外務省・新着情報

令和5年5月2日
正面を向き、握手を交わす、両大臣の様子
テーブルにつき、会談を行う、両大臣の様子

 現地時間5月2日午前9時10分(日本時間同日午後10時10分)から約75分間、バルバドスを訪問中の林芳正外務大臣は、ケリー・シモンズ・バルバドス外務・貿易大臣(The Hon. Kerrie D. Symmonds, Minister of Foreign Affairs and Foreign Trade of Barbados)と会談したところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、林大臣から、日本の外務大臣として初めてバルバドスを訪問でき嬉しく思う旨述べるとともに、日本とバルバドスは価値や原則を共有する重要なパートナーであり、国際場裡での協力関係を更に深めていきたい旨述べました。シモンズ大臣からは改めて林大臣の訪問を歓迎しつつ、両国の良好な関係を一層強化させたい旨述べました。
  2. 林大臣から、バルバドスを含むカリブ諸国に対して、小島嶼国特有の脆弱性克服に向けた協力の一環として、各国の事情に応じたきめ細やかな支援を実施しており、バルバドスに対しては、環境・気候変動対策の一環として、バルバドスの主要産業である観光業や水産業に悪影響を与えているサルガッサム海藻除去支援等を実施中である旨説明し、今後も小島嶼国特有の脆弱性の克服に寄与すべく環境、気候変動、防災等の分野において必要な支援を行っていく旨述べました。シモンズ大臣からは、バルバドスの開発課題に即した日本の支援に謝意が表明され、引き続きの協力の要請がありました。
  3. 両者は、気候変動問題及び開発資金についても議論を行い、林大臣から、気候変動分野に係る日本の取組につき説明しました。これに対し、シモンズ大臣から、気候変動問題は小島嶼開発途上国にとって最大の脅威であり、日本の取組を評価するとともに、バルバドスが気候変動と経済成長との関連をめぐり、昨年発表したブリッジタウン・イニシアティブ等の国際社会の開発資金をめぐる議論での連携を深めたい旨言及がありました。これに対し、林大臣から、バルバドスが国際社会の開発資金をめぐる議論を力強くリードしていることを賞賛する旨述べました。
  4. 林大臣から、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化のために連携を深めたい旨述べるとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、バルバドスとの間でもビジョンを共有し、連携していきたい旨述べ、理解を得ました。
  5. 両大臣は、ウクライナ情勢について意見交換し、世界のどこにおいても力による一方的な現状変更は許されないとの認識で一致し、林大臣から、唯一の戦争被爆国として、ロシアによる核の威嚇、ましてや、その使用は断じて受け入れられない旨述べました。
  6. 両大臣は、核・ミサイル問題を含む北朝鮮への対応等の東アジア情勢、経済的威圧を含む経済安全保障、安保理改革を含む国連の機能強化、核軍縮・不拡散等の国際社会における諸課題への対応についても意見交換し、今後とも連携していくことを確認しました。また、林大臣から、国際場裡における日本の立場へのバルバドスによる支援に感謝するとともに、両者は引き続き協力を推進することで一致しました。
  7. 両大臣は、透明で公正な開発金融の重要性を確認しました。
  8. 両大臣は、両国関係を支える人的交流の重要性について議論するとともに、2024年の「日カリブ交流年2024」に向けて、二国間及び日・カリコムの交流を強化していくことを確認しました。

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