会議における高村外務大臣政務官がスピーチを行う様子 インド洋会議での高村政務官スピーチ
ウォン豪州外相と握手をする高村外務大臣政務官 ウォン豪州外相との握手

 9日から10日にかけて、高村政務官は、インド財団主催の「第7回インド洋会議2024」に出席し、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の新しいプランについて発信しました。その中で、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取組として、インド洋地域の諸国との間で進めている法的基盤の整備を始めとする安全保障分野における協力や第10回太平洋・島サミット(PALM10)について紹介し、こうした具体的協力を通じて、インド洋地域の国々と連携を強化していく旨述べました。

(2)出席者との立ち話・懇談

高村外務大臣政務官とゴビン・モーリシャス法務長官兼外務・地域統合・国際貿易大臣の立ち話 ゴビン・モーリシャス法務長官兼外務・地域統合・国際貿易大臣との立ち話
高村外務大臣政務官とヴー・ベトナム外務省筆頭次官の懇談 ヴー・ベトナム外務省筆頭次官との懇談

 高村政務官は、スピーチのほか、次の出席者とも立ち話・懇談を行い、各国とのインド太平洋における協力等に関して意見交換を行いました。

  • マニーシュ・ゴビン・モーリシャス法務長官兼外務・地域統合・国際貿易大臣(Hon. Mr. Maneesh Gobin, Attorney General, Minister of Foreign Affairs, Regional Integration and International Trade of Mauritius
  • グエン・ミン・ヴー・ベトナム外務省筆頭次官(H.E. Mr. Nguyen Minh Vu, Standing Vice Minister of Foreign Affairs, Socialist Republic of Viet Nam Standing Vice Minister of Foreign Affairs
  • ガブリエーレ・ヴィセンティン・駐豪州EU大使(H.E. Mr. Gabriele Visentin, EU Ambassador to Australia
  • マーク・アバンスール・インド太平洋担当フランス大使(H.E. Mr. Marc Abensour, Ambassador of France for the Indo-Pacific
高村外務大臣政務官とヴィセンティン駐豪州EU大使の立ち話 ヴィセンティン駐豪州EU大使との立ち話
高村外務大臣政務官とアバンスール・インド太平洋担当フランス大使の立ち話 アバンスール・インド太平洋担当フランス大使との立ち話

【参考】インド洋会議
 インドの主要シンクタンク「インド財団」が2016年から主催している国際会議。インド洋地域の主要な国々と戦略的、経済的及び文化的な視点を通じて、安全保障や開発に関係する様々な問題について議論。今回が7回目の開催となり、今回の会議では、インド洋地域の主要な国やパートナー国と、「Towards a stable and sustainable Indian Ocean(安定した持続可能なインド洋を目指して)」を全体テーマとして議論が行われた。

2 各国政府要人との面会

(1)クック・オーストラリア連邦西オーストラリア州首相との会談

高村外務大臣政務官とクック・オーストラリア連邦西オーストラリア州首相の会談

 9日、高村政務官は、ロジャー・クック・オーストラリア連邦西オーストラリア州首相(Hon. Roger Cook, MLA Premier of Western Australia)との会談を行いました。
 高村政務官から、初めての豪州訪問に当たって、日本でも意見交換を行ったクック州首相と再会できてうれしい旨述べ、強固な日豪関係は、連邦レベルのみならず、州レベルでの経済関係や人的交流等の重層的な協力により支えられており、西オーストラリア州と更なる関係強化を図りたい旨述べました。
 これに対し、クック州首相から、高村政務官のパース訪問を歓迎するとともに、資源・エネルギー分野、重要鉱物資源のサプライチェーン構築においても、引き続き協力していきたい旨述べ、両者は、日本と西オーストラリア州との関係を一層強化すべく緊密に連携していくことで一致しました。

(2)ナラヤン・プラカシュ・サウド・ネパール外務大臣との会談

高村外務大臣政務官とサウド・ネパール外務大臣の会談

 10日、高村政務官は、ナラヤン・プラカシュ・サウド・ネパール外務大臣(Hon. Dr. Narayan Prakash Saud, Minister of Foreign Affairs of Nepal)との会談を行いました。
 高村政務官から、ポーデル大統領やダハル首相から能登半島地震に関するお見舞いのメッセージを頂いたことに改めて感謝する旨述べた上で、2025年の大阪万博、2026年の日ネパール国交樹立70周年及びネパールの後発開発途上国(LDC)卒業を見据えて、人的交流や企業間交流の更なる促進、国際機関における協力を通じて、両国間の相互理解や友好関係を更に発展させていきたい旨述べました。
 これに対し、サウド大臣から、日本による長年の支援に対して謝意が表明されるとともに、伝統的な友好関係にある両国間の協力を更に進めていきたい旨述べ、両者は、日ネパール関係とインド太平洋における協力の強化に向けて、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。

(3)ティム・ワッツ・豪州外務補佐大臣との会談

高村外務大臣政務官とワッツ豪州外務補佐大臣の会談

 10日、高村政務官は、ティム・ワッツ・豪州外務補佐大臣(H.E. Mr. Tim Watts, Assistant Minister for Foreign Affairs of Australia)との会談を行いました。
 高村政務官から、能登半島地震に関するお見舞いのメッセージを頂いたことに改めて感謝する旨述べた上で、インド太平洋地域の平和と安定に向けた取組や、脱炭素化に向けた取組、サプライチェーンの戦略的な構築により、日豪関係が一層強化されていくことを期待している旨述べました。
 これに対し、ワッツ補佐大臣から、IORA閣僚会合以来、高村政務官との再会を歓迎するともに、今回の高村政務官の豪州訪問は一層の二国間関係の強化に資するものであり、自由で開かれたインド太平洋を実現に向けて、安全保障、資源・エネルギーを含む幅広い分野において、両国間で協力していきたい旨述べ、両者は、日豪関係とインド太平洋における協力の強化に向けて、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。

(4)アン=マリー・トレビリアン英国外務・英連邦・開発省閣外大臣(インド太平洋担当)との会談

高村外務大臣政務官とトレビリアン英国外務・英連邦・開発省閣外大臣の会談

 10日、高村政務官は、アン=マリー・トレビリアン英国外務・英連邦・開発省閣外大臣(インド太平洋担当)(The Rt. Hon. Anne-Marie TREVELYAN MP, Minister of State (Indo-Pacific), Foreign, Commonwealth & Development Office of the United Kingdom)との会談を行いました。
 高村政務官から、スナク首相やキャメロン外相から能登半島地震及び羽田空港の事故に関するお見舞いのメッセージを頂いたことに改めて感謝する旨述べるとともに、チャールズ国王陛下の早期回復をお祈りしたい旨述べた上で、自由で開かれたインド太平洋の実現という日英共通の目標に向けて、両国で連携してきたい旨述べました。
 これに対し、トレビリアン閣外大臣から、日英部隊間協力円滑化協定(RAA)の署名と発効やグローバル戦闘航空プログラムに関する進展を始めとする安全保障面での協力、英国のCPTPP加入に向けた進展に言及しつつ、これまでの充実した二国間関係を歓迎するとともに、国際場裡においても引き続き協力を深めていきたい旨述べ、両者は、日英関係とインド太平洋における協力の強化に向けて、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。

(5)シェリア・アブドゥル・サマド・モルディブ外務担当国務大臣との会談

サマド・モルディブ外務担当国務大臣との会談

 10日、高村政務官は、シェリア・アブドゥル・サマド・モルディブ外務担当国務大臣(H.E. Ms. Sheryna Abdul Samad, State Minister for Foreign Affairs of the Republic of Maldives)との会談を行いました。
 高村政務官から、モルディブは「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた重要なパートナーであり、自らも昨年11月の大統領就任式に出席するため訪問し、ムイズ大統領を始めとする政権幹部と会談できたことは貴重な機会であった旨述べるとともに、長年にわたる二国間の友情を一層深化させるべく、引き続きモルディブとの協力の強化に貢献していきたい旨述べました。
 これに対し、サマド国務大臣から、日本による長年の支援に対して謝意が表明されるとともに、両国の特別な二国間関係を更に発展させてきたい旨述べ、両者は、日モルディブ関係とインド太平洋における協力の強化に向けて、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。

3 視察、意見交換

(1)クイナナ地区視察

高村外務大臣政務官のクイナナ地区視察

 9日、高村政務官は、岩谷オーストラリア会社が100%出資する Doral Fused Materials社の電融ジルコニア工場及びコバルト精錬施設建設予定地を視察しました。西オーストラリア州は鉱物資源が豊富で、我が国のサプライチェーンにおいて重要な役割を果たしています。

(2)スターリング海軍基地

高村外務大臣政務官のスターリング海軍基地視察

 9日、高村政務官は、豪州海軍の主要基地の一つであるスターリング海軍基地を視察しました。スターリング海軍基地は、インド洋に面する豪州西側に位置し、インド太平洋の地政学上、重要な役割を果たしています。

(3)ヤンチェップ地区視察

高村外務大臣政務官のヤンチェップ地区視察

 11日、高村政務官は、東急株式会社が100%出資するヤンチェップ・サン・シティ社が開発を進めているヤンチェップ地区を視察しました。当該地区は、パースから北へ50kmの海岸沿いに位置し、クリーン・グリーン・サスティナブル・シティのコンセプトの下、都市開発を進めています。豪州の住宅不足への解消にも貢献しています。

(4)現地日系企業関係者/在留邦人との意見交換

高村外務大臣政務官の現地日系企業関係者/在留邦人との意見交換

 11日、高村政務官は、日系企業関係者や在留邦人と面会し、西オーストラリア州でのビジネスの現状や日豪経済関係の今後の展望等について意見交換を行いました。


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