経産省・新着情報

2023年8月25日(金曜日)
10時45分~10時58分
於:本館10階記者会見室

質疑応答

GX予算

Q:2024年度の予算の概算要求で、GX分野で複数年度にわたって2兆円超を求める案が示されましたが、これについて、従来の単年度ではなく、複数年での予算が認められることによって、どのような事業支援が可能になると考えられるのか、お考えをお聞かせください。お願いします。

A:はい。おはようございます。
今、GX予算についての複数年度要求について御質問がございました。
まず、GX、グリーントランスフォーメーションを実現していくには、大規模かつ何年かにわたって中長期的な投資が不可欠であります。そして、事業者の思い切った大胆な投資を引き出していくことが極めて重要であります。
規模も大きいし、長年にわたる投資が必要になってくるということから、従来の単年度主義での予算措置では、その1年分しか国はコミットできないということで、企業がなかなかこの不確実性もあるGX投資に思い切った投資判断ができないということが考えられます。
このため、予算要求に当たりましては、いわゆる国庫債務負担行為を活用して、国が複数年度にわたってコミットする、約束をする、そうした予算措置を可能とすることで、特に、多排出産業が大きな投資でそもそも製造プロセスから変えていくという、何年かにわたって大胆な投資をする、そうしたプロセスの転換などですね、企業のGX投資を強力に引き出していければと考えております。
あわせて、いわゆる今回法律で成立いたしました成長志向型のカーボンプライシングという構想の中で、当初はこの炭素価格、カーボンプライシングは、低く設定をして、低い負担から徐々に引き上げていく方針、これをあらかじめ明示することで、早期にこのGXに取り組んだ企業ほど負担が少なくて済むということですので、こうした制度とあいまって、企業のGX投資を早期に前倒しで実現をしていければと考えております。

中国水産物輸入停止措置

Q:昨日の中国による日本の水産物の全面輸入停止につきまして、改めて日本の対応策など、大臣のお考えをお聞かせください。
また、大臣が今後中国側と直接対話される必要があるのではと考えますが、そういった御意思や予定はございますでしょうか。

A:中国政府による決定は、我が国として断じて受け入れられるものではありません。科学的根拠に基づいて、この即時撤廃を求めているところであります。
昨日開催されたG20の貿易・投資大臣会議におきましても、日本政府として中国側に対して、この24日に発表された輸入規制措置の即時撤廃を求めたところであります。
今回、私、国内にいなければならないという判断でG20には出席できませんでしたけれども、今後も様々な機会がありますので、中国側には私自身からも強く求めていきたいと考えております。
いずれにしても、今日夕方から昨日採取した水質のデータも出ますので、そうしたデータを毎日透明性高く公表することで、科学的根拠に基づいて我々行動していきますので、そうした根拠のない輸入規制などについては、即時撤廃を政府一体となって、一丸となって、強く求めてまいります。

燃料価格激変緩和措置

Q:燃料価格の激変緩和措置、いわゆるガソリン補助金についてお尋ねします。
ガソリン価格の高騰を受けて、先日岸田総理が与党に対策の取りまとめを指示しました。現在検討中ということですけれども、この補助金の延長や拡充について、大臣の現時点でのお考えをお聞かせください。
もう1点関連で、補助金の出口戦略についてもお尋ねします。
円安と原油高の影響で、その補助金なしではガソリン価格がなかなか下がりづらい状況が続いていると思います。この補助金の出口、つまり、ガソリン価格が幾らぐらいなら補助金をやめられるのか、少し先の話かもしれませんけれども、例えばトリガー条項を発動するなどの選択肢というのはあり得るんでしょうか。

A:はい。まず、燃料油の激変緩和事業ですけれども、急激に高騰しましたので、それによる国民生活、経済活動への影響を緩和するために、実施をしてきたところであります。
ウクライナ侵略などによって高騰した原油価格でありますが、直近では、制度開始前の水準まで戻ってきたことから、昨年10月の経済対策において、今年9月末までの措置ということで方針を決めたところです。6月以降、原油価格の動向を見極めつつ、段階的に補助を縮減してきました。
足元、8月21日時点でも、補助がなければ196円程度になるガソリン価格を、184円程度に抑えているところです。しかしながら、ここに来て産油国の自主減産、それから、御指摘の為替の動向もあいまって、ガソリン価格は過去最高水準、2008年8月の185円に近付いてきております。
私自身も地元、あるいは各地域を訪れる度に、特に地方の方々からはですね、やはり公共交通機関が限られている中で、車社会でありますので、このガソリン価格の高騰が非常に負担になっているという声を聞いているところであります。そうした中で22日、岸田総理から与党に対しまして、こうした影響を踏まえて、ガソリン油を始めとする燃料油価格対策について緊急に検討を行い、月内に与党として一定の方向性を提案するようにという指示があったところです。
今後の対応に当たっては、正に与党とよく連携した上で、国民の皆様が効果を実感できるように、負担軽減を実感できるような、そうした必要な措置を急ぎ検討していきたいと考えております。
そして、長い目で見れば、これはG7でも議論になりましたけれども、やはりこの支援、補助はなくしていくというのが大きな方向性ではあります。全体として省エネ型の燃費のいい車あるいは電気自動車、水素自動車という新たな自動車、そして社会全体として省エネルギーに取り組んでいくということで、様々な省エネの予算も措置をしているところです。
エネルギー危機に強い構造を社会全体、経済全体で作っていくことが大事だと思います。この何年かのうちに、そうした構造をしっかりと築いていきたいと思いますし、トリガー条項につきましては、様々な論点があります。買い控えがあったりもしますし、地方税収の大きなウエートを占めていますので、それをどうするかといった議論もあります。
引き続き与党、そして野党も含めて、3党間で議論を継続していくことになっていると思いますので、そうした議論も踏まえながら、長い目で見てどういうふうにしていくのか、引き続き私どもとしてもしっかり考えていきたいというふうに思います。

ALPS処理水

Q:改めてになってしまうのですが、昨日、処理水の放出が行われたことについて、一夜明けての受け止めを頂くことはできますでしょうか。

A:はい。私も、この大震災があった年、野党ではありましたけれども、野党・自民党の経産部会長でありましたし、経産委員会の野党の筆頭理事でもありましたので、当初からこの東京電力福島第一原発事故に関わってきた一人であります。
そのときから12年余りを経て、廃炉に向けての作業が着実には進んでいるんですけれども、やはり福島復興のためには、この廃炉を完遂しなければならない。そして、廃炉を完遂するには、もういっぱいになった1、000基を超えるタンクをどうしても処分しないと機材の搬入など支障が生じるということになりますので、そのためにも、このALPS処理水の処分は避けては通れない課題ということで、この間、有識者も含めて様々な議論が行われてきたわけでありますが、今般、漁業者の皆さんとも意見交換を重ねる中で、一定の理解を得たという判断に立って海洋放出を開始することを決定したわけでありますし、その直前には、安全性についても東電が確認し、原子力規制庁にも最終確認をし、またIAEAも独自に検査も行って安全性を確認した上で放出を開始いたしました。正に廃炉に向けて大きな一歩を踏み出したということであります。
ただ、漁業者の皆さん、不安は大きいものがあると思いますので、一つには、今日夕方から公表するデータをしっかりと毎日透明性高く内外に発信をしていくということ、そして、風評が生じないように、私ども様々な努力をしていきたいと思いますし、先ほど、中国にも即時撤廃を求めたということを申し上げましたけれども、消費拡大あるいは販路開拓・拡大に向けて、もう一段取組を強化していきたいというふうに思っております。
もう既に1,000社以上の企業が、三陸・常磐ものネットワークに参画をしてくれて、社内食堂などで三陸・常磐ものの取扱いを増やしてくれておりますが、さらに経済界、知事会の村井知事とも話しましたし、昨日は鈴木委員長ともお話しして消費拡大に向けて協力をお願いしたところですけれども、経済界にもお願いをしていきたい。流通業界には既にお願いしたところです。そうした取組を重ねていきたいと思いますし、本日、閣僚懇談会で私から閣僚の皆さんに、是非先頭に立ってこの消費拡大に取り組んでいただきたいというお話を要請させていただきました。それぞれの省庁で取組を拡大してくれると期待をしております。経産省としても、しっかり取り組んでいきたいと考えております。
いずれにしても、漁業者の皆さんに寄り添いながら、なりわいが継続していけるようにしっかりと支援を、これは総理が言われたように、全責任を持って取り組むということでありますので、しっかりと寄り添いながら対応していきたいと考えております。そして、廃炉を着実に進めて、福島の復興もしっかりと実現していきたいと考えております。

以上

最終更新日:2023年8月25日

発信元サイトへ