外務省・新着情報

北朝鮮による拉致問題(日朝ハイレベル協議)

【読売新聞 谷川記者】北朝鮮による拉致問題をめぐって、日本政府と北朝鮮の当局で、水面下で接触しているとの報道もありますけれども、事実関係いかがでしょうか。また、岸田総理、首相直轄で対応する考えを示されていますけれども、今後、どのように対応されているのか、お聞かせいただければと思います。

【小野外務報道官】北朝鮮への働きかけに関する具体的な内容などは、今後の交渉に影響を及ぼすおそれがあるために、明らかにすることは差し控えたいと思います。
 その上で、我が国の北朝鮮への対応に関しては、5月27日に開催された国民大集会で、総理が述べられたとおりです。
 すなわち、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の実現を目指すが、とりわけ、拉致被害者御家族も御高齢となる中で、時間的制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人権問題である。引き続き、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、全力で果断に取り組んでいくというものです。
 その上で、総理は、日朝間の懸案を解決し、両者がともに新しい時代を切り開いていくという観点からの総理の決意を、あらゆる機会を逃がさず、金正恩(キム・ジョンウン)委員長に伝え続けるとともに、首脳会談を早期に実現すべく、総理直轄のハイレベル協議を行っていきたいと考えていると述べられました。その上で、大局観に基づき、あらゆる障害を乗り越え、地域や国際社会の平和と安定、日朝双方のため、総理自ら決断してまいると述べられたところであります。

露中共同飛行

【共同通信 桂田記者】中国とロシア爆撃機の、日本周辺での軍事活動についてお伺いします。中露の爆撃機が、昨日、日本海から東シナ海の長距離を共同飛行して、航空自衛隊の戦闘機が、スクランブル発進して対応しました。防衛省の昨日の発表によりますと、外交ルートでの懸念を伝えられたということですが、こちらの具体的な内容を教えてください。また、両国の日本周辺での軍事活動の活発化に対する受け止めを伺います。

【小野外務報道官】6月6日、中国の爆撃機及びロシアの爆撃機が、日本海から東シナ海にかけて共同飛行を実施したことを確認しています。
 このような共同飛行は、2019年以来6度目のものとなります。今回の共同飛行を含め、我が国周辺での一連の両国軍の共同行動は、我が国に対する示威活動であると捉えざるを得ません。
 我が国としては、中国に対しては、アジア大洋州局審議官から在京中国大使館公使参事官に、また、在中国大使館公使参事官から中国外交部辺境海洋司副司長に、また、ロシアに対しては、欧州局参事官から在京ロシア大使館次席に対して、このような我が国の認識を述べつつ、今回の共同飛行について、安全保障上の観点から重大な関心を表明するとともに、中露両国の軍が我が国周辺で、頻度を上げて共同行動を継続していることに対して、我が国の安全保障上の観点から、重大な懸念を伝達したところです。
 また、ロシア側に対しては、これらと併せて、ロシアによるウクライナ侵略に対する日本の立場を改めて述べつつ、このように、ロシアがウクライナを巡る状況を緊迫化させる中で、更に、東アジア地域の緊張を高めるような行動をとることは、看過できない旨を申し入れ、この観点からも、重大な懸念を伝達しました。
 また、中国に対しては、ロシアがウクライナ侵略という国際法への違反を現に行っており、国際社会がそれをやめさせようと努力している中で、ロシア軍と、このタイミングで、あえて共同軍事訓練を継続していることについて、国際社会の平和と安全の維持に対して、責任ある役割を果たすべきである旨を、改めて強く求めたところです。

NATO東京事務所開設

【ラジオ・フランス 西村記者】東京での、NATOの連絡オフィスを設置する可能性について、質問させていただきます。そういった連絡オフィスを設置することは、検討されているらしいんですが、フランスの方で反対立場ということもマスコミに出ているんですけれども、日本の考え方、立場はどういったことでしょうか。そういった連絡事務所が設置されることが望ましいでしょうか。また、他のNATOメンバーの中で、フランスみたいな反対意見がありましたら、どう思いますか。

【小野外務報道官】御指摘の報道については承知しています。
 昨日も、林大臣からお答えをさせていただきましたけれども、NATOによる日本への連絡事務所の設置につきましては、NATO内において、種々の検討が進められているというところでありまして、現時点で私(小野外務報道官)の方から、予断を持ってお答えをするということは差し控えたいと思います。

LGBT理解増進法案

【朝日新聞 長﨑記者】LGBTの理解増進法案が、週内9日にも審議入りする方向になりました。LGBT含むジェンダー平等については、G7のサミットでも、共同声明に盛り込まれていますけれども、政府としての、こうした動きに対するちょっと受け止めをお願いします。

【小野外務報道官】LGBT理解増進法案につきましては、議員立法の動きを尊重しつつ見守っていくとの方針でありまして、外務省としてコメントするということは差し控えたいと思います。
 政府としては、G7広島サミットを踏まえ、多様性が尊重され、全ての方々がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる社会の実現に向け、引き続き、様々な国民の声を受け止め、しっかりと取り組んでいく方針です。

G7広島サミット(ALPS処理水の海洋放出に係る首脳コミュニケ)

【ラジオ・フランス 西村記者】G7サミットのコミュニケについて、質問させていただきます。G7のコミュニケの中で、「福島第一原発の処理水の放出」に関する英語版と日本語版、かなり大きい違いがあって、どういったことかというと、英語で書いてあるのは、IAEAのサーベイ、調査が必要であること、と書いてあるんですが、日本語版の仮訳であると思うんですが、全然違う意味で、「放出そのものが必要」というふうに書いてあります。そういったことは、既に、どこかから指摘されたのか、御存じでしょうか。そういった間違いがあって、もし指摘された場合は、修正されていない理由は何なのか、もし、自分でも、そういう間違いがあることを確認できれば、修正するのでしょうか。

【小野外務報道官】一般論としてまず申し上げますと、G7広島サミット及びG7関連閣僚会合の成果文書の正文は、あくまでも英語です。「仮訳」は、あくまで参考として作成しているものです。
 その上で申し上げれば、ALPS処理水の海洋放出に関する首脳コミュニケにおけるご指摘の箇所につきましては、「G7気候・エネルギー環境会合コミュニケ」の英文と同一の文言であるということから、仮訳においても、同一の文言を用いることとしたというものです。この仮訳の箇所につきまして、詳細については、資源エネルギー庁にご照会をいただければと思います。

【ラジオ・フランス 西村記者】関連ですが、もう1か月がたって、そういう間違いが残っていることは、極めて良くないと思いますけれども、仮訳と言われても、参考のために、と言われても、読んでいる人は、日本語版を読むと思います。間違って理解してしまうリスクがかなり大きいと思うんですけど、それを早めに修正するのは、必要ないと思いますか。

【小野外務報道官】本件についてのお答えは、先ほど申し上げたとおりでありまして、御指摘の「仮訳」につきましては、資源エネルギー庁の方にご照会いただければと思います。

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