外務省・新着情報

令和5年7月14日
ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合に林外務大臣が出席している様子
ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合で林外務大臣が着席している様子
ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合が行われている様子

 現地時間7月14日午後3時25分(日本時間午後5時25分)から約3時間20分間、インドネシアの首都ジャカルタにて、第30回ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合が開催され、林芳正外務大臣が出席したところ、概要以下のとおりです。

1 冒頭・地域情勢

 林大臣から、インド太平洋地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中での、ARFの重要性の高まりに触れ、引き続きASEAN一体性と中心性を支持しつつ、ASEANとの協力を強化していく考えを表明した上で、概要以下を発言しました。

  1. ロシアによるウクライナ侵略を厳しく非難する。ロシアによる核の威嚇は断じて許されず、ましてやその使用はあってはならない。ウクライナの領土からの露軍の即時、完全、かつ無条件の撤退を求める。
    (他の参加メンバーからは、ウクライナ情勢に関する深刻な懸念の表明、ロシアによるウクライナ侵略の非難、露軍の撤退を求める旨等の発言がありました。)
  2. 力による一方的な現状変更の試みは、世界のどこであれ決して認められず、東シナ海及び南シナ海における力による一方的な現状変更の試みに強く反対する。南シナ海に関する行動規範(COC)は、全てのステークホルダーの正当な権利や利益を尊重するものとなるべきである。2016年の比中仲裁判断は最終的で、紛争当事国を法的に拘束する。台湾海峡の平和と安定は地域・国際社会にとって重要である。
    (他の参加メンバーからは、南シナ海における状況への懸念、航行・上空飛行の自由の重要性、国際法に沿った紛争の平和的解決の重要性、台湾海峡の平和と安定の重要性、緊張の高まりへの懸念等について発言がありました。)
  3. 12日の北朝鮮によるICBM級弾道ミサイルの発射は国際社会の平和と安全を脅かすものであり強く非難。また、北朝鮮の今回の発射について重大な懸念を表明するASEAN外相声明が昨日発出されたことを歓迎。日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指す方針に変わりはない。岸田総理は、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意であると累次の機会に述べてきている。完全な非核化に向け、北朝鮮が関係国との実質的な対話を再開するよう求める。
    (他の参加メンバーからは、北朝鮮の挑発行動への懸念、朝鮮半島の非核化及び安保理決議の完全な履行の重要性等に関する発言がありました。また、拉致問題の解決に向けた取組を支持する旨発言がありました。)
  4. 悪化の一途を辿るミャンマー情勢を深刻に懸念する。ミャンマー国軍に対し、暴力の即時停止、被拘束者の解放、民主的な政治体制の早期回復につき具体的な行動を取り、「5つのコンセンサス」を早期に履行することによって、平和的な問題解決に真剣に取り組むよう、引き続き強く求める。
    (他の参加メンバーからは、ミャンマー情勢につき深刻な懸念が表明され、「5つのコンセンサス」の早期履行の重要性が強調されました。)
  5. 厳しい安全保障環境においてもなお、「核兵器のない世界」に向けて、着実に歩みを進めていかなければならない。NPTは、核軍縮を追求するための基礎。引き続き「ヒロシマ・アクション・プラン」に沿って現実的かつ実践的な取組を進める。核戦力の透明性の向上に向け、中国が核兵器国と核兵器国として、また、国際社会の重要なプレーヤーとしてのして、また、国際社会の重要なプレーヤーとしての積極的な役割を果たすことを期待する。さらに、より広範な国家、より広範な兵器システムを含む幅広い軍備管理枠組みに向けた対話が行われることを強く期待する。

2 結語

 最後に、林大臣から、30回目を迎えたARFはこれまで多くの成果を積み重ねてきた旨述べつつ、日本として引き続き貢献していきたい旨述べました。


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