外務省・新着情報

令和5年2月3日

 2月2日、午後10時から約50分、林芳正外務大臣は、秦剛(しん・ごう)外交部長と電話会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、秦剛部長から着任挨拶があり、林大臣から同部長に対して外交部長就任に対する祝意を述べました。また、秦剛部長から、1月下旬に発生した長崎県男女群島西方沖における香港籍貨物船沈没事案等に対する日本側の捜索・救助活動に対し、謝意が表明されました。さらに、林大臣から、両首脳間の重要な共通認識である「建設的かつ安定的な関係」の構築という大きな方向性の実現のため、秦剛部長と連携していきたい旨述べ、同部長から同様の考えが示されました。
  2. 林大臣から、日中関係は多くの課題・懸案に直面し、日本国内の対中世論は極めて厳しい旨述べつつ、尖閣諸島を巡る情勢を含む東シナ海、ロシアとの連携を含む中国の我が国周辺での軍事的活動の活発化、南シナ海、香港、新疆ウイグル自治区等の状況に対する深刻な懸念を改めて表明するとともに、台湾海峡の平和と安定の重要性につき述べました。また、中国における邦人拘束事案等について、我が方の立場に基づき改めて申し入れました。さらに、日本産食品に対する輸入規制の早期撤廃を強く求めました。
  3. また、林大臣から、昨年11月の首脳会談で一致した、グリーン経済や医療・介護・ヘルスケア分野での互恵的協力や、日中両国の未来を担う青少年交流を含む国民交流の重要性について述べつつ、そのためにも透明・予見可能かつ公平なビジネス環境の確保と日本企業の正当な経済活動の保障が重要である旨述べ、中国側の適切な対応を改めて強く要請しました。
  4. 両外相は、ウクライナ情勢について意見交換を行うとともに、拉致問題の即時解決を含む北朝鮮への対応について、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。また、日本は本年から安保理理事国であり、国連安保理においても意思疎通を強化していくことを確認しました。さらに、中国が確立された国際ルールの下で国際社会に前向きな貢献を行うことの重要性について述べつつ、気候変動や開発金融といった国際的課題について、共に責任ある大国として行動していくことを確認しました。
  5. 両外相は、引き続き首脳・外相レベルを含めあらゆるレベルで緊密に意思疎通を行っていくことで一致しました。

発信元サイトへ