厚労省・新着情報

日時

令和5年10月11日(水)15:00~17:00

場所

AP新橋 Kルーム

議題

  1. 1.中間とりまとめ(案)について
  2. 2.これまでの議論の整理等について

議事要旨

      
はじめに
○ 製造業支援の観点から、経済産業省がオブザーバーとして出席した。

議題1  中間とりまとめ(案)について
○ 資料1及び2について事務局から説明があり、構成員からの主な意見・質問は以下のとおりであった。
・ 特に品質や品質管理に関わる不祥事で回収を行った事例、ジェネリック医薬品品質情報検討会の情報、一斉収去の情報も対象としてはどうか。
・ 低い評価のジェネリックが例えば安い値段になって、基準を超える評価の企業のジェネリックが高くなるというと、結局DPCなどの中ではより安価な薬剤を使いたいというふうに医療機関がなると、評価が悪くて値段が下がった薬のほうが、結果的には価格として有利に働くようにもしなってしまうのであれば、目指している方向性と逆の方向になってしまうので、薬価というものの考え方が、企業側から見たときとユーザー側から見たときでそれぞれの意味があるので、出口側をしっかりと検討する必要があるのではないか。
・ 例えば、いわゆるデビエーション、逸脱、要はトラブルの件数を数字で管理し始めると、件数は減っているが、実際は報告していなかっただけとか、ゴールポストを動かして数を減らすといったことがないよう、数値的な基準ではなくて、もう少しきちんと評価ができるような基準づくりがこの施策のキーになると思うので、しっかりと御検討いただきたい。
・ 余剰生産能力の確保について、製造業にとっては、余剰生産能力を確保することはコストがかかるため、効率性をよくしていこうという今回の議論の流れとは逆行し、余剰製造能力の確保を指標として落とし込むのが難しいのではないか。例えば、今まで設備投資をどれだけしっかりやってきて、製造に係る効率性を上げてきているかといったところの評価というのは一つのやり方としてはあるではないか。
・ 現状、こういった形で情報提供を関係者にしています、ということに加えて、例えば、共同開発の有無などに関しても、あります・ありません、件数だけということではなくて、こういった形で共同開発を用いています、といったことまで開示するようなインセンティブを付与するのか、あくまで決められた項目だけ開示されれば、あとはその内容によって点数をつけるのか、開示する情報の内容自体の善し悪し等に加えて、こういった情報開示の制度というのは開示をするということに対する評価というところがあると、より充実した制度になるのではないか。ただし、実際にどういうふうにそれを評価するのかというのは非常に難しいので、実際に運用されていく中でそういったものも情報開示が不十分だとか、実際に蓋を開けてみたら全然違うことを開示していた、実は隠していることがたくさんあったということがもし出てくるようであれば、この視点も大事になってくるのではないか。
・ 数字を追うことが目的化してしまうことがないよう、実際に数値を公表させるだけではなくて、例えば抜き打ちの検査など、何かしらプレッシャーをかけていくようなやり方を運用とセットで考えてはどうか。
・ 公表制度において、バイオシミラーを対象外とはしていないと理解した。
・ 可視化する情報の公表方法について、例えばPMDAサイトのように比較できるような形で1か所にまとめるといった方法についても検討した方がよい。
・ モニタリングの方法や議論の場をどのように考えているのか。
・ 共同開発については、必要に応じて議論するということで理解した。
・ 中間とりまとめの最終ページの4.のその他に、AGとサプライチェーンの強靱化と品質管理の在り方が議題項目としてあるため、品質管理の在り方も明示したほうがいいのではないか。
・ 安定供給に係る責任者の指定について、具体的にどういう形の仕組みで、どういう形で指定され、どういう責任を負うことを想定しているのか。
・ 実際に品目を統合した場合に、医療機関まで届けるところの間に卸が必ず入ると思うが、その川下の部分でボトルネックがないのかというところは、今後確認したい。

○ 公表に向けた中間とりまとめの最終調整は座長預かりとなった。

 
議題2  これまでの議論の整理等について
○ 資料3について事務局から説明があり、構成員からの主な意見・質問は以下のとおりであった。
・ 本検討会において検討すべき論点で一番大事なのは、後発医薬品産業の在るべき姿の明確化と理解している。例えば、新薬系メーカーなどもジェネリックを作っているので、いろいろな企業がどんなことを考え、あるいは製薬産業の中で産業界自身が自分たちの将来像をどう考えているかという意見を聞いてみたい。
・ バイオシミラーは、後発医薬品の内用薬とはまた違った製造販売の管理の限界があると感じている。
・ 後発品自体が開発されていない医薬品について、開発がされてこない背景、例えば薬事の生物学的同等性がなかなか標準的な方法でできないからなのか、それとももう薬価が5掛けだから、専用ラインを作るのが難しい、という話なのか、どこがネックになっているかというところはわからないが、幾つかのメーカーから後発医薬品が出てくるようになればいいなと考える。
・ ジェネリックメーカーも企業なので、品質管理といったものを担保していくと、現状を鑑みると人件費などがかさんでくる。薄利で利益がないところであっても、品質を高める・維持するというのはもちろんやるべきことなので、やっていく。そうすると今度はどうしても会社のPLを圧迫するというところで、企業経営の面も見た上で品質管理などをモチベートさせていくというところのバランスも考えるとベストである。
・ 特に高分子、中分子は国内ではできにくいという事情があり、今後、人材育成、テクニシャンの方は大学にいらっしゃるぐらいで、実際に製造の現場でテクニシャンとして生計を立てられるような職種がそもそもないという状況であるため、低分子以外のところでスキルを持った人材をどうやって育てていくのか、企業が投資できるように仕向けていかないと難しいと考える。
・ 今、品質問題という原因と結果がつながってきている中で、価格とコストと品質というのは連動するものなので、どこが許容できるかどうかということも議論にはなるのではないか。
・ 品質管理以外の部分での無駄があるのではないか。もちろん、品質をないがしろにしてまでの競争になるようなことになってはいけない。
・ 一言で品質管理や品質問題と言っても、幾つかの視点があると思うので、過度なものを要求しないということがより産業界として製造や流通の安定化につながるなら、そういうものは求めないほうがいいとは思うが、譲れない部分や生物学的同等性の部分というのはあるのではないかなと思うので、きちんと分けて議論しなくてはいけない。
・ 品質とコストのバランスという中で、複数の事業者での製剤のやり取りみたいなところでもう少しロット感を大きくしてコストを下げていくというところが長期的にはできると思うが、より短期的には何らか薬価等でもサポートしないと、インフレで金利も上がっている中でなかなか厳しい状況にある。
・ 安定供給ということを考えると、特にバイオシミラーについては、供給量がちゃんと確保できているのかといった国としてのリスクマネジメントの観点からも、サプライチェーンのどういうところに弱点があるのかというのはきちんと把握しておく情報だと考える。 
 
おわりに
○ 事務局から、第5回は11月13日(月)15時を予定していることを案内し、散会となった。

発信元サイトへ