外務省・新着情報

令和5年3月20日
岸田総理大臣のスピーチを見守るインド世界問題評議会の会場の様子 インド世界問題評議会において政策スピーチを行う岸田総理(写真提供:内閣広報室)
政策スピーチを行っている岸田総理大臣の様子 インド世界問題評議会において政策スピーチを行う岸田総理(写真提供:内閣広報室)

 現地時間3月20日午後2時35分(日本時間同日午後6時05分)から約35分間、インド・ニューデリーを訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、インド世界問題評議会(ICWA)において、「インド太平洋の未来~『自由で開かれたインド太平洋』のための日本の新たなプラン~“必要不可欠なパートナーであるインドと共に”」と題する政策スピーチを行い、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」のための新たなプランを発表したところ、概要は以下のとおりです。本政策スピーチには、インド政府からジャイシャンカル外務大臣が出席しました。

  1. 岸田総理大臣から、国際社会が歴史的な転換期にある中、国際社会を分断と対立ではなく協調に導くという目標に向けて、FOIPの考え方は従来以上に重要になっている旨述べました。
  2. 続けて、岸田総理大臣から、今の転換期においてもFOIPの基本的考え方は変わらない旨述べつつ、「自由」と「法の支配」の擁護、「多様性」、「包摂性」、「開放性」の尊重といったFOIPの中核的な理念を強調しました。また、これらを前提として、FOIPの下で今後取るべきアプローチとして、「対話によるルール作り」、各国間の「イコールパートナーシップ」、「人」に着目したアプローチを提示しました。さらに、各国との連携を強化するとともに、FOIPのビジョンを共有する各国の輪を広げ、共創の精神で取り組んでいく旨述べました。
  3. その上で、岸田総理大臣から、FOIP協力の新たな「4つの柱」(平和の原則と繁栄のルール、インド太平洋流の課題対処、多層的な連結性、「海」から「空」へ拡がる安全保障・安全利用の取組)を打ち出しました。その中で、気候変動、食料安保、国際保健、サイバーセキュリティ等の幅広い分野における現実的かつ実践的な協力を加えるなどして、FOIP協力を拡充していくこと等を具体的に説明しました。また、新たに日ASEAN統合基金(JAIF)に1億ドルの拠出を行うことを表明しました。
  4. さらに、岸田総理大臣から、FOIP協力を拡充する中で、ODAの戦略的活用を推進し、様々な形でODAを拡充すること、こうした観点から開発協力大綱を改定し今後10年間の指針を示すこと等を説明しつつ、「オファー型」協力を打ち出し、「民間資金動員型」無償資金協力の枠組みを導入し、JBIC法の改正を進めることを表明しました。加えて、2030年までにインフラ面で官民合わせて750億ドル以上の資金をインド太平洋地域に動員し、各国と共に成長していく旨発表しました。
  5. 最後に、岸田総理大臣から、FOIPを発展させていく上で必要不可欠なパートナーであるインドと共に、ASEANなど多くの国と協働していく旨呼びかけました。また、G7議長としてG20の成功のためにインドに協力していくとしつつ、5月にモディ首相を広島にお迎えするとともに、9月に再びインドを訪問することを心待ちにしている旨述べました。

[参考]
 岸田総理大臣の政策スピーチ「インド太平洋の未来~『自由で開かれたインド太平洋』のための日本の新たなプラン~“必要不可欠なパートナーであるインドと共に”」全文(日本語(PDF)別ウィンドウで開く英語(PDF)別ウィンドウで開く


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