外務省・新着情報

令和5年3月18日
正面を向き、笑顔で握手を交わす、両首脳の様子 握手を交わす両首脳(写真提供:内閣広報室)
テーブルにつき、会談を行う、両首脳の様子 日独首脳会談に臨む両首脳(写真提供:内閣広報室)
演台に立ち、共同記者会見を行う、両首脳の様子 共同記者会見(写真提供:内閣広報室)

 3月18日、オラフ・ショルツ・ドイツ連邦共和国首相(H.E. Mr. Olaf Scholz, Chancellor of the Federal Republic of Germany)の訪日に際し、東京において、日独首脳会談及び日独政府間協議等が開催されたところ、概要は以下のとおりです。

1 日独首脳会談

着席し、日独首脳会談(テタテ)前に写真撮影に応じる、両首脳の様子 日独首脳会談(テタテ)(写真提供:内閣広報室)

 3月18日、午後3時30分から、テタテ(一対一)の会談を含め約50分間、岸田文雄内閣総理大臣は、ショルツ首相と首脳会談を行いました。

  • (1)冒頭
  • (ア)岸田総理大臣から、ショルツ首相の約1年ぶりとなる訪日を歓迎し、両国間で要人往来が活発化する中、日独関係が、かつてないほど強固かつ緊密になっていることを歓迎する旨述べました。また、昨年4月にショルツ首相との間で立ち上げに合意した政府間協議は、基本的価値を共有する日独間の協力を更に拡大・深化する重要な枠組みであるとして、全体会合において、両国の閣僚を交えて具体的な成果に向けて議論したい旨述べました。
  • (イ)ショルツ首相は、岸田総理大臣による歓迎に対して謝意を述べるとともに、昨年と本年のG7議長国として、日独間で連携していきたい旨述べました。
  • (2)二国間関係
     岸田総理大臣から、欧州とインド太平洋の安全保障は不可分であると述べ、ドイツが、インド太平洋への関心と関与を強めていることを高く評価しました。また、岸田総理から、昨年末に策定した国家安全保障戦略について説明を行い、ショルツ首相から理解と支持を得ました。双方は、両国で安全保障面での取組が進む中、安全保障分野での協力が進んでいることを歓迎し、「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)の実現に向け、引き続き、日独間で緊密に連携していくことを確認しました。また、岸田総理大臣から、EUによる日本産食品輸入規制措置の早期撤廃に向けたドイツの協力を改めて求めました。
  • (3)ロシアによるウクライナ侵略への対応
     両首脳は、ウクライナにおいて厳しい戦況が続く中、ロシアによるウクライナ侵略を最も厳しい言葉で非難し、ロシアに対し、即時かつ無条件の撤退を要求しました。また、G7はじめ同志国が結束し、一日も早くロシアの侵略を終わらせるべく、厳しい対露制裁と強力なウクライナ支援を継続するとともに、ロシアによる核の威嚇、ましてや、その使用はあってはならないとの明確なメッセージを発信し続けることが重要であるとの考えで一致しました。
  • (4)東アジア情勢
     両首脳は、東シナ海及び南シナ海における力を背景とした、一方的な現状変更の試みに強く反対しました。また、北朝鮮の核・ミサイル活動の活発化に対する深刻な懸念を共有し、拉致問題を含む北朝鮮への対応において、引き続き連携していくことを確認しました。
  • (5)多国間外交
     両首脳は、また、安保理改革を含む国連の機能強化や核軍縮・不拡散等、国際社会が直面するグローバルな課題の解決に向けて、緊密に連携していくことを確認しました。

2 日独政府間協議

正面を向き、日独政府間協議の全体会合前に写真撮影に応じる、両国の関係閣僚の様子 全体会合(写真提供:内閣広報室)
テーブルにつき、日独政府間協議の全体会合に臨む、両国の関係閣僚の様子 全体会合(写真提供:内閣広報室)
  • (1)午後4時37分から約85分間、第1回日独政府間協議の全体会合を開催しました。日本側は岸田総理大臣、ドイツ側はショルツ首相が議長を務め、双方から関係閣僚が出席しました。また、会合終了後、共同声明が発出されました。
  • (2)今次会合は、経済安全保障を中心テーマとして幅広く意見交換を行いました。
  • (ア)冒頭、岸田総理大臣から、政府間協議は、基本的価値を共有する日独両国が世界の平和と繁栄のために具体的な協力を推進するための枠組みであり、緊密な日独関係を新たな高みに引き上げるものである旨述べ、その初めての開催を歓迎しました。
  • (イ)双方は、経済的威圧、非市場的政策・慣行、重要・新興技術の保護及び育成、基幹インフラ防護、サイバー空間での悪意ある行動への対応、サプライチェーン強靱化、透明で公正な開発金融の促進、エネルギー・食料安全保障等、経済安全保障及び関連するグローバルな課題における日独の役割について議論を行い、協力を強化していくことで一致しました。
     双方は、経済安全保障が、両国のみならず国際社会全体にとって重要な問題であることを強調し、途上国・新興国における経済の強靱化を支援していくことを確認しました。双方はまた、経済安全保障分野での取組を含め、G7広島サミットの成功に向けて緊密に連携していくことを確認しました。
  • (3)次回会合
     日独双方は、双方の都合のつく適当な時期に、次回会合を開催することを確認しました。

3 日独経済界関係者との意見交換

正面を向き、意見交換前に写真撮影に応じる、日独経済関係者と両首脳の様子 日独経済関係者と両首脳との意見交換(写真提供:内閣広報室)
テーブルにつき、意見交換を行う、日独経済関係者と両首脳の様子 日独経済関係者と両首脳との意見交換(写真提供:内閣広報室)

 政府間協議に続き、岸田総理大臣は、ショルツ首相及び日独の関係閣僚と共に、日独経済界関係者との間で企業活動の面から見た経済安全保障を中心に意見交換を行いました。

4 総理主催夕食会

 岸田総理大臣は、ショルツ首相、日独の関係閣僚及び両国の経済界関係者等を招いた夕食会を開催し、経済を含む幅広い分野における日独関係の更なる発展に向けて率直に議論を行いました。

[参考1]日独政府間協議
 2022年4月のショルツ首相訪日の際、日独両首脳間で、日独が幅広い分野で協力を推進していくために、新たに首脳及び複数の閣僚が参加する政府間協議を立ち上げることで一致。

[参考2]別添PDF

[参考3]日独政府間協議への主な出席者

  • 日本側:岸田総理大臣(議長)、林外務大臣、高市内閣府特命担当大臣(経済安全保障担当)、鈴木財務大臣、浜田防衛大臣、松本総務大臣、西村経済産業大臣 他
  • ドイツ側:ショルツ首相(議長)、ハーベック副首相兼経済気候相、リントナー財務相、フェーザー内務相、ベアボック外相、ピストリウス国防相、ヴィッシング・デジタル交通相他

発信元サイトへ