経産省・新着情報

2023年12月22日(金曜日)
10時56分~11時08分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

原子力災害本部決定、サウジアラビア出張

おはようございます。
初めに私から2点申し上げます。

1点目ですが、本日原子力災害対策本部を持ち回りで開催しまして、東京電力の賠償等のため、原子力損害賠償・廃炉等支援機構に対して発行する交付国債について、その発行限度額を1.9兆円追加し、合計で15.4兆円とすることを決定いたしました。
政府といたしましては、今後賠償等の費用の増加が見込まれる中、東京電力が被災者や地元にしっかりと寄り添い、その責任をしっかりと果たしていくことが重要だと考えています。本日の決定もこれら東京電力の賠償等の取組に万全を期すためのものであり、令和6年度予算案に反映する予定です。
また、この決定も踏まえまして、本日東京電力の小林会長と小早川社長に対して私からも迅速かつ適切に賠償を行うこと、その資金捻出のために不断の経営改革に取り組むこと、これらをしっかりと求めたいと思っています。
福島の復興は経済産業省の最重要課題であり、私自身今後も全力で取り組んでいきたいと思っています。

それから、2点目です。
明日12月23日から26日まで、日・サウジエネルギー協議の開催や日・サウジ・ビジョン閣僚会合出席等のため、サウジアラビアに出張をいたします。
サウジは我が国の原油輸入の4割を占めるエネルギー安全保障上の重要国です。今回の出張では閣僚会合やバイ会談等を通じまして、国際原油市場安定化に向けた働きかけを行うとともに、脱炭素分野を含むエネルギー協力の推進、重要鉱物サプライチェーンの強靱化、日本企業の現地進出支援や対日投資促進に向けた議論を行ってまいります。
あわせて、ビジネス投資フォーラムの開催を予定しております。医療、ヘルスケア、水、宇宙等の新たな分野における両国企業間の協力が進むことを期待しております。
本年7月には岸田総理がサウジアラビアを訪問され、日本とサウジアラビアの経済関係は新たな段階へと進みました。今回の訪問ではこうした成果の上に日本とサウジアラビアの関係を更に強化をしていきたいと考えております。

私からは以上です。

質疑応答

ダイハツ工業不正事案

Q:ダイハツ工業の型式指定申請で新たな不正が見つかり、国内外で生産している全車種の出荷が停止される事態になりました。短期間で開発を行うことへのプレッシャーが背景にあったとされていますが、大臣の受け止めをお聞かせください。また、生産停止で影響を受けるサプライヤーなどの取引企業に対しどのような支援を講じていくお考えでしょうか、よろしくお願いします。

A:一昨日、20日ですが、ダイハツ工業から公表があった型式指定申請における不正行為は、自動車ユーザーの信頼を損なうと同時に販売店やサプライヤーなどにも広く影響を及ぼすものであり、極めて遺憾であります。
経済産業省は、同日ダイハツに対しまして顧客、取引先への適切な対応、原因究明、再発防止策の実施等を指示しました。第三者委員会においても最大の原因が過度な短期開発にあったとされていることも踏まえまして、経営問題として速やかに厳正な対応を頂きたいと思います。
また、ダイハツの生産停止により影響を受けるサプライヤーへの対応につきましては、まずダイハツにおいて取引先への説明会の開催、個別相談への対応を含めしっかりとした対応をお願いしたいと思います。
経済産業省といたしましても、ダイハツの工場が立地する地域を管轄する近畿経済産業局及び九州経済産業局におきまして、来週にも相談窓口を設置したいと思います。
加えまして、サプライヤー等への影響調査も速やかに行って、その結果を踏まえて必要な対策を講じてまいりたいと考えております。

AI安全性評価機関設置

Q:21日に岸田首相がAIの安全評価機関を国内に設置することを表明されました。設置場所が経済産業省傘下の情報処理推進機構になるとの報道もありますが、事実関係はいかがでしょうか、また事実であれば所管大臣としての受け止めと狙いについて教えてください。

A:確かに報道はございました。本日我が国のAI政策の相互調整を担う立場にある高市科学技術政策担当大臣からも御発言があると承知しておりますが、昨日のAI戦略会議における岸田総理の御指示を踏まえて、内閣府をはじめとする関係省庁、関係機関の協力の下に、情報処理推進機構にAIセーフティ・インスティテュートを設置することといたしました。
米国AI大統領令や英国AI安全性サミットを始め、国際的にAI安全性に対する認識が高まる中、この機関を中心に米英等の同等の機関との連携を通じて安全性評価に関する調査や基準の策定等を行い、我が国におけるAI安全性評価の確立を目指していきたいと考えています。
内閣府と緊密に連携しながら、情報処理推進機構だけでなく、産業技術総合研究所において培った知見や国内外のネットワークも駆使して積極的に貢献していきたいと考えています。

日本製鉄のUSスチール買収事案

Q:日本製鉄、USスチールの買収案件についてお伺いします。
日本時間の朝、ホワイトハウスの国家経済会議委員長が日本製鉄によるUSスチールの買収計画については厳格な精査が必要という声明を出されました。これについて大臣としての受け止めとお考えをお伺いさせてください。

A:御指摘の米国国家経済会議議長による声明につきましては、もちろん承知をいたしておりますが、日本製鉄において必要な手続にしっかりと対応することが必要であると思います。
個別の企業の経営に関する事案でありますので、今申し上げた以上のコメントは差し控えたいと思っていますが、いずれにしましても日米同盟はかつてなく強固になっておりまして、日米はインド太平洋地域の持続的、包摂的な経済成長の実現、ルールに基づく自由で開かれた経済秩序の維持、強化、経済安全保障分野における協力等において引き続き連携をしていくことが大事だと思っています。

ロシア兵器への日本製部品利用

Q:ウクライナ政府がロシアの兵器の部品を調べたところ、その一部に日本製の集積回路とかカメラが使われているという分析結果を先日公表しました。これに対する受け止めと経済産業省としての対応についてお伺いさせていただきます。

A:まず、御指摘のような報道等があることはもちろん承知をいたしておりますが、事は安全保障に関わることでもありますし、個別案件に関するものでもありますので、回答は差し控えたいと思います。
ただ、一般論として申し上げれば、御指摘のような部品はその仕様・性能上、外国為替及び外国貿易法の規制対象に該当する場合がありまして、そのような部品を輸出する際には許可の取得が必要であるということでありますし、また仕様・性能上は規制対象に該当しないという場合でありましても、輸出時点で大量破壊兵器等の開発、製造等に用いられるおそれがあることを輸出する者が認識をしているという場合には、いわゆるキャッチオール規制による許可を取る必要があります。
軍事転用を未然に防いで国際社会の平和及び安全の維持を期する観点からは、引き続き厳格に輸出管理を実施していかなくてはいけないと思っています。また、輸出者にも実質的な輸出管理の取組を促すとともに、輸出者からの相談にも丁寧に対応していきたいと考えています。

以上

最終更新日:2023年12月22日

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