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令和5年2月2日
首脳会談を前に、握手しながら記念撮影を行う日・ミクロネシアの両首脳 日・ミクロネシア首脳会談(写真提供:内閣広報室)
日・ミクロネシア首脳会談が行われている様子 日・ミクロネシア首脳会談(写真提供:内閣広報室)
日・ミクロネシア両首脳が、共同記者発表を行っている様子 共同記者発表(写真提供:内閣広報室)

 2月2日、午後6時35分から約95分間、岸田文雄内閣総理大臣は、来日中のデイビッド・W・パニュエロ・ミクロネシア連邦大統領(H.E. Mr. David W. PANUELO, President of the Federated States of Micronesia)との間で、日・ミクロネシア首脳会談及びワーキングディナーを行ったところ、概要は以下のとおりです。なお、首脳会談の後には、両首脳立ち会いの下、医療関連機材の供与(無償資金協力「経済社会開発計画」)に関する交換公文の署名式が行われました。また、両首脳は、日・ミクロネシア首脳共同声明を発出しました。

  1. 冒頭、岸田総理大臣から、日本とミクロネシアは歴史的に深いつながりを有し、「キズナ」を共有する友人同士であり、重要なパートナーである旨述べるとともに、パニュエロ大統領の訪日を心から歓迎する旨述べました。
  2. 岸田総理大臣から、日本は、来年、記念すべき10回目を迎える太平洋・島サミット(PALM(パーム))や二国間の取組を通じて、引き続き、ミクロネシアの持続的発展を力強く支援していく旨説明し、パニュエロ大統領から、今般署名に至った医療関連機材供与やコロナ対策に当たっての情報共有を含め、日本の取組に対する謝意が述べられました。
  3. 両首脳は、ロシアのウクライナ侵略により国際秩序が揺らぐ今こそ、民主主義や法の支配といった基本的価値を共有する国々が結束することが重要であること、また、世界のどこにおいても力による一方的な現状変更は許されないとの認識で一致しました。また、パニュエロ大統領から、「自由で開かれたインド太平洋」への完全な支持とコミットメントが表明され、両首脳は、この実現に向けて緊密に協力することを確認しました。
  4. 岸田総理大臣から、日本を取り巻く安全保障環境が戦後最も厳しく複雑な状況にある中、昨年末に新たな国家安全保障戦略を策定し、防衛力を抜本的に強化するとともに外交的取組を強化していくことについて説明し、パニュエロ大統領から日本の方針につき理解と支持を得ました。
  5. 両首脳は、太平洋島嶼国地域の情勢について議論し、太平洋諸島フォーラム(PIF)協力をはじめとする、太平洋島嶼国の一体性の確保の重要性につき一致しました。また、岸田総理大臣から、「ブルーパシフィックにおけるパートナー(Partners in the Blue Pacific:PBP)」等も活用しつつ、同志国とも連携し、今後とも太平洋島嶼国を支えていく旨述べました。
  6. 両首脳は、東シナ海や南シナ海における力を背景とした一方的な現状変更の試みに対する深刻な懸念を表明しました。
  7. また、両首脳は、安保理改革を含む国連の機能強化に向けた連携で一致しました。両首脳は、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応において、引き続き、連携していくことを確認しました。
  8. 岸田総理大臣から、PALM9での約束のとおり、ALPS処理水の海洋放出は、環境及び人の健康に害がないことを確保した上で実施されること、また、日本は、引き続き、IAEAのレビューを受けつつ、太平洋島嶼国・地域に対し、高い透明性をもって科学的根拠に基づく説明を誠実に行っていくことを説明しました。これに対し、パニュエロ大統領から、道上駐ミクロネシア日本国大使によるALPS処理水に関する透明性ある説明について個人的な感謝をお伝えする、この複雑な問題に対するミクロネシア連邦の理解に極めて有益であった、ミクロネシア連邦が、以前に国連総会で述べたほどの恐れや懸念はもはや有していない、こうした説明によって、我々が共有する海洋資産及び資源を傷つけないという日本の意図と技術力へのより深い信頼を今や有している旨述べました。

[参考]
 日・ミクロネシア首脳共同声明(英文(PDF) 別ウィンドウで開く和文仮訳(PDF) 別ウィンドウで開く


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