法務省・新着情報

法務大臣閣議後記者会見の概要

令和5年4月11日(火)

 今朝の閣議において、法務省案件として、主意書に対する答弁書が1件ありました。

技能実習・特定技能制度に関する質疑について

【記者】
 技能実習と特定技能の見直しについてお尋ねします。昨日の有識者会議で、事務局がこれまでの議論をまとめた中間報告書のたたき台が示されました。その中で、「技能実習を廃止し、人材確保と人材育成を目的とする新しい制度の創設を検討すべき」という方向性が打ち出されました。今後も検討が会議で続く内容ですので、大臣のお立場としてコメントしにくい部分もあるかとは思うんですけれども、現時点の方向性に対する大臣の受け止めと、今後の議論に求める点、大臣として重視されるポイントをお聞かせください。

【大臣】
 昨日開催された有識者会議で提示された中間報告書のたたき台では、検討の大きな方向性として、「技能実習制度を廃止し、人材確保と人材育成を目的とする新たな制度の創設を検討すべき」と示されております。現行の技能実習制度の果たしている役割や効果を評価する御意見も踏まえながら、「人材育成機能は維持しつつ、人材確保も制度目的に加え、実態に即した制度とする」、「職種は特定技能の分野にそろえ、外国人がキャリアアップしつつ我が国で修得した技能等を更にいかすことができる制度とする」、「転籍制限については、限定的に残しつつも、従来より緩和を図ること」などをお示しし、引き続き有識者会議で御議論いただくこととなっております。
 もっとも、現在、中間取りまとめに向けた議論がなされている段階であり、私から今後の制度の方向性等についての考えを述べることは適切ではないと思っていますが、いずれにしても、私としては、引き続き中間取りまとめに向けて実りある議論がなされることを、まずは期待しています。

訴訟係属中の証拠映像が公開されたことに関する質疑について

【記者】
 先週金曜日の会見で大臣がおっしゃった発言についてお伺いします。ウィシュマさんの映像につきまして、弁護団が公開したことに対して、大臣が「勝手に編集してマスコミに提供して公開された。」とおっしゃいました。大臣の発言に対して、「遺族の意向で映像を公開することに何の問題があるのか。」という批判や、「そもそも映像を編集して公開しているのは入管庁だ。」という批判もあります。改めて、発言の真意や批判に対する受け止め、もし発言を修正や撤回するお考えがおありでしたらお伺いします。

【大臣】
 まず、私の記者会見における発言ですけれど、御指摘の私の発言は、原告側がビデオ映像を公開したことについての事実関係を、まず第一弾として述べました。その第二弾として、今、訴訟の最中の話であるから、その事実について私はコメントは控えますということを申し上げたわけですので、それ以上のものではございません。

【記者】
 関連ですけれど、「それ以上のことはございません。」と言いつつ、批判を浴びているのは、大臣が二度にわたって読んだ「ビデオ映像の一部を原告が勝手に編集をし、マスコミに提供した。個別は答えないけれど、皆さんにもよく考えていただけたら。」という部分です。おそらく、これは検察官が作り、その文書を二度にわたってそのまま読み上げたなと思っているんですけれども、ただ、読み上げるか読み上げないかは、最終的には大臣の判断です。「勝手に編集をして」と言うのであれば、ずっと2年前から遺族側が求めてきた295時間全てを早く公開すべきだったのではないでしょうか。遺族としては、この5時間の中のわずか5分しか一般の人に見せられないという状況についても懸念をしておりました。こういう状況下であのような発言を撤回すべきじゃないかという意見はたくさんありますし、私自身も聞いていて非常にショックでした。撤回しないのでしょうか。「勝手に」という部分も含めて、現在どう思っているのかお聞かせください。

【大臣】
 まず、繰り返しますけど、あそこの私の発言の部分は事実を述べたものです。したがって、何かのコメントをする、そういう意図を持って申し上げたものではありませんので、そこは御理解いただきたいと思います。
 それから、私どものビデオの公開について御指摘がありましたが、これについては、きちんと改めてお話ししたいと思いますけれど、御指摘のビデオ映像につきましては、まずは情報公開法上も不開示情報として取り扱っております。これらを広く一般に公開することにつきましては、保安上の問題に加えて、ウィシュマさんの名誉、尊厳の観点から問題があると考えているわけです。
 具体的に申し上げますと、例えば、ビデオ映像を広く一般に公開することになりますと、例えば監視カメラの撮影範囲や解像度、職員による巡回の体制、頻度など、そういった具体的な状況が公となり、逃走防止や施設内の秩序維持といった保安上の問題が生じかねないという懸念が一つです。また、亡くなった方とはいえ、御本人の了解もなく、食事や着替えの介助を受ける様子のほか、生活上のあらゆる様子がつまびらかにされるということは、やはりウィシュマさんの名誉、尊厳の観点から慎重であるべきだろうと考えています。私は個人的に、もし自分がそういうことになれば、自分のことであれば私は公開してほしくないと思いますので、人それぞれお考えがある、そういう微妙な問題だと思っておりますので、慎重に対応すべきだろうということです。
 訴訟において提出した約5時間分のビデオ映像につきましては、飽くまでも裁判所における証拠調べの必要性を認めたビデオ映像について、裁判所からの勧告を受け、訴訟上の対応として証拠提出をしたというものです。また、訴訟係属中の事案に関する事柄の詳細を訴訟外で明らかにすることは、司法への影響に鑑み、基本的には差し控えるのが適当であると考えているところです。

【記者】
 今の関連です。大臣の前段のお答え、プライバシーや保安上の理由というのは、上川法務大臣のときからずっと同じことを言っています。それと、大臣の金曜日の発言や今のお答えは、全然誠意のあるお答えになっていません。繰り返しです、同じことの。ずっと。
 結局、裁判に5時間分の動画を、すごい時間が掛かって裁判所の強い指示があって提出されたわけですが、これも入管側が編集したものです。最終報告書の中でも問題視していた「鼻から牛乳」とか「薬きまってる」といった暴言については入っていないそうです。この5時間分の動画の編集は、いったいどなたがどういう方針で編集したのか、大臣は御存じでしょうか。編集意図について大臣のお考えを聞かせてください。

【大臣】
 裁判所の勧告に従って、「こういうものを出してほしい。」ということで、それをお出ししたということと理解しています。

【記者】
 何で暴言の箇所が入っていないんですか。

【大臣】
 繰り返します。先ほど答弁したとおりです。

(以上)

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