経産省・新着情報

2023年11月28日(火曜日)
8時39分~8時50分
於:衆議院内議員食堂

冒頭発言

価格交渉促進月間フォローアップ調査結果

おはようございます。
私から直近の9月の価格交渉促進月間の調査結果を速報版として公表します。
まず、パネル1で価格交渉についてです。発注企業からの申出により交渉が行われたというのが6.7%増えて14.4%になっておりますが、およそ倍増しているということが一つ。それから、交渉を希望したができなかった企業が10%近く減っているということです。さらには価格交渉を不要と考える企業が増えたということで、この三つからそれなりに価格交渉が行われている、しやすい雰囲気が徐々に醸成されてきたとものと考えています。
他方、二つあって、一つはここです。コストは上昇したけども、交渉が不要とのことです。これは交渉資料を準備できないということで、本来なら機動的に価格交渉したいが、できないという方も残っているということです。
ですから、全体としては価格交渉を行われなかった割合が減った、コストを上昇せずに不要だったというところが増えていますので、それなりに交渉は進んできていて、機運は醸成されてきていると思いますが、一部にやはり準備ができていなかったなどの理由があるということです。
また、価格転嫁の転嫁率が45.7%ですので、ちょっと微減なのですが、横ばいということ。それから、全く価格転嫁できなかった、あるいは減額がちょっと減っているということ。こうした点からも価格転嫁の裾野は広がりつつあるのではないかと思いますが、さらに転嫁率をしっかり上昇させていくことが重要だと思っています。
そして二つ目のパネル。各業種の価格交渉と転嫁の割合ですが、価格交渉が行われたが全く転嫁できなかった企業の割合が非常に高く、全平均で11%ですが、通信、放送コンテンツ、トラック運送業では2割以上、3割近い企業が転嫁できなかったということで、労務費の割合が高い企業や重層的な下請構造で個人事業主も多い業種の構造的な課題があるということだと思います。
今後、こうした業種を中心に下請Gメンによる重点的な調査、ヒアリングなどを行ってまいります。業界全体の取引適正化を徹底していきたいと思いますし、人件費が上がってきている、賃上げをしていかなければならない中で、この価格転嫁については、内閣官房、公正取引委員会が近く示す労務費の指針を、経産省としても広く周知して、取引現場での活用を促し、広がっていくように徹底していきたいと思っています。
これを踏まえて今、更に調査内容を精査しておりまして、来年1月には発注側の評価を載せた企業リストを公表したいと思います。評価が芳しくない企業の経営トップには、下請Gメンなどの調査も踏まえながら所管大臣の名前で指導、助言を行っていきたいと思います。
また、事業協同組合などを通じて交渉力を高めていくその手段として、団体協約の活用も促していきたいと思います。これも国会でも指摘をされました。1社ではなかなか交渉しづらいものを団体で取り組んでいくということであります。
いずれにしましても、中小企業の皆さんが人手不足を乗り越えていくにはやはり賃上げも行っていかなければなりませんし、そのためには価格転嫁に徹底して取り組んでいきたいと思います。企業ごとに取引の状況、調査結果を来年1月には公表したいと思いますし、下請Gメンのヒアリングを公正取引委員会とも連携して更に進めていきます。しっかりと価格転嫁が進むよう取組を進めたいと思います。
労務費の交渉の指針も来春に向けて出ますので、中小企業の皆さんには思い切って価格転嫁の交渉を申し出ていただきたいと思いますし、我々全面的にサポートしていきたいと考えています。
私からは以上です。

質疑応答

COP28

Q:今月末からドバイでCOP28が開幕します。過酷なエネルギー事情が異なる中で、どのように脱炭素の取組を加速するか、また、去年設立が決まった基金も含め、新たな資金面の措置などについて、大臣の見解や期待をお聞かせください。

A:今年はいわゆるグローバル・ストックテイクが行われる節目の年で、取組の状況を確認する最初の年になります。今後は5年に一度、これが行われることでありますが、その最初の節目の年であります。日本としては排出削減と、それから経済成長、そして今御指摘のありましたエネルギーの安定供給について、国際情勢、非常に不安定な中ではありますけれども、この三つを同時達成していくということの重要性をしっかり訴えていきたいと思いますし、その関連で各国の事情に応じた多様な道筋の下で世界全体で脱炭素化を進めていくという取組に貢献していくことをしっかりと発信していければと思います。
特に今後、世界で最も成長すると言われている成長著しいアジア諸国に対して、省エネ、再エネ、バイオ、水素、アンモニア、CCUS、こういったあらゆる技術を活用して各国の事情に応じた多様かつ現実的な道筋による、言わば事情に応じたエネルギーのトランジション、移行を支援していきたいと思います。
昨晩もベトナムとの間でエネルギー移行に関する協力について覚書を結んだところです。日本としてこれまで各国との間で、タイ、インドネシア、ラオスとも結んできておりますし、アジアの国々のエネルギートランジション、移行をしっかりと支援をしていきたいと思っています。
COPの議長はUAEのジャーベル大臣で、私にとっては毎日のように意見交換している盟友と言ってもいいと思いますけれども、UAEは産ガス国、産油国であるがゆえに、これまでも熱心にこうした新しい技術、エネルギーの開発、研究開発に取り組んできています。そういう意味で、今回も是非ジャーベル議長にリーダーシップを期待したいと思いますし、彼は行動し成果を出すということをスローガンに掲げていますので、COPを通じて世界全体のカーボンニュートラルに向けた具体的な成果につながることを期待したいと思いますし、日本としてもしっかり貢献していきたいと考えています。

外形標準課税

Q:現在議論されている外形標準課税の適用のくだりについてなんですけれども、資本金と資本剰余金の合計で50億円超の企業を対象とするという総務省案が一部で報道されました。この案に対する所感と、改めて外形標準課税に対する経産省としてのお考えをお聞かせください。

A:外形標準課税については、様々な観点からの議論が今、行われております。経産省としては、大企業が減資や分社化によって外形標準逃れを行うことへの対策は必要だということです。ただ、この対策を講じるに当たって、これとは全く関係のない一般の中小企業であるとか、スタートアップ企業であるとか、ここまで影響が及ぶという見直し案については、中小企業政策、スタートアップを育てていく観点から望ましくないという考えを持っております。中小企業団体からも総務省案に対して懸念の声が上がっているものと思います。私もこの前、何度か鈴木総務大臣にもこうした経産省の考えを伝えてきております。今後、具体的な見直しの内容については、与党税調において議論がなされていくものと思いますけれども、是非経産省としてもこうした考え方を伝えながら、議論に貢献をしていきたいと考えています。

以上

最終更新日:2023年11月28日

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