外務省・新着情報

令和5年3月16日
少人数会合を前に、ユン・ソンニョル韓国大統領と握手する岸田総理大臣 日韓首脳会談(少人数会合)(写真提供:内閣広報室)
日韓首脳会談の全体会合が行われている様子 日韓首脳会談(全体会合)(写真提供:内閣広報室)
共同記者会見に臨む、岸田総理大臣とユン・ソンニョル韓国大統領 共同記者会見(写真提供:内閣広報室)

 3月16日午後4時50分から計約1時間25分間、岸田文雄内閣総理大臣は、訪日中の尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領と日韓首脳会談を行ったところ、概要は以下のとおりです(少人数会合:午後4時50分から約25分間、全体会合:午後5時15分から約60分間)。

  1. 冒頭、岸田総理大臣から、今般の尹大統領の訪日を心から歓迎する、本日、将来に向けて日韓関係の新たな章を共に開く機会が訪れたことを嬉しく思うと述べました。両首脳は、現下の戦略環境の中で日韓関係の強化は急務であり、国交正常化以来の友好協力関係の基盤に基づき、関係を更に発展させていくことで一致しました。
  2. 両首脳は、両国の首脳が形式にとらわれず頻繁に訪問する「シャトル外交」の再開で一致しました。
  3. 旧朝鮮半島出身労働者問題に関し、率直な意見交換を行い、岸田総理大臣から、6日に日本政府が発表した立場に沿って発言しました。
  4. 両首脳は、日韓両国が共に裨益するような協力を進めるべく、政治・経済・文化など多岐にわたる分野で政府間の意思疎通を活性化していくこととし、具体的には、まずは日韓安全保障対話及び日韓次官戦略対話を早期に再開すること、またハイレベルの日韓中プロセスを早期に再起動する重要性について一致しました。また、両首脳は、サプライチェーンの強靭化や機微技術流出対策など、日韓両国が共に直面する課題を解決するため、日韓間で経済安全保障に関する協議を立ち上げることで一致しました。さらに、輸出管理分野においても進展があったことを歓迎しました。
  5. 岸田総理大臣から、両国間の人的交流がより一層活発化することで関係改善の好循環が更に加速することを期待する、政府としても対日理解促進交流プログラム(JENESYS)等により未来を担う若者の交流を支援していく旨述べました。また、両首脳は、今般の尹大統領の訪日を契機として、両国の経済団体が未来志向の日韓協力・交流のための「日韓・韓日未来パートナーシップ基金」を創立すると表明したことを歓迎しました。
  6. 現下の地域における厳しい安全保障環境の下で戦略的連携を進めていく必要性についても意見を交わしました。北朝鮮への対応に関し、両首脳は、今朝の北朝鮮によるICBM級弾道ミサイル発射を強く非難した上で、こうした北朝鮮による最近の核・ミサイル活動の活発化を踏まえ、日米同盟及び韓米同盟の抑止力及び対処力を一層強化するとともに、日韓、そして日韓米の安保協力を推進していくことの重要性で一致しました。また、拉致問題については、尹大統領から改めて支持を得ました。
  7. また、両首脳は、この歴史の転換期において自由で開かれたインド太平洋を実現する重要性について確認し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くため同志国が力を合わせていく必要性について認識を共有しました。
  8. ウクライナ情勢についても意見交換を行い、ロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、こうした暴挙は東アジアを含む世界のどこであっても許してはならないとの点で一致しました。
  9. 両首脳は、今後も首脳間での意思疎通を継続していくこととしました。

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