外務省・新着情報

令和5年7月18日
  1. ロシアによるウクライナ侵略がグローバルな食料安全保障を悪化させる中、国連、トルコ共和国、ウクライナ及びロシアの4者の合意の下、黒海を通じてウクライナからの穀物輸出を行ってきた黒海穀物イニシアティブに関し、国連及びトルコによる懸命な仲介努力にもかかわらず、7月17日、ロシアが参加を終了し、黒海穀物イニシアティブが終了することとなりました。ロシアによる参加終了の決定は極めて遺憾であり、これを非難します。今回のロシアの決定がもたらす負の影響は、ロシアが最終的な責任を負うことになります。
  2. 黒海穀物イニシアティブは、昨年7月の発足以来、これまで3,200万トンを超える穀物等をいわゆる「グローバル・サウス」と呼ばれる国々を中心とした食料を必要とする国や地域に届け、食料価格の安定や世界の食料安全保障に貢献してきています。
  3. これまで黒海穀物イニシアティブの継続・実施のため精力的に取り組んできた国連・トルコの努力を評価しています。引き続き、両者の取組を注視し、後押ししていきます。また、我が国は、本年5月のG7広島サミットにおいて、G7各国及び招待国と共に「強靱なグローバル食料安全保障に関する広島行動声明」を発出し、黒海穀物イニシアティブについて、その最大限の能力での円滑な実施を必要な限り継続し、完全履行することを求めています。引き続き、G7を始めとする国際社会と連携しながら、ロシアが国際的な枠組に復帰し、ウクライナからの穀物輸出が再開されるよう強く求めていきます。
  4. なお、我が国は、国際機関を通じて、ウクライナからの穀物輸出促進や、食料不足に直面する中東・アフリカ地域等における食料関連支援等を実施してきたほか、ウクライナから穀物等食料を陸路で輸送するEUの「連帯レーン」の取組を支持しています。
  5. 我が国は、今回のロシアの決定が世界の食料供給にもたらす影響を注視するとともに、途上国における飢餓の拡大など、脆弱な方々への影響が生じないよう、今後とも、国際社会と連携しながら、ウクライナからの穀物輸出や世界の食料安全保障の確保に貢献していきます。

発信元サイトへ