外務省・新着情報

令和5年3月19日
正面を向き、写真撮影に応じる、両大臣の様子
テーブルにつき、会談を行う、両大臣の様子

 現地時間3月19日午前9時55分(日本時間午前7時55分)から約45分間、ソロモン諸島を訪問中の林芳正外務大臣は、ジャーマイア・マネレ・ソロモン諸島外務・貿易大臣(Hon. Jeremiah MANELE, Minister for Foreign Affairs and External Trade of Solomon Islands)と日・ソロモン外相会談を実施したところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、林大臣から、日本の外務大臣として初めてソロモン諸島を訪問でき嬉しく思う旨述べるとともに、両大臣は、二国間関係及び太平洋島嶼国地域との協力を更に強化していくことで一致しました。
  2. 林大臣から、日本は20年以上にわたり、太平洋・島サミット(PALM)を通じてソロモン諸島を含む太平洋島嶼国の諸課題の解決を支援してきたことに触れ、保健・医療関連機材の供与等について説明し、また、今後の海洋安全保障分野での協力や不発弾処理分野での更なる協力の用意を表明しました。マネレ大臣からは、ホニアラ空港を始めとするインフラ、農・漁業、医療といった様々な分野でのこれまでの日本の支援への謝意が改めて示され、その上で、両大臣は、今後の協力について調整していくことを確認しました。
  3. 両大臣は、太平洋島嶼国の情勢について議論を行い、林大臣から、地域をめぐる環境が大きく変化する中で、地域の一体性が益々重要であることを指摘し、その観点から、先月の太平洋諸島フォーラム(PIF)へのキリバスの復帰の歓迎、また、PIFの「ブルーパシフィック大陸のための2050年戦略」への強い支持を表明しました。さらに、林大臣から、日本はこれからも太平洋島嶼国自身のアジェンダを尊重し、日本の強みを生かした協力を行っていく旨述べました。
  4. 両大臣は、気候変動は、太平洋島嶼国にとって最大の脅威であるという認識を共有した上で、林大臣から、国連を含め、様々な場において同分野について積極的に議論に関与していく旨説明しました。また、林大臣から、日本は、気候変動による海面上昇に関し、海岸線が後退した場合も、国連海洋法条約に従って設定された既存の基線の維持は許容されるとの立場を採ることとした旨説明し、マネレ大臣から歓迎の意が示されました。
  5. 林大臣から、ALPS処理水の海洋放出に関して、日本は、環境及び人の健康に害がないことをしっかり確保した上で行う旨説明しました。
  6. 林大臣から、日本は「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、太平洋島嶼国との間でも透明性・包摂性のある協力を幅広く進めていく旨述べ、両者は一層の連携強化を確認しました。
  7. 両大臣は、ウクライナ情勢について意見交換し、世界のどこにおいても力による一方的な現状変更は許されないとの認識で一致し、林大臣から、唯一の戦争被爆国として、ロシアによる核の威嚇、ましてや、その使用は断じて受け入れられない旨述べました。また、両大臣は、国連総会でウクライナの平和を求める総会決議を採択され、ソロモン諸島を含む国際社会の大多数によって、ロシアに即時、完全かつ無条件の撤退を求める強い意志が改めて表明されたことを歓迎し、今後とも協力していくことで一致しました。
  8. 林大臣は、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応において、引き続き連携していきたい旨述べました。
  9. 両大臣は、来年開催予定の太平洋・島サミット(PALM10)に向けて、本年開催予定のPALM中間閣僚会合での協力を確認しました。

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